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[全文無料・随想流浪]雨降りてガンガーの水滔滔と

ネパールのカトマンズで十日間の瞑想コースに参加してから、そろそろ半月が過ぎます。

今はインドのハリドワルにいるのですが、雨季で雨がよく降ります。

日本の街とは違い、乾期には舞い散る土ぼこりが、雨が降ると足元で泥々になります。

ハリドワルはそれほどでもないのですが、カトマンズはかなりの泥々具合でした。

今では東京の街はすっかりきれいに舗装されてしまいましたが、ぼくが子どもだった頃には、世田谷辺りでもぬかるむ道が少しは残っていたのを思い出します。四十年以上も前の話です。

昔の東京をなんとなく思い出すようなカトマンズでの瞑想コースには、コース参加者をお世話するボランティアとしての参加したのですが、午前中に一時間ほどチャパティの生地を伸ばすのと食事をよそう手伝いをしたほかは、ほとんど参加者と一緒に座るのがボランティアとしての役割でした。

コース中は基本的におしゃべりはできませんので、朝四時半から夜九時まで、食事時などの休憩時間を除けば、座りっぱなしと言っても言い過ぎではないほどです。

そんな毎日を送っていると、ぼくのような迷いの多い人間は、どうして自分はこんなところでこんなことをしているんだろうと思うこともままあります。

一方、深い瞑想に入れたときには、この瞬間を味わうために今まで生きてきたんだ、と思うほどの充実を感じることもあります。

この三年ほどはゴエンカさん方式のヴィパッサナ瞑想にそれなりに熱心に取り組んで、ボランティアも含めると十日間のコースの参加も十回以上になりました。

決して優等生ではありませんので、これからも迷いつつ、疑いつつ、気長に瞑想の練習を続けていきたいと思っています。

最後に、雨季で水の増した聖なる川ガンガーを詠んだ歌をしるして、この記事のしめくくりとします。

 雨降りてガンガーの水滔滔と
 我欲の濁り流し尽くさん

とし兵衛 拝

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