松本利洋

作曲・編曲をしています。横浜ボートシアターで活動中。

松本利洋

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最近の記事

ここ1週間の振り返り

ここ最近は『新版 小栗判官・照手姫』の藤沢公演(遊行寺本堂)、さらに昨日はベネチア号「サウンドクルーズ」への劇団参加。その合間には女子美の授業手伝いも入る等、気分的には休まらない1週間だった。 『新版 小栗判官・照手姫』を取り巻く横浜ボートシアターの状況は、自分が関わっている限りでは今までにないことになっていて、現状うまく対応できてない。今回役者をやることになっているので、体調最優先で生活しているため、作業も滞りがち。今週1週間で色々取り戻したい。 『小栗』二日目の先週土

    • 2022年の振り返りと現在進行中のこと

      2022年船劇場修繕のための寄付 遠藤律子ピアノトリオジャズライブへの参加 『極楽金魚・月夜のけだもの』ツアー 語りと人形の劇『犬』 『新版 小栗判官・照手姫』(試演会) 昨年中は、今までお付き合いのあった方のみならず、作品やプロジェクトを通じた新たな出会いもたくさんあり、多くの方に世話になりました。この場を借りて改めて感謝いたします。 2023年『新版 小栗判官・照手姫』 2021年末から始まったこの公演企画。本作においては、いつの間にか自分も音楽だけでなく役者としての

      • 「あめたち」という音楽プロジェクトの1st EP「4つの歌」をリリースしました

        歌というジャンルはメロディが先に作られることが多いようですが、舞台で歌が用いられる場合は既に脚本がある中で、普段とは逆に言葉からメロディを作ることになります(もっとも、1960年〜1970年代くらいまでは歌詞が先につくことが多かったのだろうと思います)。 「あめたち(公式サイト)」というプロジェクトでは、そうした自分の立ち位置の特殊性を活かし、昭和の時代のように言葉から先に歌を作ったらどうだろうということで始めました。現在、「4つの歌」という4曲入りEPの配信を各サービスに

        • 配信、DVD制作に関するメモ

          この度色々調べたり実際試したりして分かったことを残しておく。 1. Toastは鬼門 「DVD Mac オーサリング」で調べると、まるでデファクトスタンダードのような扱いになっているが、メニュー画面の機能は本当にひどい。独自のメニュー画面を使用することはできるのだが、書き込んで実際に結果を確認するまでは一切安心できない。おかげでDVD-Rを10枚くらい無駄にした。 メニュー画面用のテンプレートも大袈裟な音やダサい絵面のものばっかりでしんどい。あくまでホームユースのもので

        ここ1週間の振り返り

          横浜ボートシアター「王サルヨの婚礼」期間限定配信

          いつもお世話になっている横浜ボートシアターが過去作品の動画配信を始めることになりました。隔週で作品を更新していく予定です。 ↓良かったらチャンネル登録してくださいね! https://www.youtube.com/channel/UC-9QqpLfgX3VvXfbv5OV8yA 今回の配信は「王サルヨの婚礼」。2001年に今の船劇場を初めて使って上演された作品です。詳しい説明は劇団WEBサイトに譲るとして、思い浮かぶことを適当につらつらと書きます。 僕はこのプロジェ

          横浜ボートシアター「王サルヨの婚礼」期間限定配信

          Blackmagic ATEM Miniが手に入らない今、気軽にカメラを切り替えながら配信する手段

          映像関係の機材が高いということはなんとなく知っていたが、ATEM Mini(¥38,280)以外のスイッチャーがこうも高いとは知りませんでした。 Roland V-02HD ¥75,900 Blackmagic ATEM Television Studio HD¥121,425 Roland ローランド HD VIDEO SWITCHER V-1HD ¥126,720 以上、いずれもAmazon価格。 ちょっと手の込んだ配信に興味がある場合、ATEM Miniの4万円弱

          Blackmagic ATEM Miniが手に入らない今、気軽にカメラを切り替えながら配信する手段

          コロナによる危機で考えること徒然

          伝え聞く範囲、ニュースで知る範囲でわかるだけでも、舞台業界は相当なことになっているらしい。実際、次にいつ公演ができるかわからないために、予定が決められないという事態に僕も直面している。 しかし幸か不幸か、最近の僕は空白の時間を欲していた。昨年の遠藤さんの入院を機に、遠藤さんが復帰した時により良い作品がつくれるよう、自分の実力を上げるために色々努力していた(もちろん、遠藤さんが亡くなった後には別の理由で空白が必要だった)。 ところが遠藤さんの葬儀の後、追悼企画などで非常にゴ

          コロナによる危機で考えること徒然

          中東ポップスの歌姫、Balqeesのアルバム"Arahenkom"冒頭2曲の不思議な変更

          昨年のサッカーW杯開催時、Apple Musicで各国代表のプレイリストを聴いて以来、中東ポップス(ハリージ)をたまに聴くようになりました。 そんな中東ポップスの中でも特に好きなBalqeesのアルバム「Arahenkom」の冒頭にいつの間にか2曲足されていました(あるいは曲順変更があった)。 「Arahenkom」はもともとアルバムタイトル曲の「Arahenkom」が1曲目。しかし、最近Apple Musicを見たら、従来の1曲目の前に2つ、オーソドックスな中東ポップス

          中東ポップスの歌姫、Balqeesのアルバム"Arahenkom"冒頭2曲の不思議な変更

          事後報告ですが、 12月1日(日)横浜ボートシアター創作影絵人形劇『洞熊学校を卒業した三人』@神楽坂翁庵 12月4日(水)説経節政大夫『愛護の若』@日暮里サニーホールコンサートサロン と本番続きでした。 ご来場いただいた皆様、関係者の皆様どうもありがとうございました。

          事後報告ですが、 12月1日(日)横浜ボートシアター創作影絵人形劇『洞熊学校を卒業した三人』@神楽坂翁庵 12月4日(水)説経節政大夫『愛護の若』@日暮里サニーホールコンサートサロン と本番続きでした。 ご来場いただいた皆様、関係者の皆様どうもありがとうございました。

          吉幾三の「TSUGARU」と日本語の歌の語り口の問題について

          演歌というジャンルはJ-POPと同じくらい曖昧なジャンルだ。民謡調、古賀調、浪花節調という古式ゆかしい区別に始まり、ロック、ブルース、ジャズ、ダンス、サンバ等々多くのジャンルを吸収し、海と河口の境目のように不確かな境界を持つ。 そんなぼやっとしたジャンルの中にラップというスタイルを投げ入れ、見事成功したのが吉幾三だ。1984年に発表された「俺ら東京さ行ぐだ」は、2000年代に入って様々な形でリミックスされ、一種のリバイバル現象を引き起こしたことを知る人は多いだろう。 そして今

          吉幾三の「TSUGARU」と日本語の歌の語り口の問題について

          音楽の洗脳的受容

          以前、とある人が「音楽を好きになるというのは慣れの問題だ」と言っていた。その言葉のニュアンスは「興味のない音楽でも、何回も繰り返して聴いていればそのうち洗脳されて好きになる」というようなニュアンスのものだった。 (作曲等の職業的な要請で)嫌いだったり興味のなかったりするジャンルを聴かなければいけない時に、この方法は一見有効そうである。しかし、自分はこの言葉を聴いてなんとも言えない違和感を味わった。 当時は「電波ソング」という言葉が非常に流布した時期でもあった。アニメやゲー

          音楽の洗脳的受容

          喜納昌吉に関するささやかな思い出

          高校生の頃、「AIR JAM 2000」というライブイベント(フェス)の映像にかじりついていた時期があった。文字通り食い入るように何度も見ては、朝から晩まで音楽づけのイベントというものに憧れていたものだった。 「 AIR JAM」は基本的に「パンク」のイベントで、主催のHi-STANDARDをはじめ、BRAHMAN、SCAFUL KING、LOW IQ 01、WRENCH、といった多くの印象的な「パンクマインド」を持つバンドが舞台を彩った。 そんな中、おそらく一番異彩を放

          喜納昌吉に関するささやかな思い出

          説経節「愛護の若」について

          12月4日(水)に日暮里サニーホール・コンサートサロンで説経節政大夫師の弾き語る「愛護の若」という作品に音楽で参加します。本日、この作品の稽古がある予定だったのですが、台風の影響で中止になってしまいました。特に千葉方面でかなりの被害が出ているとの報道が出ており、心配です。早期の復旧を願っております。 さて、本日の稽古がなくなって若干手持ち無沙汰になってしまったので、いい機会だからこの作品について少し自分なりに振り返っておこうと思い、同作の情報を自分なりに少しまとめてみました

          説経節「愛護の若」について

          Native Instrumentsが新しい「プラットフォーム戦略」のために20%の人員削減を発表

          世界有数のソフトウェアプラグイン・メーカーNative Instrumentsが大幅な人員削減を発表しました。Google Newsで日本語の情報があまり出てないのでメモ程度に書きます。 ユーザーとして気になるのは、大幅な方向転換に見えるこの決定が今までのソフトウェア・ハードウェアにどんな影響を与えるかです。上の記事にあるサイトとNative Instrumentsの間で取り交わされたQ&Aに以下のような文章があります。 "The reason why we are fo

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          台風委員会

          今回の台風15号の名前は「ファクサイ」。ラオスの女性の名前だそうです。なんでラオスの言葉で名付けられているかというと、14カ国が加盟する「台風委員会」で持ち回りで名前が付けられているからだそう。 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/台風委員会 この委員会には日本はもちろん、北朝鮮・韓国・アメリカ・中国・香港といった、食べ合わせ(?)の悪そうなメンツが入っております。政治はともかく、自然災害に関しては共通の枠組みが必要ということなのかもし

          台風委員会

          物語に音楽をつける意味

          物語に音楽をつけるということは不思議なものです。2300年ほど前に生きたアリストテレスの「詩学」においても音楽は当たり前のように演劇の友として登場していますが、(最近のことは別として)日常には決してつくことがない「BGM」すなわち音楽という存在は演劇にとって必ずしも自明とは言えないように思います。もっとも、直感的には、音楽がないと寂しいとは多くの人が感じることでしょう。 演劇に音楽がなぜ必要なのかということは、演劇の起源から推理することも可能でしょうし、効果という側面から考

          物語に音楽をつける意味