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[全文無料: 小さなお話 0.04] 秘密のインフルエンサー

[約1,600文字、3 - 4分で読めます]

この世に生まれ落ちて、おっぱいを飲んで育って、はいはいをして、立ち上がって、いつの間にか大きくなって、恋をして、恋に破れて、子どもを作ったり、作らなかったりして、やがて歳老いて、後進に道をゆずって、この世とおさらばして土に還る。

簡単に言えばぼくたちの人生って、そんな感じです。

そうやって生きていく中で、ぼくたちはお互いに影響を与え合っていて、自分一人で成長した気になってる人だって、ほんとは周りからいっぱい影響を受けているし、同時に影響を与えてもいるし、だからぼくたちは、何かを一人でやり遂げた気になってることも多いけれど、それだってよくよく考えてみれば、やっぱりみんなとの共同作業の結果だったりする。

こうやって文章を書くということだって、確かにそれはぼくという一つの体に宿った奇妙なエネルギー体が、まさにその一つ体を使ってやっていることには違いないから、「ぼくがやってるんだ」って言えないことはないんだけれど、でもそのエネルギーはどこからやってきたのかとか、どうして今ここで文章を書くという形で「有機交流電燈のひとつの青い照明」を灯しているのか、などと問うことにするならば、それにきちんと答えようとすれば、138億年の宇宙の歴史の全体を考えなくてはならないことになるわけで。

もちろん現実の人生の中で、いちいち138億年分の時間を振り返っているわけにもいかないから、今は簡単にはしょってしまって、ここで起きているあなたとぼくの関係に焦点を絞ることにしましょう。

そうなんです、昨日あなたの影響力にぼくは驚きました。
ほんとですよ!

一、二年前のことだったか、あなたが銀座のカプセルに住んでると知ったときに、あなたは確かに何かを持ってる人のようだって気づいてた気もするんだけれど、そのときのぼくにはそれが何なのかまだよく分かってなかった。

そのあとしばらくは接点がなかったから、「有機交流電燈」に灯が灯るわけもなく、あなたが何者なのか知らぬままに、こちらはこちらの時間を過ごしていたわけですが、久しぶりに〈この場〉に戻ってきてみれば、あなたは水を得た魚のように生き生きと活動していらっしゃるではありませんか。

おかげでぼくも〈この場〉の空気が肌に合うことを思い出し、それも以前とはずいぶん違った風が流れ込んでいて、あなたの周りにも様々な「電燈」が光り輝いていますから、ぼくは体中の力を抜いて、気持ちのよい流れに身を任せ、指先から溢れ出る言葉の泡泡とともに現実の世界と重なり合って存在する異次元空間で宇宙遊泳ができるだけの力をあなたからいただくことになったのです。

一夜の間に350名からの読者の皆さんに恵まれ、36の暖かい心の印をいただき、100円玉6枚分のお心づけをいただけたことは、あなたが今日に至るまで誠実に自由に歩んでいらっしゃった人生の軌跡に、たまたまこうして接点を持たせていただいたおかげだと感じています。

願わくば、ぼくの愚かで身勝手で思いやりの足りない人生の中にも、あなたの心を震わせる何かがありますように。

Kさん、記事の紹介、ほんとうにありがとうございました。
今後ともよろしくおつき合いください。

そして、今〈この場〉を見てくださっている皆さんにも、ぼくのような「社会的」には限りなくゼロに近い存在であっても、こうして生きることが可能なのだという程度の事例紹介にでも、ぼくの書いているものがなりましたら幸いです。

それではみなさん、お気に入りの言葉とともに、素敵な人生の旅路をお楽しみください。ではでは、ナマステジーっ♬

[2018.11.20 西インド、ブンディにて]

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