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ものとプロセスと人(3)

私たちは、資本主義社会が作り出した幻想の中で生きている。

自分を含め、私たちは価値の判断の大半を社会と他人に委ねています。資本主義経済では、作り手が消費者に対し「こんなおしゃれな生活って素晴らしくないですか?」「こんな素敵な家で暮らしたくないですか?」理想像を語りかけ、社会全体にそれが価値である幻想を作り出すことで、消費欲を刺激してきます。その幻想は今や作り手だけでなく、消費者ですら情報発信側に回ることで、さらに強化されていきます。
こうした産業は、ビジネスとして成立するために必要であり、それがないと生活者は選択すらもできませんし、それらが個人の課題解決や欲求の充足に繋がっているのも事実です。

理想と現実を埋める消費の無限サイクル

しかし、「こんな生活ができますよ」といった具合に消費欲を刺激され、いろんなものやサービスを手にしますが、社会は絶えず(おそらく自己の中でも)"理想"を生み出し、多くの人は満たされることのない欲求のサイクルに陥ります。
この社会が作った理想と現実のギャップへの苦しみは、消費に関してだけでなくて、例えば社会は「いい大学に入ること」「有名な企業に入社する」「結婚」など、多くの幸せのステレオタイプが存在して、その違和感を感じている人は多いのでは?と思っています。こうすれば幸せになれると社会は言ってたのに、あれ、そうでもないみたいな。

自分の思い描く理想、価値の基準がない

社会の作り上げた理想を追ってきた人々が、その違和感を感じたときに自分で答えを見いだせればいいのですが、その人たちにとって今まで社会と他人が価値判断の基準だったので、それを変えようとしても、簡単ではありません。こんな自分が偉そうに何言ってんだよ、って感じですが。

それぞれが自身で答えを見つけ出すために

そうした課題はそれぞれで答えを見出す必要があります。その手段として、Co-designにおける"参加"と、自分の卒業研究である「わざわざ」が少しオーバーラップしてくるかなと思います。上の図は自分でもまだよくわかっていませんが、おそらくこんな感じ。
Co-designは、今まで価値の受け手であったユーザーが、"参加"の中で自分にとっての価値を考えるという点。
わざわざは、余地のある物事を経験することで、自分の中で意味と文脈の(客観性を持たない)価値を見出す点。
二つが重なるところも多いが、わざわざはちょっとイントロ部分と少しずれる気もする。

コミュニティの形成

共創していくはずのCo-designでも"参加"のレベルを振り切ると、ユーザー独立コミュニティになります。それで、さらに僕は"余地"のレベルを振り切って50%自給自足コミュニティを作りたいなと考えています。(自分もユーザーの一員として笑)最適なアプローチではないが、プロジェクト、仮説として。
自分で価値と豊かさを見出し、生み出し、消費しながら生活するコミュニティ、といった感じ。

ポイントはたぶん3つ。

1. 人間の持つ能力、技、思考、工夫、知恵を働かせる余地に多く接する、プロセスを踏む。
ものとプロセスと人の関わり方によって意味や文脈という価値を変化させていける究極のライフスタイル。余地が人の価値に対する主体性を引き出し、自己の中で価値の創造と消費を経験する。

2. 他者との関わりの中から、自分の考えや価値観を築いていく。
産業が介在しない、顔の見えない他人が存在しない、架空の理想を持たない共有信念を持つコミュニティにおける他者との関わりの中で、価値の基準を共に見出していく。おそらく先に場を作るのではなく、人が集まり、場ができるという順序で。

3. 資本主義のメリット、デメリットをうまく利用する。
これに関しては次の項で。

資本主義社会との関わり

50%が具体的な数値なわけではないんですが、互いを親しく知れる規模の小さな生活集団では貨幣を媒介としない価値や、信頼、人間関係を成立させる一方で、貨幣は見知らぬ人との間でも価値の交換媒体として機能するので、現代社会の恩恵をおけるには必要となってきます。
限られた経済圏で市場経済の存在しない暮らし方から感じる価値と、貨幣という普遍性を持った交換媒体で得ていく価値。
このように貨幣のメリットデメリットを理解した上で、資本主義社会との関わり方、そのバランスをうまくとっていくことが必要なんじゃないかなと思います。

来週からStrategic Co-designという授業が始まります。Co-designの手法をグループでブラッシュアップしていくと聞いているけれど、また傍観者にならないようにしなければ...(焦り)

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藤 匠汰朗

九州大学芸術工学府デザインストラテジー専攻 修士1年2018.8-2019.6までフィンランドのAalto大学で学びます。

コメント3件

すごい!まさに今授業でやってるのが、貨幣以外の通貨をつくって小さなコミュニティの中でシミュレーションしてみるっていうプロジェクト!笑 何を価値と置くか、ほんとに今考えてるところで、プロジェクトおわったらまた教えるね!
ありがとうございます。理論はかなり崩壊しているかもしれませんが、そう感じていただけるのは嬉しいです。
貨幣制度って深いですよね〜。ぜひ教えてください、楽しみにしてます!
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