新規クライアントと商談が成功したドイツ人ハーフ__モデル_Max_Ezaki_

環境が関与した成功体験は環境が変われば身を滅ぼす

「定石」という言葉があります。
元々は囲碁の用語で、決まり切ったやり方や手法を意味する言葉です。

これは、最善の手順を意味します。

それはどのようにして得るのでしょうか?
最善の手順なんてものは一回や二回で身につくものではありません。
当然試行錯誤の上で身につくものです。

ところで、「成功体験」というものはどのようにして身につくでしょうか?

「成功体験と定石」

成功体験はその成功が「たった一回限りでも」身についてしまいます

例えば、毎日遅くまで作業をして、綿密に資料を作成して、そして議論に議論を重ねて、一つのプロジェクトを成功させたとします。
この成功体験は、たった一回です。そう一回しか体験することはできません。
つまり、この成功体験で得られた手順は「定石」とは言えません。
「偶然」成功した手段であり、方法であったと言えます。

しかしながら、「成功体験」というものはすごく印象に残り、同時にその過程も記憶に残ります。

成功体験がなぜ身を滅ぼすのか?

成功は本人だけでなく周りからの評価がなければ、「成功」とは言えません。
そして、その評価は「結果」だけでなく、しばしば「過程」も評価されます。

過程、つまりその手順が評価されるということです。
冒頭で「定石とは決まり切ったやり方や手法を意味する」と述べました。
成功体験は一度きりでも「その手順を定石と誤認」する可能性は大いにあります。

その一度きりの成功で実行した手順や過程はその条件においてのみ発揮する手順や過程である確率の方が高いはずであるのに、評価を得られたことから、「万能なやり方」であると誤認してしまいます。

類似の内容を行うならまだしも、難易度も大きく変わるものに対して、同じ方法でやってもうまくいくはずはありません。

同じ「調査」でも対象によって方法は異なる

例えば、「日本全国で野球が好きな人とサッカーが好きな人、あるいはどちらも好きでない人の割合はどのようになっているか」という調査をする場合を想定する。
この場合、統計学的にどのような標本をとって分析すればよいか検討をしてアンケートを実施する方法がある。
結果、そのアンケート結果で傾向がとれ、別の調査とも合致したという結果を得られたとする。
これは一つの成功体験と言える。

では、日本の人口の年齢比率を調査する課題があったとすれば、どのような方法を取るか?
1.前述の野球かサッカーかと同じようにアンケートをして集計する
2.統計局発行の人口推計を検索する
  参考:人 口 推 計- 2019年(平成31年) 2 月 報 -
3.フェルミ推定をする
  参考:フェルミ推定(Wikipedia)

すでに答えがわかるものについては、一から調査する必要はないので、2.を選ぶのが普通でしょう(統計局の調査なんて信用できないという人は別です)
1.の調査方法は圧倒的に時間と費用がかかります。3.の方法はご自由にやってください。どの方法でもある程度は答えが出ると思いますが、この場合圧倒的に2.の方法が早く確かな結果であるはずです。
(厚労省のニュースが最近話題になっていましたが、それはまた別の話としましょう。ずさん統計、影響広がる 職員の隠蔽疑惑も浮上 (2019/1/12 0:59日本経済新聞 電子版)

このように、ある時は成功した手法でも、どんな時でもその手法が最善であるとは言い切れない

成功体験が産んだ無駄な作業はありませんか?

成功体験は、結果だけなくその手順や過程まで成功の為に必要不可欠であり、この方法は万能であると思い込みやすくなる。

結果、不要な手順までを標準化してしまう危険性を孕んでいる。
その不要な手順が作業の効率やモチベーションを下げる可能性もある。
完璧主義が必ずしも歓迎されないのは誰もが経験上知っていると思いますが、完璧であることが望まれるのは結果だけであり、過程は必ずしも完璧である必要はありません。

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