同窓会

同窓会

intoyachimdore

2018/07/10 18:49

ー同窓会のご案内ー

高校時代、私には美雪、康介、圭、飛鳥という、とても仲のいい親友がいた。

 私は圭に恋をしていたが、告白して、居心地のいい関係が崩れてしまうのが怖くて、想いを伝える事は出来ないまま、

卒業を迎え、それぞれがそれぞれの道へ進んでいった。

 今思えば、

いい思い出でだけど、恋する相手に告白できないままだったのが、心残りにもなっていた。

 その気持ちを抱いたまま、私は地方の大学に進学したことで、毎日が忙しく、かつての親友や恋する人に会う事はおろか連絡を取り合う事も忘れたまま、2年の月日を過ごしてきていた。

 そこに、一通の手紙「同窓会のご案内」と書いた葉書が届いた。

「同窓会かぁ、行ってみよっかな?」

「ちょうど同窓会がある日はバイトも休みだし、講義も午前中だし」

 急にあの頃の親友たちの顔を思い出し、もしかしたら、圭に会えるかもしれないと思い、私は同窓会に行く事を決意した。

 この案内状からあんなことになるなんて思いもよらなかった。

ー同窓会当日ー

「うわ~結構来てるんだな。それに、2年しか経ってないのに、みんな大人になってる」

 佐奈は、とりあえず、ウエイターから手渡された、シャンパンを手に、近くのテーブルにつくことにした。

「さ~な!」

 突然、後ろから声をかけられた佐奈は一瞬ビクリとしたが、その懐かしい聞き覚えのある声に笑顔で振り向いた。

「久しぶり、美雪。元気してた?」

「元気元気。元気だけが取り柄だからね。あたし」

「ふふふっ、あははは……」

2人は顔を見合わせながら、大きな声で笑うと、一気に学生時代の距離に戻っていた。

「ところでさ~ 佐奈、あの3バカ見た?」

「ううぅん、見てない」

「そっか、会えると思って楽しみにしてたんだけどな」

「そうね」

2人がそんな事を話していると、遠くの方から2人を呼ぶ大きな声が聞こえてきた。

2人はその声を聞いた瞬間、恥ずかしさと、懐かしさで顔を見合せ、合図をしたかのように

その声の主の方に振り向いた。

「しー・らー・ぬー・いー!!!」

2人の息の合った大きな声に会場中が一瞬、静まった。

「こんな、ところで人の名前を大声で呼ぶんじゃないわよ!!!」

「でもさぁ~」

美雪は、不知火飛鳥の脇腹に問答無用とばかりに肘鉄をクリーンヒットさせていた。

そして、何もなかったように佐奈の方に向き直した。

「佐奈、私たちの方が目立っちゃったかな?」

「さっきの会いたかったは無しね。」

「だね。あははははっ」

当の飛鳥は

、肘鉄など何もなかったような顔でそんな会話をしている2人の後ろに突っ立っていた。

「相変わらず、美雪は飛鳥に容赦ないね。いいコンビだよ。」

また、一つ懐かしい声が、飛び込んできた。

飛鳥は康介のその言葉にまんざらでもない顔をしていたが、美雪は今にも食ってかかろうとした。それを察した康介は、さらりと、会話の矛先を佐奈の方にかわしてしまった。

「久しぶり、佐奈。綺麗になったね」

「はいはい、いつもの社交辞令ってやつよね。一応、ありがとう」

「そんなことないよ。最初に見た時からそう思ってたよ」

「でた~。相変わらず、ちゃらいな康介は……。」

康介は、美雪のそんな言葉に物怖じ一つせず、切り返した。

「美雪も綺麗になったね。」

「私『も』ね。あー、どーもありがと」

美雪は言葉では恵介にかなわない苛立ちに、訳もなく、本日2発目の肘鉄を飛鳥の脇腹にクリーンヒットさせていた。

「それにしても、美雪に飛鳥に康介、みんなに逢えて良かった」

「そうね。でも、いつもの遅刻魔が1人足りないけどね。」

4人は顔を見合わせ、同時に笑った。

それから、しばらく取り留めのない話をして時間を過ごしていると、同窓会も終わりの時間に近づいていた。

「みんな、この後どうする? 折角だから、このメンバーで飲み直佐奈いか?」

そう言ったのは、康介だった。

「うん、いいね。」

みんなも、久しぶりにあったこのメンバーとの時間を、もう少し楽しみたいと思っていたから

反対するものはいなかった。

「じゃ、移動するか……」

「って。圭?!」

「やぁ、みんな久しぶり」

「ぷっ、あははははは」

「なんだよ、挨拶で笑うかー!」

「いやぁ、お前の遅刻魔っぷり変わってないなーって」

「よし、みんな、これから圭の家で飲み直しにしよう。」

「OK!」

当の本人以外は、声を揃えて、返事をしていた。

「え?何のことだよ。おれんちで飲み直し?だって、俺、今来たんだぜ。一杯飲ませろよ」

「ここは、もうお開きなんだよ、圭。2時間遅刻だぞ」

「そうなのか???」

「それで、二次会で飲み直しなのか?

「まてよ康介、何で俺ん家なんだ?」

「まぁ、気にすんなって。」

「みんな、圭の許可出たぞ。これから買い出しだー」

こうして、昔の親友5人組は、圭の部屋で飲み直すことになった。

ー二次会ー

「適当に座ってろよ」

「あぁ、」

圭のアパートにやって来た

私たちは、そう返事すると途中で買った缶ビールや

おつまみをテーブルに広げはじめた。

「そんじゃ、久々の再会に乾杯!」

「「かんぱ~い」」

康介の合図で私たちの二次会が始まった。

近況報告と昔話に話を咲かせているうちに、5人はいい感じに酔いはじめていた。

「おーぃ。圭 なんかツマミない?」

「食い物がもー、なーんも無いんだけど」

その言葉を聞いた美雪は会場に続き、容赦ない平手打ちを不知火の後頭部にお見舞いしていた。

「いたた。ひでーなー美雪は」

「あんたが、無節操に圭に無茶ぶりするからよ」

そんなやり取りを聞きながら、圭はキッチンへと足を運んで、冷蔵庫の中を見回した。

「そうだなぁ~卵焼きとパスタならあるぞ」

「それでいい、いっぱい作ってくれ」

「パシッ!!」

お約束の一打だ。

「不知火、じゃあ、あたしとお酒買って来よう」

「ん?そうだな。もう少し飲みたいしな」

「じゃ、コンビに行ってくるけど、お酒意外に何か欲しい?」

「つまみ」

「バシッ!!!」

「痛っ」

「あんたには聞いてない!!」

「じゃ、俺も行くわ、風に当たりたいし」

「佐奈は、圭の手伝いね。じゃ、行ってくるね。」

「えっ、そうなの、あ、うん。いってらっしゃい」

「バタン」

「みんな行っちゃったね。じゃ、私も手伝うとしますか。こう見えて、料理得意なんだ」

「そう、じゃぁ、佐奈シェフにお任せしようかな」

「ごめん、言い過ぎた。圭のお手伝させて頂きます。」

「じゃ、アシスタントの佐奈さん、卵を割ってくれるかな」

「はい、圭シェフ」

2人は見つめ合い微笑んだ。

「よし、出来た。ありがとう、佐奈」

「いいえ、白崎君料理上手なんだね。」

「必要に迫られてさ。こんな男はモテナイかな?」

「そんなことないよ。だって……。」

佐奈の言葉を遮るっように圭の唇が重なった。

「ガチャ」

「帰ったぞ~圭達」

飛鳥の手には飲みかけのビールと、これでもかというくらいの酒とツマミが握られていた。

「おっ!漫才コンビのお帰だ。あっちに行こうか、佐奈」

「う、うん」

佐奈は、恥ずかしさのあまり、下を向いたまま返事をして、圭の後を追った。

「では、改めて、かんぱーい!!」

康介の乾杯の音頭で5人はまた、飲みはじめた。

すでに、かなり酔っぱらっている美雪が、飛鳥に絡み始めた。

「し・ら・ぬ・い~。なーにエロ本見てんだよー。このスケベ」

「痛てっ」

「エロ本じゃないよ。さっきのコンビニで買った雑誌に合コン特集ってのがあって、その中に王様ゲームってのがあったから、面白そうだなって思ってさ」

「どれどれ?キャ~なんかエッチっぽい。でも楽しいかも~。」

「ねえ、私たちでやってみない?」

「美雪本当?」

「あら、わたしじゃ不服なの不知火は……」

「いや、そんなことないです。や、やろう、な、康介も圭もいいよな」

「まぁ、イイけど」

「佐奈もいい?」

「うん、まぁ、美雪がそう言うんなら」

佐奈は、さっきのことが忘れられなくて、これからどんなことが行われるかも考えずに生返事をしていた。

ー王様ゲームー

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