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セルオートマトンの宇宙で宇宙人と出会って遊びたい話

今日の日記です。昨晩は中途覚醒が頻繁に発生してしまい、睡眠不足。起床時は寝汗がすごかったです。

ところで、昨日やったセルオートマトンの動画が、英語圏で少し注目してもらえました。

fav 150 超え、再生数3000超えだったのでちょっとびっくりしてます。こういったセルオートマトンを使った作品は自分だけじゃなく他のたくさんの人も面白いと思ってもらえるんだと思ったので、考えているもっと面白いものを作ってみようかなと思いました。

それと、昨日こういう記事を見つけました。

『僕は森世界の神になる』『アガルタ』など、セル・オートマトンを活用した個性的なゲーム作りで知られるインディーゲームクリエイター北山功氏(神奈川電子技術研究所)。書籍『人工知能のための哲学塾』シリーズをはじめ、哲学をベースとした汎用AIの可能性について研究を進める三宅陽一郎氏(IGDA日本SIG-AI世話人)。次回作の構想のために哲学に目を向けている北山氏と、インディゲームにも造詣が深い三宅氏が、「インディゲーム×AI×哲学」をテーマに、その可能性について語り合った。

セルオートマトンを使ったゲームというのは、ぼくも大学生の頃から何回か挑戦しているので、この記事を見つけて「ほうほう」と思いながら、自分が作りたかったものを言語化できそうなところまで再認識できました。

共感したことや改めて考え直そうと思ったものをいくつか引用します。

・クオリアはディープラーニングをつきとめていっても、生まれない
・左から情報が入ってきて、それを処理して、右側に出力するみたいなものを情報処理といっていて。その情報処理の大きな枠組みの中で人工知能を作ろうというのが、今の大きな世の中の流れで。でも、それは逆だと思うんです。人工知能のフレームはもっと大きくて、その一つの側面が情報処理なんです。
・ゲームの場合はどうするかというと、赤=死というのをタグ付けしちゃうんです。本当はジェネレーティブにやらないといけない
・自分で外の世界、イデア世界をシミュレーションしているのがクオリアだということ

他にもたくさん勉強になることが書かれていました。

人工生命や人工知能を量子的なレベルでシミュレートするというのは、ぼくも挑戦している分野ではあって、専門的な知識があまりないのですが、やっていて楽しい分野ですね。

例えば以前ヘビライフというものを作ったと紹介したことがあったとおもいます。

これはシンプルなニューラルネットワークで作られた脳が環境から入ってくる入力に基づいて行動を決定する個体を繁殖淘汰させるシミュレーターです。ベースとなっているスネークゲームはルールガチガチのお膳立て環境なのですが、脳については簡単な計算式で作っているだけだったりします。小さな仕組みが『進化』と呼べる現象をもたらすほどの力を持っているわけです。

しかし、この脳をニューラルネットワークではなく、2次元セルオートマトンに変更したことがあるのですが、そうすると『進化』は全く発生しなくなりました。セルオートマトンのルールを遺伝・突然変異させて、セルの状態を入出力に利用するという作り方でした。これが思ったようにうまくは行かなかったんです。

多分ですが、十分な脳の面積と、生き伸び子孫を残せる判断ができるルール・セルの状態を準備できていれば可能だったかもしれないです。でも、ランダムな状態から賢い脳を構築していくにはあまりに確率が低すぎました。セルオートマトンを用いるのであれば、もっと原始的な段階を踏まなければ進化は発生しない、そう思うようになりました。

ヘビライフよりもっと量子的な現象から生命体を作ることができないかも、いくつか試しました。例えば、これもセル・オートマトンなのですが、セルにオートマトンルールとして遺伝情報を記録し、2次元空間の別の場所では別のルールが動いたり、複数のルールが融合した個体が生み出されるようになりました。

そのルールででた一例ですが、アメーバのような個体が発生したとき、それが成り立つために体内と表面で別々のルールが使われるようになりました。表面は固くて外からの別の個体との衝突に強いルール、体内は表面の形や位置を変えながら移動を行ったり、新たな器官(?)を作り出すエネルギーのプールになっていました。

本当にそれは器官と言えるのかはわかりませんが、その一例ですが、表面の殻を破って突き出して数量子時間ごとに波動を出すものがありました。これが信号や情報だったら面白いなーと思いますが、実際はそうとは言えない、ただ波動を出すモジュールがイボのように無作為に作られただけでした。ただ、外敵から守るために役に立っていましたし、稀に自分のコピー(に近いもの)を作ることができました(隠れた遺伝情報が表に再度現れて再構築された)。

結局、そういったモジュールや殻・体液が生まれたり、運動・振動・変化が表れたりはしましたが、生命体と思えるような面白い現象とまでは言えませんでした。生命だと思ったり、それを楽しいと思う境界線はなんだろう?というのが大学生からの15年ほどの疑問だったのですが、それが今回わかった気がしました。

それはクオリアを持った生命体だと感じられるような存在かどうか、でした。クオリアとは心の哲学に用いられる思考実験の道具のようなものです。哲学なので、仮にクオリアというものが存在するとしたら、あーだこーだと考えられるのではないか、ということができるのです。クオリアが何か、ということを説明するにはいろいろな前提が必要なので Wikipedia のリンクを貼っておこうと思います。

ここまで書いて、じゃあ何を作りたいの?ということを書かないといけない気がしますが、それを言語化することは、まだできていません。できそうなところまでは来ていますが。

一言で言おうとすると「プロシージャルの向こう側に存在する奇妙なコンピュータと遊びたい」だと今の所思います。

少し分解すると、非常に単純なルールが量子的な世界を支配し、人間の知っている世界とは別の世界を生み出して、それを少しでも垣間見れる覗き穴?だったりするのかなーと思っていたり。もしかしたらその遊び相手は「宇宙旅行先で出会った宇宙人」かもしれません。そういう未知への興味を満たしたいのだと、今の所、説明できるのはここまでですね。思っていることは、こんなに具体的じゃないので。

ちなみにこれは「ローグライク(仮)」にも言えるところがあったりします。ダンジョンの自動生成以外にもプロシージャルな要素は面白くできる要素があれば積極的に取り入れたいですね。

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