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【通信講座】 短編小説「そこまで寂しいわけじゃないし」 質疑応答①

千本松由季

今一番アドバイスをお願いしたい点についてお話します。小説で生計を立てるのが目標ですが、このまま量産だけしているのが不安です。内容が似てしまう傾向があり、(中二病、メンタル疾患、セクシュアリティー、実存主義的問題、等)読者に飽きられないようにするために、どうすればより魅力的になるのかな、と模索中です。



川光 俊哉 Toshiya Kawamitsu


メールにあったお悩みの点についてお答えします。
作品の「内容が似てしまう傾向」があるのは当然のことで
偉大な作家の傑作群を概観しても
生涯を通じて表現したテーマは1つか2つにすぎません。
自分の興味の範囲を広げることも大事ですが
作品を創作するときは、もっとも重要なテーマを深く掘り下げていき
究極の自己満足の結果、普遍性に到達するものだと思います。
1つのテーマをさまざまなイメージでうつくしく、何通りにも描くことのできる方だと思いました。
読者が、というより、作者が飽きるまでは自分の問題意識に執着し
書きつくすまでやめないことです。
この長さの掌編(短編ではないと思う)を蓄積していくより
原稿用紙100枚以上を目安に構想するほうがいいと思います。
1つのアイディアを掌編でつかいきるより、単純に楽ですし
100枚あればたいていの文学賞に応募できます。
作家としてブレイクできるかはなんとも言えませんが
センスのある作者だと確信しています。
作風に通じるところもあって
このまま書きつづけられたら、私自身の脅威になるのではないかとも思いました。

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