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縁側で日向ぼっこ移動オフィス


縁側で日向ぼっこをしているおばあちゃんの図。
それは子供の頃、う〜んと歳をとったら、そんな風になれたらいいなあ、と思っていた図だ。
その図の中のおばあちゃんは、白髪で、手には湯のみ、いつでも笑顔でどんな話でも聞いてくれる。
私の実のおばあちゃんたちは、最後まで活動的な人だったので、縁側にじっと座ってなんかいなかったが、
どういうわけか、この縁側のおばあちゃんは、私の意識にどこからか入ってきて、今も居座っている。

そんなことを思いながら、縁側で日向ぼっこ。
が、私の手にあるのは湯のみではなく、パソコン。まだら白髪はヘナで染めたてなので栗色だ。
いつも笑顔というわけにはいかず、どんな話でもいつでも聞いてあげられるほどの度量もまだない。
来年は60になるのだから、一応おばちゃんの仲間入りもできる歳だ。

田舎暮らしに戻り半年、冬に入って以来、太陽の陽の威力を、身内深く感じている。
陽が昇ると、日向になる板間やろうかに陣取って仕事する。お日さまの動きとともに居場所も移動。
あったかい日は、外で庭先の石の上に陣取ることもある。
陽が家々の屋根に沈むのを見送ってから、アラジンストーブをつけて部屋に入る。
かなり省エネになる。

その間、窓を開けて家に風を通しながら、服もあちこちめくって、体にも風を通しながら、できるだけ日光浴も兼ねる。
モノの本によると日光浴は15分ぐらいで免疫が上がるから十分と書いてあるが、私はその日の体調に合わせて、必要なお日様のエネルギーを浴びたなあと感じるまで、けっこう浴びている。
深呼吸をして、酸素を吸い込むような感覚で、お日様を浴びている。これが、なかなか気持ち良い。
そんな格好で電話やパソコンを触っていると、電磁波の影響から解放されるような気がしている。
郵便屋さんや宅急便屋さんも、今では私が玄関から出てこないことに慣れてくれて、まっすぐ縁側にきてくれる。

日光をわざわざ体に取り込むなんて、今までやったことはなかったが、体が、「お日様がもっといる〜」と言っているかのようなのだ。私の中に入ってきたお日様は、体を芯から温めてもくれるが、「なんでもやってごらん」とでも言うようなバイブレーション、おおらかなエネルギーをわたしの中に注いでくれるかのようだ。土の中から芽を吹き上げる植物のような、そんなエネルギーを自分の中に感じる。若いときにはお日様が必要だなんてこと感じたこともなかったが、歳を重ねるともっとお日様が必要なのだろうか?
私のイメージの中の縁側のおばあちゃんも、日光浴でエネルギーを創り出していたんだろうか?

この縁側で日向ぼっこ移動オフィスにいると、私は、仕事がけっこうはかどる。

それにしても、お日様というのは、何にでも、全く分け隔てなく注ぐのだなあ。どの草にも、どの家にも、どの人にも。
ああ、こんな風に私もなりたい、こんなにも全方向に愛情と興味を注げる自分になりたいなと、日向ぼっこ(仕事か?)しながら、今日も思うのだ。

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