意識していること

最近思ったことを書いていこうと思います。

私がやきもので制作を始めたのが2003年、26歳のときでした。

「デジタルをモチーフにした立体作品を制作したい」というざっくりとした気持ちを学生時代を終えた頃から持ち始め、そこからコンセプトを整理したり詰めたりしながら今に至るわけですが、その当時から意識していたことがあります。

それは、「自分の年齢±10歳をメインターゲットに据える」ということでした。

別にこの年代以外を相手にしないとか、そこにだけ売れれば良いというとかそういう意味ではなく、自分が経験してきた時代性をリアルに実感できる(共感できる)年代層っていう意味です。

その部分を26歳の頃から意識して続けてきて、現在43歳という中年真っ只中になったわけですが、ここ数年この意識を再確認することが増えてきました。

それは、自分の作品に興味持たれたり購入されたりする方の年齢がまさにそういう方々だったりします。

なんで最近そう感じたかというと、面白いというお言葉はいただくのですが正直私は作品発表し始めて10年くらいほとんど売れたことがありませんでした。

それがここ数年少しずつですが動くようになってきたことで、ひとつ気付いたことがあります。

自分の年齢を考えると、世間一般で同じ歳くらいだったり少し上くらいの年齢だと社会的に役職が付いてきたり、生活にも少しゆとりが見えてきたりする年齢なんだと思いました。

要は、作家と一緒に周りも歳を重ねていることで共に成長しているということでした。

若いうちはなかなか手が出せなかったものでも手にすることが出来たり、感じ取れなかったものを感じ取れたりなど、鑑賞者と制作者が一緒に歩いている感じがするようになりました。

これはすごく嬉しいことでもあり、大事なことだと思うのです。

年長者によって得れるいろんなことや勉強になることも山ほどありますし、若い人から受ける刺激も山ほどあります。

そういったことも大事ですが、最近特に同世代との関係性の大事さを実感しております。

これは仕事を一緒にするギャラリストや学芸員さんにも同じことが言えるように、同じ時代を生きるからこそ見えてくることや感じること、考えていることにも大きく関係していると思います。

人は個であると同時に、各世代という層の一部でもあるので、この世代の持つ感覚にも作家は意識しておくことは大事なのではと考えるわけです。

ポラロイド

Low pixel CG「記憶の入れ物2」
2020 , ceramic  画像提供:現代美術 艸居

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