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ロボットではなく、人間として生きる。

SNSで「不良品」という言葉が流れていて、何だろうと思ったら、先日の事件についてタレントさんが発言した言葉のようです。

「不良品」という言葉に納得感があるひとは、自分というものを、そして人間というものをロボットだと思っているということですね。
工業製品。

工業製品ですから、すべて同じクオリティで同じ性能を持っていなければなりません。それに達しないものは「不良品」です。

つくづく思うのですが、この社会ではロボットとして生きることが推奨され、人間というものを認めない傾向があるようです。

「男性」というロボットは、ずっと働き続けることが求められます。育児とか家庭のことに注力することを求められません。また仕事の途中で壊れるのは不良品です。

「女性」ロボットは、子供を産むことを期待されています。以前、「女性を子供を産む機械だと扱っている」なんて議員さんが批判されたニュースになっていましたが・・・

「男性」ロボットと「女性」ロボットがくっつくのが結婚です。それ以外は認めません。子供を「生産」しないのは、生産性がないと批判されます。

学校というのは、大抵の場合、「人間」の教育の場ではなく、「学生ロボット」になるための場所です。

なので、髪は黒色で、髪型も決められています。もともとの髪の色が茶色いと黒に染めさせられたりします。つける下着の色にも指定があります。

教育の場ではないので、遅刻したものは門を閉めて入れないようにします。規格外は排除するのがロボット工場です。

お店で店員さんに対して怒号を飛ばしている人は、店員さんのことを人間だと思っていないからです。「店員」という機能を果たすためのロボットだと思っているので、その機能を果たしていないものには価値がないと思っているのです。

そんな人も、きっと自分のことをロボットだと思っていて、人間として扱われないことを不満に思ってストレスをためているのでしょう。

人間 vs ロボット

SF映画では、人間vsロボットという構図がよく描かれます。
「ターミネーター」「マトリックス」「アイ,ロボット」。「X-men」でも、ロボットによって支配される未来が描かれていました。

AIが人間の知能を超えるというシンギュラリティ後の世界はどうなるのか?という議論もありますね。

でも、すでに人間vsロボットの戦いは始まっていて、実際にはロボット優位のような気がしています。

人間とロボットが戦争しているのではなく、人間を人間として扱う派と、人間をロボットとして仕立て上げたい派の争いです。実際に党派のような集団があるというわけではなく、思想や意識の在り方として。

ロボットとしては不良品かもしれないが、
私は人間として生きたいのだ。


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