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2019年10月の記事一覧
折々の歌詞(126)
夜が明けた空 塗り潰すように キスをしたね/最低な人と見た 最低じゃない夢を
シド
「アリバイ」(2005)「夢」が「最低じゃない」と断言することで
「最低な人」という決定的評価をも浮遊させ
未練、後悔、依存などの複雑な情緒を
からみあい複雑なままに描破した。
折々の歌詞(125)
展望台パラシューター/隠れてキスをしたこと/愛の意味を知って/キラキラキラ髪飾り
JUDY AND MARY
「Brand New Wave Upper Ground」(2000)名詞、映像的ワンシーン、形容詞の断片が、細く、しかし強靭な一本のイメージの糸でむすびついている。
破格の不安定さと踊るようなリズムが、詞章を固定せず、寄せては返す波のように夏の海岸の情景を生動させる。絶唱。
折々の歌詞(124)
あしたはあると/なんとなく想うよ/潤みかけた瞳に映った/月のながめかた/みつけた
ROUAGE
「月のながめかた」(2000)「キミに見立てて月をみた」「上目使いで月をみた」と
心理的、空間的距離をへだてた「キミ」の象徴であった「月」が
目の前で「キミ」と一致する瞬間。絶唱。