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『日本進化論 人口減少は市場稀なるチャンスだ!』の書評

皆さん、愉しんでますか~♪
「愉~more」(「愉しい」をもっと(more))のトシヤです。
今回の投稿は、書評記事です。

本の紹介

『日本進化論 人口減少は市場稀なるチャンスだ!』
落合陽一=著/ SBクリエイティブ

本書は、2018年7月に開催された「平成最後の夏期講習(社会科編)─人生100年時代の社会保障と PoliTech」というニコニコ動画の生放送番組と、その現場で展開された議論のまとめ。

政策とテクノロジーの両方を勘案しながら「あれはダメだ、これはできない」ではなく「こういう課題が解決できる、こういう解決策もとりうる」と前向きな話し合いがなされています。

書評

とあるグラフィック・ファシリテーターの方のFacebookの投稿を見て購入。
著者の落合氏の文章は、介護の専門雑誌での連載で読んだことがあり、この度ようやく(?)、著作を深読。

最新のデジタルテクノロジーの話も随所に出てきますが、僕が印象に残ったのは、グラフィックレコーディングという、いわば「アナログ」な手法で議論を可視化していたという点です。

そこには、落合氏が言及している「テクノロジーそれ自体は、(中略)人間の身体とつながった相互作用の中にある、いわば生態系みたいなもの」という認識から導入されたものであるかなと感じました。

そして、実際に議論の場でグラフィックレコーディングを導入したことで、「将来の日本について議論する生態系」も形成されていったのではないかと感じました。

また、本書で取り上げている図表も初めてみるものが多く、それ故に「こういったデータや将来予測を多くの人が知ることから人口減少社会への議論が始まるのかな」とも感じました。

引用とコメント

以下は書籍からの引用とコメントになります。
「⇒☆」から始まる箇所が引用に対するコメント文です。

実は地方都市の中には、住民1人あたりに費やされている公費が、ベーシックインカムを支給するのとほとんど変わらない額になっている地域があるのです。

⇒☆このデータが広まれば、ベーシックインカム導入に関する議論が更に加速しそう!

それぞれの議論は、僕の意見と必ずしも同じではないこともありますが、専門分野の第一人者たちが知恵を絞ってまとめた内容になっています。多様な視点で物事を見ていくためにも、ぜひご覧いただけましたら幸いです。また、「グラフィックレコーディング」という手法を使って、議論を一目でわかるようにしています。

⇒☆おお、グラフィックレコーディングが導入されていたのか~

実際に社会問題を解こうとするとテクノロジーが不可欠だけど、テクノロジーに合わせたポリティクスが整備されていないがゆえにテクノロジーが使えない、という問題がある。まさに今の日本が真剣に向き合わなければいけないトピックです。

⇒☆これは本当に真剣に向か合わなければならないトピックス!

政策が決められる過程で出てくる政治・経済といったあらゆる論点の中に、「テクノロジーの観点から見るとどうなのか?」といった視点を新たに加えたいのです。
そもそも「テクノロジーを使う」という言い方があまり正しくない。テクノロジーそれ自体は、人間の外側にあるものではなく、人間の身体とつながった相互作用の中にある、いわば生態系みたいなものだと思うのです。

⇒☆この「人間の身体とつながった相互作用」「生態系」と捉えるネイティブ世代が今後誕生していくことになりそう。そして、そうではない世代とのギャップをどう昇華していくのか?

労働を効率化することを考えるにあたり、 20 世紀までの社会は「標準化」によって回されてきましたが、今後は多様性を前提にした「パラメータ化」、つまり個々人にとって最適な形の解決策を適用することで、社会を回していかなければならないでしょう。

⇒☆一見、非効率に見える「多様性を前提にした『パラメータ化」、「個々人にとっての最適な形の解決策の適用」が社会全体をダイナミックなものにしていく基礎段階となると思う。

新しいテクノロジーが進展することで、労働環境は「AI(人工知能)+BI(ベーシックインカム)」的な働き方と、「AI + VC(ベンチャーキャピタル)」的な働き方に二分されることになると僕は考えています。
再分配機能が実現した社会では、多くの人々はAIにより人機一体となったシステムの指示に従い、短時間の簡単な労働を営みながら生活することになると予想されます。これが、「AI+BI」的な働き方。
たとえば、Uberの運転手として街頭で乗客をピックアップする行為と、「ポケモンGO」で街中を歩き回りレアポケモンをゲットする行為は、本質的にやっていることは同じです。AIによる自動化が普及した社会で、労働の効率化を追求し、働き手の負荷を減らそうとすれば、人間の労働は限りなくゲームに接近し、いずれ両者の区別はつかなくなっていくと考えられます。
「AI + VC」では、社会を発展させるためのイノベーションに取り組む働き方が中心となります。この領域は、新しいテクノロジーを開発したり、その技術をどう活用するか考えることを仕事にする、ごく少数の人々が担います。
この「AI+VC」と「AI + BI」は、社会的な問題解決の抽象度が高いユーザーと低いユーザーと換言することもできるでしょう。ある課題にアプローチする際の役割分担として、ビジョンを具体的なアクションに落とし込む人と、そのアクションを忠実に実行する人に分かれるということです。もちろん、難易度は「AI+VC」のほうが高くなります。
仕事では「AI+BI」の立場にいながら、プライベートでは趣味に生きるという人生も悪くありません。難易度か市場での希少価値が高い分、受け取る報酬は「AI+VC」のほうが多くなる傾向になりますが、今後はAIをはじめとするテクノロジーが社会構造の中に組み込まれることで中抜きが減り、「AI+BI」が手にする報酬も増えていくはずです。その成功例は「好きなことをして生きていく」ユーチューバーの事例において成功者の収入がとても多いことにも見られます。ただもちろん、その数が少ないことには注意しなくてはなりません。
個人的には、抽象度の高低にかかわらず、いずれの領域でも「仕事」ができたほうがよいと考えています。たしかに抽象度の高い領域での作業は、資本からの収入の面では有利になりますが、その一方で、抽象度の低い領域の仕事は、現場の事象や物事の質感・肌感や、コンテンツづくりそれ自体を直接的に体感できるというメリットがあります。僕が組織の経営に携わる一方で、アーティストやエンジニアとして現場で手を動かす活動から離れないのも、そういった働き方に意味があると思えるからです。

⇒☆おお、落合氏は柔軟な考え方で、抽象度の高低にかかわらずいずれの領域でも仕事を愉しんでいそう♪

テキサス州メイナー市が 2009年に立ち上げた「メイナー・ラボ」事業のように、市民の地域貢献への礼金として地域通貨「イノバック」を発行し、市民にインセンティブを与えて自主的な公共課題解決を推進するユニークな取り組みもあります。
ボランティア精神に頼るのではなく、個々人の貢献度を可視化し、貢献度に応じたコミュニティコインを付与するなど、報酬体系の整備も必要となってくるでしょう。

⇒☆ボランティア団体やNPOに携わるスタッフの貢献度を認めることがまず活動の継続性にとっても重要だなあ~

僕は、日本の教育改革のための重要な指針は、教育の目的を「標準化」から「多様化」にシフトさせることだと考えています。
与えられた問題の答えを導き出せればそれでよかった大学入試までの勉強のスタイルは、すべて間違いだったとアナウンスすることが最善ではないかと思うのです。

⇒☆過激だけど、ある意味落合氏らしい提言!

たとえば、音楽の授業で使用される「アルトリコーダー」。純粋な音楽的素養を身につけることが目的であれば、鍵盤楽器を習得させたほうが適切なはずです。価格面においても、現在においてはスマートフォンやタブレットの楽器アプリケーションの普及で差はないはず。それにもかかわらず、あえて汎用性の低いアルトリコーダーを必修化しています。これこそ、「意味があるかはわからないが、とりあえず真面目に従うことが立派なんだ」と教え込む近代教育の弊害を表す好例だと、評論家の宇野常寛氏は指摘します。

⇒☆僕もアルトリコーダーには苦労した苦い過去が^^;

景気を減速させる可能性の高い増税よりも、継続的な経済成長を実現したほうが、長期的な税収の増加につながるのはいうまでもありません。

⇒☆目からウロコ…

予防医療に詳しい石川善樹氏は、困ったときに頼れる人がいるという「つながり」の感覚が、幸福感と密接に関連していることを指摘しています。
ロコモティブシンドロームの原因となるのは運動不足による骨や関節、筋肉などの衰えなどです。
該当するのは主に中高年以上の世代ですが、実は若年層においても発症事例はあり、その要因は「運動量・運動経験の少なさ」もしくは、運動量はあっても、「単一運動や1種目のみへの傾倒」といわれています。

⇒☆ヤバい!1種目しかやってない。フットサルも始めるかなぁ

僕の父は国際ジャーナリストです。昔、自宅に置かれた「週刊プレイボーイ」をめくっていると、父の連載にアップル共同設立者のひとりであるコンピュータ・エンジニア、スティーブ・ウォズニアックが登場していました。ウォズに「日本のハードウェアは最高だ。でも、ソフトウェアはいまいちだ」と言われた父は、彼に打開策を問いました。すると、ウォズはこう答えたのです(*1)。 *1 『ザ・スパイ・ゲーム』(落合信彦著 集英社) 「そんなの簡単だ。若者を自由にすればいい」

⇒☆落合陽一の父が落合信彦だったとは!

依然として「若者を自由に」すること、すなわち未来への投資ができていないことが、僕は非常に悲しいのです。
頭ごなしに否定するのではなく、相手がなぜそのように考えたのかまで思考が及ばなければ、向かうべき方角について議論できません。
そのためには、どれほど非常識で受け入れ難い意見であっても、それが誰のものであっても、一度は飲み込むことです。
イノベーションはいつだって、常識を疑うことからはじまります。

⇒☆まずは受け止める。そのあとで受け入れるかを判断する

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