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2023年もありがとうございました

こんにちは!ファクトリエ代表の山田(tocio_yama)です。

ファクトリエは、「語れるもので、日々を豊かに」をミッションとしています。日本各地のこだわりを持った工場と一緒に「良いものを、長く着る」をテーマに商品を作っています。

"長く愛用して頂く"ため、

-ベーシックなデザイン
-高い品質・耐久性
-修理(交換) 

を心がけています。

さて早いもので、もう大晦日ですね。こうしてnoteを読んでいただき、ありがとうございました。今年の元旦の日記を読み返したところ、そこには新型コロナがいつ明けるのか不安を感じつつ(今年の5月に5類感染症に移行)「自分たちは何がしたいのか」という原点に回帰し、「技術と品質」、それを成すチームに重要な「愛と感謝」を信じて進むことに決めたと書かれていました。まさに今年の一年は、その二つを愚直に取り組んだ年でした。


1.一年を振り返って

おかげさまで、11周年を迎えました

今年の10月には11周年を迎えることができました。これまでを振り返ると、熊本地震や球磨川の氾濫、新型コロナウイルス蔓延など様々なことがありましたが、なんとか続けることができたのは、応援してくださり、購入いただけるお客様のおかげです。改めて感謝を申し上げます。

今回、11周年を祝う特別なタイミングで拙著「ものがたりのあるものづくり」をドキュメンタリー映像として作っていただきました(制作は熊本のクリエーターの田中さん)。

普段はなかなか表に出ることの少ない工場のみなさんがどのような想いで洋服を作っているかを知っていただけると嬉しいです。動画には、最初に提携したシャツ工場「HITOYOSHI」さん、スカート工場「デ・アイ」さんが登場します。

創業当初、日本各地の工場を探し回った際、多くの工場から断られる中、地元熊本の「HITYOSHI」さんが手を差し伸べてくださり、最初のシャツが生まれたことを昨日のことのように覚えています。それから少しずつお客様と工場さんが増え、現在では55工場、1,000を超える商品ラインナップになりました。

”ウール”の可能性を追求してきました

この一年、初めてウール生地を使用したダウンを作り、またウール100%のマウンテンパーカー、ドレスシャツ、インナーなどにもチャレンジしてきました。吸湿・速乾性に優れた天然素材のメリノウールは、歴史を持つ老舗のニッケテキスタイル(日本毛織)さんにも知見をいただきました。

肌悩みを抱える方向けインナーを開発

私自身がアトピー性皮膚炎で冬に肌が乾燥し、化学繊維を着るのが痒みが出る体質だったことから、肌悩みを持つ方に究極に優しいインナーを作ろうとライフワークとして始めたのが3年前です。

超極細のメリノウール100%に特別な加工をして作りました

日本各地の工場さんにご協力いただき、試作は100種類にものぼりました。また私と同じように皮膚疾患を持つ女性の方にもモニターとしてご協力いただきながらブラインドテストを実施。糸、編みてた方法、生地への加工(ツバキオイル加工など)、縫製の仕方など、さまざまな視点で日本の技術を総動員して取り組んでいきました。

ありがたいことに昨年12月にはじめたMakuake以降、計1,000名以上の肌悩みを抱える方々に購入いただきました。またアンケートをとった際には、8割を超える方から「肌悩みが軽減した」との声をいただきました。同時に「夏用のインナーも欲しい」とのご要望があり、同素材を活用し、夏用インナーのフレンチスリーブ、タンクトップを作りました。

私と同じような肌悩みの方が、世の中にたくさんいるとは思っていませんが、実際に悩んでいる方に届き、少しでもその方の生活の質が改善したら幸いです。

2.”環境配慮”でないと世界で戦えない

ラグジュアリーブランドに会って痛感

Guillaumeさんと

11月にパリでLVMHグループのLOEWEのマネージングディレクターであるGuillaume氏とお会いしました。日本の素材に興味を示してくれるものの、彼らの採用水準は非常に高く、例えばカーボン(CO2)がどのくらい使われているのか、オーガニックコットンなどの「GOTS認証」の有無などを要求されました。持続可能な素材の利用は現代のファッション産業において不可欠であり、この認証を取得することで、生地の信頼性が向上、環境負荷を最小限に抑えていると言えます。

必要な量を必要な分だけ

恥ずかしながら環境汚染原因の第2位となっているファッション産業。その原因は多くの資源を使用する過剰生産にあります。

ファクトリエは昨年より、できる限り「必要な分を作る」取り組みを始めました。例えば今年3月にダウンの先行予約を受付開始、その数に応じた生産を行いました。

今年3月に先行整理券を販売したダウン

ダウンは水鳥の胸部分のわずか10g程しか採れない貴重なもので、限られた資源となります。今後も受注生産は続けていこうと思っております。お客様には少しお待たせすることになりご不便おかけしますが、ご容赦いただけますと幸いです。

段ボールから宅配紙袋へ

これまで商品発送時には段ボールを使用しておりましたが「簡易包装にしてほしい」「段ボールは捨てるのが手間」との声を頂戴し、簡易の宅配紙袋へと切り替えました。

またお買い上げ明細書もマイページからダウンロードいただける形へと変更しております。利便性を高めつつ、環境にも優しい取り組みを今後も継続して参ります。

3.2024年の目標と課題

失われつつあるメイドインジャパンを復活させたい

ここまで11年間、「日本製」という旗を掲げて走ってきましたが、工場の減少が止まらず、不甲斐なさを痛感しています。

では、日本製には価値がないのでしょうか?
そうは思いません。自分たちが愛する商品を一つ一つ丁寧に作り、お客様に喜んでいただき、工場さんに還元される。その愛と感謝のサイクルを最大化していきたいと考えています。

ただ、それを実現する上で生産面での課題も感じています。現在、円安で海外で生産していた仕事が国内の工場に回帰し、一時的に下請けの仕事が大きく増えています。仕事が増えること自体は喜ばしいことですが、自社ブランドのラインを確保できず、自社商品の生産を縮小する工場さんも出てきました。元々海外生産前提の金額なので非常に工賃(コスト)は安く、また円高になればまた仕事が離れる可能性も高いため、難しい課題です。

上述したようにアパレルにおける国産比率は1.5%まで減少する中、私は創業当初から工場さんに「自社ブランドを作り、高利益体質にすること」の重要性を話してきました。エルメスやグッチなど世界的ブランドのほとんどは元々は下請けの工房だったからです。そのためにも、簡単ではありませんが、下請けの仕事を徐々に減らし、上手に自社ブランドに切り替えていく必要があります。

ファクトリーブランドの成功事例

ファクトリエでベビー服を作っていただいている山梨県の小林メリヤスさんがあります。もともと下請け100%でしたが、昨年時点で自社ブランド比率が全体の30%を占めるまでに成長し、下請け依存からの脱却に成功しています。昨年から息子さんも工場に加わり、自社ブランド比率を50%まで上げることを目標に掲げられています。

長くなりましたが、上述した以外にも工場さんそれぞれに課題があり(高齢化や資金繰りなど)、その解決策を膝を交えて考えていくことは私たちの使命だと思っています。

新しい年が、ますます素敵な出会いや幸せな瞬間で満ち溢れることをお祈りしております。また、ファクトリエは来年もお客様に満足いただける商品とサービスをご提供できるよう、精進してまいります。

どうぞ良いお年をお迎えください!!

山田


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2024年夏向けの《ベストバイアイテム6選》

《MEN》

1位

2位

3位

《WOMEN》
1位

2位

3位

(追伸)
私自身がアトピー性皮膚炎であることから、肌悩みを持つ方向けの商品を開発しています。現在は主にレディース中心ですが、もし洋服に困っている方がいましたら、ぜひお気軽に私のSNS宛(山田のTwitter)にご連絡くださいませ。
下記では肌が弱い方向けに繊維の面から情報も記載しています。


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