金属から陶芸へ

前回の続きを書いていくわけですが、今回は私が陶芸を始めたきっかけについてのお話です。

自分のプロフィールなどから、「なぜ陶芸を始めたのですか?」とか「なぜ金属工芸から陶芸を?」という質問をされることがあります。

大学卒業後も大学の副手として勤務しながら金属を使った立体作品制作をしていました。

こういうのとか

こういうブロンズ鋳造作品等を作っておりました。

一応こういう作品を作る際に考えていたのは、映画「マトリックス」のような立体視したデジタル映像表現をイメージしていたのですが、それじゃ従来の彫刻となにが違うの?という疑問が出て来たのでそこで「デジタルっぽいビジュアルって何だろう?」といろいろ考えていました。

で、こういうワイヤーフレームのような作品をわざわざ鋳造で作るということをしたのですが、「あ、もう別に金属で作らなくてもいいかも?」という感覚が自分の中で徐々に大きくなってきました。(こういうのなら金属の角棒を溶接していけばできちゃうし)

そして大学副手の任期が終わる間際に高校の非常勤講師の話を受けたことにより、今までのような作業を続けることの困難さも相まって完全に頭のスイッチが切り替わった記憶があります。

当時考えてたことは、「どうすれば金属でデジタルなイメージを表現できるか?」ということではなく、「デジタルなイメージを表現するために何で作ればいいか?」ということでした。

要は「素材や技法からアイデアを考える」のではなく、「アイデアから素材や技法を選ぶ」ということ。

これに関しては人それぞれ考え方があると思います。

ただ、それまでの私は(20代前半頃)高校から約10年ほど金属工芸を学んできていた&そういう金属の加工ができる環境にいるという状況の中にいたので、無意識に慣れ親しんできた金工スタートで制作を始めていたことに気付きました。

それで見せたいものが作れていたらそれで良かったのかもしれませんが、どうも自分の中でしっくりこない部分がなにやら付き纏っていることにちょっともやもやしていたこともあり、大学副手終了後に環境の変化と共に実際に行動を取り始めました。

頭の中では「実在感のないデジタルイメージを、実在感のある素材で立体化する」ということだったので、金属以外に木材や樹脂などで試していく中、陶土で作ったときに頭の中で小さなスパークが起こりました。

「デジタルなイメージと陶芸のイメージって、ある意味真逆じゃないか? 触れれるものと触れれないもの、リアルとバーチャル、平面(画像)と立体等々、なんかいろんなキーワードが出て来るぞ・・・! これはいいかもしれない! 何より、金属より作りやすい!!(※あくまで個人的感想)」

大学の時から金工の隣は陶芸コースだったことなどでよく陶芸作品(造形系の)を見ていたこともあり、器以外の陶芸表現の方が結構見慣れていたことがあったので違和感なく土を触れたのではないかと思います。

そこからいろいろ陶芸のことを調べていくのですが、陶芸でほとんどそういうデジタルなビジュアルの作風を見たことがなかったので、これはやってみる価値ありや!とよくわからない期待も相まって陶芸を始めることになるのでした。

26歳・春のことでした。

ここからお話はデジタル陶芸家の産声があがるきっかけになった陶芸作品制作編となるのですが・・・今日のところはここでお時間となりましたので、続きはまた次回。

ありがとうございました〜




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masuda toshiya

デジタル陶芸家の増田敏也です。 デジタルなイメージをやきもので表現した立体作品を制作しています。 デジタルデジタル言うとりますが、本人は至ってアナログな人間です。 https://masutoshi117.jimdo.com
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