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AirDropが使えない時にGoogleドライブに救われる ⑵

こんなときにAirDropが使えないなんて

 (承前)そんな馬鹿な、と私も驚きました。ICTの電子黒板についないでいたiPadが、プレゼンテーションを作った自分のiPadから見えなくなってしまった。iPad同士でプレゼンテーション用ファイルをコピーするのに重宝していたAirDrop。送り先のiPadのシステムをアップデートした途端に見えなくなってしまった。
 BluetoothもAirDropの設定も確認したのに原因不明。Wi-Fiでストリーミングするときに不調でも再起動すれば大丈夫なのがiPadの身上なのに、今回ばかりはiPadを再起動しても使えないのでもう諦めるしかない。使い方が簡単で便利な機能に限って使えなくなるととことんに手に負えなくなってしまうわけで。これだから借り物のiPadなんて。

 さて、AirDropというかBluetoothって結構気分屋なんだと思います。まあ、自分はAirDropとiCloudのどっちが使えなくなったら困るかといったら、iCloudに決まっているという人なので、次はいちいちファイルを転送するのでなくてiPad同士をiCloudで同期すればいい、なんて思ったりもしました。
 でも、そうすると今みたいに32GBのiPadでは容量が足りなさそうだし、自分のApple IDをiPad2台で管理しないといけないし、とかいろいろ考えてから、まずはAirDropが使えない急場をなんとかしなければ。今すぐ電子黒板にPDFファイルを映すにはどうするか、と思い直しました。

今そこにある危機にGoogleドライブを思いつく

 電子黒板用のiPadにはApple IDも設定してないのでどうしたら良いのか。とっさにアプリでなく、ブラウザでGoogleドライブを表示するのを思い立ちました。とにかくiPadからGoogleドライブにファイルをアップロードして、次に別のiPadからダウンロードすればよいと。
 ここでiCloudで同期する時間もないのに、Googleドライブを使うのかといわれそうですが、今回はクラウドというよりGoogleドライブをオンラインストレージとして、ファイルの受け渡し場所として使うという、なかなか原始的なAirDropの代替え手段を考えたのでした。

 まずはiPadからブラウザでGoogleドライブを使ってファイルをアップロードできたので、次はGoogleドライブにアップロードしたファイルを、電子黒板用のiPadにダウンロードしようと思ったところ、Googleドライブの「マイドライブ」に表示されたファイルのサムネイルをタップすると、わざわざダウンロードしなくてもiPadでファイルがプレビューされるという思わぬ省力化もありました。
 やり取りしたのがPDFファイルだったということもありますが、それ以外のGoogleドライブと互換性のあるファイル形式であれば、同様にプレビューされるでしょう(PDFファイルほど再現性はないかもしれませんが)。

 久しぶりのGoogleドライブで、iOSの[ファイル]アプリのようにファイル管理とプレビュー機能が使えるなんて、案外Googleドライブは、電子黒板用のストレージおよびバックアップアップには最適ではないかと思えました。
 結局ファイル管理は裏方の仕事なので作業は必要最低限であるべきなのです。フォルダとファイルの管理に終始させられるパソコンに対するアンチテーゼがWebアプリだったのですから、案件が発生する度にAirDropするよりも四六時中オンラインのGoogleドライブにある方が頼りになるのかもしれません。

GoogleドライブでWebアプリの亡霊とさよならができた

 iPhone・iPadを使うようになって、何か作業をしようとすると今は何はともあれアプリですが、その少し前にはGoogleはWebアプリで解決しようとGoogle Docなどに力を入れた時代がありました。それはスマホ・タブレットが登場する前夜みたいな時代でしたが、それなくして今日のスマホ時代は到来しなかったのではないと思います。
 パソコンとスマホの間にはそんなWebアプリの時代があったのです。最初のiPhoneもモバイルブラウザ搭載が目玉商品であり、Webアプリをパソコンから持ち出せるというというのがセールスポイントだった記憶があります。

 他ならぬ私も一時はWebアプリにかぶれた一人でした。当時は天下のMicrosoft OfficeもこのWebアプリの変革に乗り遅れると危ういとまでいわれました。でも、当時のGoogle Docsは文書作成・編集はできても印刷までは完璧ではありませんでした。結局Google Docsできちんと印刷ができるようになったのはPDFファイルを利用するようになってからです。

 そんな久しぶりに使ったGoogleドライブでも、思わぬ誤算はありました。受け取り側のiPadにはアプリ版のGoogleドライブが入っていたのですが、そのメニューには「ダウンロード」の文字が見当たらなくて焦りました。
 Google印のアプリでは、アップロードするときには㊉アイコンをタップしますが、これはGmailなどでも共通の操作ですが、ダウンロードとなるとWeb版とアプリ版のGoogleドライブではメニューの項目が違っていてちょっと戸惑ってしまいました。
 アプリではアップロードできるけど、ダウンロードできない。ブラウザで閲覧している時はGoogleドライブにはアプリの外側にブラウザの枠があって、そこにある「…」をタップするとちゃんと「ダウンロード」があったりします。
 あとで気づいたのですが、アプリ版のGoogleドライブでは、メニューから「ダウンロード」でなく「アプリで開く」を選択すれば特定のアプリを使ってファイルを保存できるのでした。

 この微細な違いが私がWebアプリを使わなくなっていった理由なのだなぁ、と思いながら、いつのまにかファイル置き場になっていたGoogleドライブを使いながらまじまじと思ったのでした。

ChromebookはGoogleドライブの延長にあるはず

 シンプルなのがWebアプリの持ち味ですから、Web版とアプリ版で操作方法が異なっていたりすると、操作の一貫性も失われます。操作が複雑になっていくと戸惑うことが増えていきます。呼び名もGoogleドキュメントと呼ばれたり、Google Docsと呼ばれたり、ついにはGoogleドライブとGoogleフォトがまとめられるとか、動きだけが速いWebアプリに付いていく気持ちがなくなった私でした。

 また、使わないのに同期してパソコンやiPhone・iPadの記憶容量だけを使っているのも何だかなぁと、私はGoogleドライブのアプリは使わなくなりました。必要最低限のフォルダを共有してGoogleドライブは意図してブラウザから使うという感じです。でも、GoogleドキュメントとGoogleフォト、つまり文書と画像のファイル管理とプレビューをまとめているのがGoogleドライブというのがわかると、これは[ファイル]アプリを超えているかもしれない。うまくつきあい直すのが賢明かもしれない、そんな思いを新たにしたのでした。たぶん、この辺が最近テレビCMもしているChromebookの魅力であり、それはGoogleドライブの延長にあるように思えます。

 それにしても、実は久しぶりのGoogleドライブ。そして、トップページに表示される「マイドライブ」って何だろうって、いつもWebアプリは私にすぐには解けない謎を残して去っていったのでした(了)。

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