言葉の力
家族で買い物に行っている際、退屈になった娘が突然、「つまんない」と言い出した。
「つまんない!つまんない!」
買い物につきあわせているだけだし、しょうがないよなと思いながら、その時別の考えがふと浮かんだ。
「つまんないって言うからつまんないんだよ。楽しいねえって言ってごらん。楽しくなるから」
これまで言ったこともないセリフに少し恥ずかしさを感じながら、どこか納得感と自分の中に整合性があった。
しかし、5歳の娘はそこまで素直ではない。
娘「やだ!つまんない!」
私「楽しいねぇ」
娘「つまんない!」
私「楽しいねえ」
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・
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こんなやりとりを5、6回繰り返していると、不思議と本当に楽しくなってきた。
娘も「つまんない」と言いながら、笑顔で楽しそうだった。
結局娘が「楽しい」と言うことはなかったが、その後「つまんない」とは一言も言わなかった。
言葉の力を改めて自覚する出来事だった。
実際に楽しい事があったわけではない。だが使う言葉を変えただけで、気持ちや空気が一変してしまった。
言葉にはそれだけの力がある。
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