スプレー缶

【注意喚起】スプレー缶の廃棄について

ニュースやSNSでも話題になっていますが、札幌市豊平区で16日に爆発事故が発生しました。

原因は室内での大量のスプレー缶の穴あけとその後に給湯器をつけることによって漏れ出たガスに引火したことのようです。

ルールの変更があったが...

このような事故を避けるために、札幌市ではスプレー缶の廃棄方法が平成29年7月から変更になっています。

多く見かける報道では、「スプレー缶の廃棄時に穴を開けないで」という言葉が一人歩きしているように見えます。
しかしながら、このルールは自治体ごとに異なっています
政令指定都市20市について調べると、穴あけの禁止をしている市の方が多く、穴あけしても良いまたはするように書かれている市は、仙台市、相模原市、神戸市、岡山市でした。ただし、相模原市については、「穴を開ける際は火気に注意し、風通しのよい場所で行ってください。」という注意書きがある程度で、「穴を開けること」を促すものではないのに対し、その他の4市では、穴を開けるように指示がある点で異なっています。

ここ3年くらいで変わった

調べていくと、20市のうちスプレー缶に穴を開けることをしないように書いている自治体も、2〜3年前までは穴を開ける方式であったのか、「平成27年○月からスプレー缶の廃棄方法が変わりました」という文言が多く見られます。
元々は、ゴミ収集車の爆発事故を避けるために穴あけを推進していたようですが、家庭用の給湯器やその他の火元に引火して爆発する危険性もあることから、最近は「無理に開けない」ということが一般的になってきているようです。

古い記事ですが、国民生活センターの2000年11月21日の記事に「スプレー缶を廃棄するために穴を開けガス抜きしているときに、その内容物が引火して爆発したり、高温の場所に置いたため加熱され破裂・爆発した、といった事故情報が《中略》1990年4月~2000年9月末までに事故情報が229件寄せられている。そのうち危害情報は77件あった。」と記されている。

最近では、スプレー缶のガスが容易に抜けるような設計であることがスプレー缶の製造元に求められているようです。多くの自治体でその旨を示す文言がWEBページに書かれていました。また、さいたま市では「使い切れず、どうしても中身が残ってしまう場合には「中身あり」と書いた貼り紙をつけてください。」との注意書きがなされていました。

実はこれが一番注目されるべき(14:50追記)

穴あけするべきかしないべきかというのは廃棄方法であって、本来注目されるべきは、風通しのよくない室内でガス抜きをしたことです。それも100本という大量のスプレー缶を。絶対にしてはいけないのは、スプレー缶の穴あけではなく、室内でのガス抜きです。

まとめ

今回、調査の対象としたのは、政令指定都市である20の自治体であるが、これに該当しない市町村でもスプレー缶をはじめ殆どの廃棄物の廃棄方法にはルールが存在します。札幌市の事故があまりにも大きく報道やSNSで拡散されていることもあり、全ての市町村において「スプレー缶に穴を開けて廃棄しないこと」が正しい廃棄方法であると誤解を与えるのが一番危険です。
また、穴を開ける必要がないと記されている自治体においても、「最後まで使い切ってから」「ガス抜きをし終えてから」廃棄することが求められています。ガスが残った状態で一般ごみとして捨てることが危険であることは、どの自治体でも共通認識であることは変わりありません。

今回の調査で、廃棄方法として穴あけをするように書かれている自治体についても今後、穴あけをしないようにと方針が変わるかもしれませんね。

この際に、お住いの自治体の廃棄方法を再確認してみるのも良い機会かもしれません。

そして、絶対に室内でのガス抜き作業はしてはいけません。風通しの良い火の気のないところで行うのが原則です。


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