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AirDropが使えない時にGoogleドライブに救われる ⑴

クラウドはオンラインとは限らない

 いつのまにか「オンライン」とか呼ばれていたものが「クラウド」と呼ばれるようになり、そんな言葉の系統ではクラウドが一番世の中に浸透した言葉になったのではないかと思う今日この頃。それもこれもスマートフォンの普及によるというのは異論のないところでしょう。

 「オンライン」というのはその名の通りにライン(通信アプリの「LINE」ではなくて通信回線の方)に乗っているということで、その反対は「ストレージ(ハードディスクやメモリなど)」でしょうか。ところが「オンラインストレージ」という言葉もあるのでややこしい。つまり、「オンライン」と「ストレージ」は対義語ではなく同義語だったりするわけで、その結果として今では「クラウド」と呼ばれるようになっているということでしょうか。

 この今最先端のクラウドには「同期」という特徴があります。オンラインとストレージのファイルのうちどちらかが書き換えられると、どちらも同じ内容になるように相互にコピーされます。その効用としてファイルが自動バックアップされ、複数のデバイスからでも利用できるという、それまでのオンラインとストレージにはなかった利便性が生まれてきます。
 このようなオンラインとストレージを融合したクラウドという利用環境が一般的になったのもスマートフォンやタブレットが普及したからでしょう。本記事の題にあるGoogleドライブもiPhone・iPadで使うiCloud、Microsoft Officeに付き物のOneDriveも「オンラインストレージ」であるだけでなく「クラウド」です。

いろいろなクラウドを組み合わせて使う

 問題はこのクラウドという利用環境。頭ではオンラインとストレージが同期して…などとわかっていても、実際にファイルを書き換えるのはパソコンやスマートフォン、タブレットを使うのであって、書き換えられたファイルは通信回線を通してオンライン上のサーバーにコピー(アップロード)されます。このコピーが完了しないと同期したことにはなりません。そこでクラウドには安定した通信環境が必須ということになります。

 通信回線も3G, 4Gこれからは5Gといろいろあるので、ファイルのコピーに時間がかかると、オンラインとストレージで同期されていないことになります。同じファイル名で中身が違っていたりすると、いろいろ問題が生じるのがクラウドです。したがって「クラウドだから」という過信は禁物で、編集したファイルの最新版が今オンラインとストレージのどちらにあるか把握するくらいはまだまだ大切なのかもしれません。
 通信回線が5Gになるとファイルのコピーが今よりもっと時間がかからなくなりますから、ますますクラウドが利用しやすくなるでしょうけど、現状ではあまりにもせっかちな人やギリギリに生きている人にはクラウドはちょっと向かなかったりもします。

 iCloudもOneDriveもGoogleドライブも、利用するにはあらかじめユーザー登録しておく必要があります。ユーザー登録すれば使えるので、1台のスマートフォンやタブレットで複数のクラウドを利用することができますが、クラウドで同期すると、同じ容量をストレージの上でも使用するので、いくつものクラウドを重複して使うのは、記憶容量の点で無駄が多くなります。そこで、メインとなるクラウドとサブとなるクラウドを組み合わせて使うことになると思います。

iCloudは基本的に個人向けサービス

 iCloudはオンラインストレージよりもをバックアップしたり管理するのが基本の個人向けサービスなので、iPhone・iPadを利用している場合、ちょっと縛られる感じはありますが、iCloudをメインに他のクラウドを組み合わせて使うということが多いと思います。
 たとえば、パソコンやスマートフォン・タブレットで作成した文書や画像を他の利用者に渡したいと思っても、個人向けサービスであるiCloudにはそういった機能がないので、OneDriveとGoogleドライブなどのクラウドに文書や画像を保存し直して「共有」(iPhone・iPadのアプリ間でファイルをやり取りと名前は同じですが別機能)という機能を利用するのが常套手段となっています。
 OneDriveとGoogleドライブはファイル共有だけでなく、多機能なクラウドサービスなので、iCloudといっしょに使いこなすには少々時間がかかるかもしれません。iPhone・iPad同士だけでファイルのやり取りだけなら、利用できる「AirDrop」といった方法もあります。

 以下の記事にも書きましたが、会社や組織の中のややこしいネットワーク環境や使用禁止されたUSBメモリのことを考えなくても良いのが、このBluetooth通信を使ったファイル転送の良いところと言えるでしょう。お互いにBluetooth通信をオンにして、必要なひと設定をするだけで手軽に使うことができます。

AirDropがなぜか使えないことがある

 OneDrive、Googleドライブと、クラウドはそれぞれ性格が違っているので、いろいろ組み合わせると余計にややこしくなったりもします。結局OneDrive、Googleドライブは会社・学校で支給されたPCで使い、iPhone・iPadで使うのならiCloudで十分なこともあります。機能が少ないというのは、いろいろ見渡しが効くということなので、これはこれで仕事に集中できて良かったりします(ファイルの共有にやや難ありなので他のクラウドを併用することになるわけですが)。また、目の前の相手やiPhoneとiPadにファイルを受け渡すには、クラウドでなくAirDropを使う方が手っ取り早かったりします。

 ところが、このAirDropがたまに使えないことがあったりします。理由はわかりませんが、システムをリセットしても直らず、もはやWi-FiモデルとWi-Fi + セルラーモデルの違いとしか思えなかったりしています。

 そんな時はどうするか。AirDropで受け渡す先はiPadの[ファイル]アプリで、ファイルは閲覧できれば良いだけだったので、これにOneDriveを使うのは大袈裟で屋上屋を重ねるようなものだったので、私は久々にGoogleドライブに接続しました。
 これでも、以前はGoogleドキュメント大好き人間だったのですが、仕事でOneDriveを使う頻度が増え、さらにGoogleドライブが登場した頃からGoogleは私にとって書類置き場となっていったのでした(⑵に続く)。



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