[全文無料・小さなお話]友だち百人いりません

友だちが百人できたらいいななんて思ったことは今まで一度もなかったね。

なのに、あちらのサイトやこちらのサイトで、フォローしてくれるお方が増えてくれないかと、神にも祈るようなばか丸出しの自分もいるわけでね。

人間嫌いというほどの話じゃない。とはいえ自分でコミュ障だと言いたくなるくらいには、人間関係が苦手だから、友だちなんかたくさんはいらないのさ。なのに都合よく、オイラのふざけた言葉をおもしろがってくれる、ファンのような、信者のような、そんなありがたい方々が、今は気がついてないだけで、どこか見知らぬ洞窟の中にたくさん隠れていないもんかと、白昼夢を見続けてるってわけさ。

こういう三歳児的な空想ってやつは、誰もが心の奥底に持ってるはずのもんだろ?

だから別にかまわないんだよ、ガキじみた、くだらん戯言だと言われようが、なんだろうが、いちいち他人の感想なんて気にしてたってしょうがない。

たまにはアホ丸出しの本音の雑音を、白昼堂々大声で、寝言よろしく叫んでやるのさ。

こちとら初めから、大衆の皆さま方に共感していただけるような、人徳も素養も人情味もありゃしないんだから、居直り強盗にでもなった気分で、ぎゃーぎゃー喚かさせてもらったっていいじゃねえかってことだよ。

歪んでねじくれて、折れ曲がって複雑骨折した人格の基礎構造が、疼いているのさ、血の涙を流しているのさ、静かに闇のなか恨めしそうにこっちを眺めているのさ。

ホントはどうだか知らんがな。遠い昔に切り離しちまった自分の感情の切れ端のことなんて、思い出そうったって思い出せるわけもない。

とにかく言えることといったらよ、フツウに生きてるみなさんならば、特に悩みもせずにすーっと通りすぎることができるに決まってる、小さな小さなトゲトゲに、ご丁寧にも一つひとつ引っかかっては、うだうだぐだぐたとクダを巻いては巻いては繰り返してる、そうしてそこからなんとか抜け出すために、ラチもない幻想の世界を組み立ててはぶっ壊して、一人静かに遊び続ける穀潰しが、ここに一匹ござりますって話でよ。

けどオレは思ってるんだ。この愚にもつかない戯言の羅列の中にも、誰かの心を動かす言霊の種が絶対眠ってるはずだってな。

もちろんそいつは根拠のない妄想にすぎないさ。

そうよ、種が確かにあったところで、その種が誰の心に届いていつ芽を出すことになるのか、ならないのか、そいつは誰にも分かりゃしないからな。

しかしだ。

分からなくってもその可能性を信じてるからこそ、オレたちは生きていられるってもんじゃないか。

信じられるものがなかったら、このくそったれな現実の中で、どうやったって生きていけるっていうんだ。

大体がだ、オレたちの存在自体が、ありえるわけもない一億分の一の奇跡の結果なんだってことを忘れてもらっちゃ困る。

オレたちの母親が大切に育んだちっぽけな卵子に向かって、父親から放たれ、一心不乱に泳いでいく一億の精子の中のたった一匹という偶然が、オレたちを作り出したんだぞ。

オレたちの影には存在しえなかった無数のオレたちの亡霊がいて、その幻の残骸の上にオレたちという奇跡の存在はあぐらをかいて座ってるんじゃねえか。

だとしたら、自分の脳みそが生み出す切れ味の悪い鈍器のごとき言葉の大群の、弱々しくて途切れ途切れの流れの中にだって、奇跡の力を持った言霊の種が埋もれてないとは限らないだろう? そう信じて悪い理由はないだろう? 信じでもしなけりゃ生きていけないだろう?

だからオレは、こうしてコトノハを紡ぎ続けるのさ。この二次元の平面上でうねりのたくる文字どもの陰影が、アンタの心と化学反応を起こして、爆発する日を待っているのさ。

それには百人の友だちもフォロワーもナンにもいりゃあしないのよ。

蜘蛛の糸より細いのに、決して切れることのない不可思議無量の導火線が、いつかアンタの心にたった一本忍び込みさえすりゃあいいんだからな。

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