ビジネスの三種の神器

2023年12月9日 05:38

生成AIとの共存共栄を実現するためには、以下の3つの視点が重要だと考えます。

1つ目は、生成AIの可能性と限界を理解すること。現時点での生成AIはあくまで人間の支援ツールに過ぎず、自律的な思考や判断ができるわけではないことを認識し、過剰な期待や懸念を抑える必要があるでしょう。

2つ目は、生成AIの公平性と偏見の防止。トレーニングの方法やデータに偏りがあると、生成AIは偏った結果を生み出す可能性があります。公平性を担保するための枠組み作りが重要です。

3つ目は、新たな可能性の発見。生成AIはこれまで人間には不可能だったことを実現できるため、そこから新しいビジネスやサービスが生まれる可能性が大いにあるのです。私たちはそうした可能性を見出し、社会課題の解決方法を生み出していく必要があります。

この3つの視点を持ちながら、生成AIと向き合うことで、より良い共存が実現するのではないでしょうか。技術は人間が方向付けるべき存在です。主体性を持ってその未来を拓いていけたらと思います。

経済産業省において、生成AIと関連の深い政策や補助金としては、以下のような動きがあります。

・2023年度補正予算案で、AI産業化推進 budgetが大幅に拡充され、生成AIの研究開発や社会実装に関する予算が9000億円超となった。

・経済産業省は生成AIガイドラインを策定し、生成AIの適正な研究開発・利用の指針を示した。プライバシー保護、公平性確保などの原則が明記。

・IT人材の育成・確保のため、AIエンジニアやデータサイエンティスト向けのリカレント教育の補助金を新設。生成AI時代の人材需要に対応。

・AI先進中小企業100選など、AIを活用した中小企業の好事例を選定・支援。生成AIを含む最新のAI技術を中小企業のDXにつなげる。

・Beyond 5G推進コンソーシアム設立に向けた体制整備。生成AIなど次世代AIを支える情報通信基盤の在り方を検討。

このように、生成AIを次世代の成長市場と位置づけ、技術開発から社会実装、人材育成と多角的な取組みを推進していることがうかがえます。

2023年度補正予算案におけるAI産業化推進予算のうち、生成AIに関連する主な予算事業は以下の通りです。

・生成AIオープンナレッジ構築事業 - 質の高いデータセットやAIモデルのオープン化を推進するため、産学官からなるコンソーシアムを設立し、最大500億円を支援。

・生成AI人材育成事業 - 生成AIの研究開発から社会実装、制度設計等を担う専門人材を育成するプログラムを全国規模で実施。100億円を措置。

・生成AI実装推進体制整備事業 - 地域ごとに産学官からなる生成AIコンソーシアムを構築し、中小企業を中心とした生成AIの実装を支援。予算額300億円。

・Beyond Generative AI研究開発事業 - 10年先を見据えた革新的な生成AI基盤技術の研究開発を国立研究開発法人を中心に推進。500億円のGRANT。

このように、生成AIの研究から人材、社会実装までを一貫して支援する体制が整備されたことが特徴的です。

大量のデータから知識や洞察を抽出する生成AIの能力には大きな可能性が秘められています。一方で、偏った判断を助長するリスクもはらんでいることも事実です。

そのため、生成AIの開発から活用に至るすべての段階で、公平性・透明性・説明責任を確保するといった原則が必要不可欠でしょう。経済産業省のガイドライン策定などもその第一歩と言えるでしょう。

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