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日記

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2019/1/7(月)日記2

干支が3回りも離れている先輩に、仕事を教わっている。

その人は来年で定年を迎えるけれど、特に役職もついていない。人手不足の会社で、部長を兼務している人が何人もいるというのにだ。等級の違いはあれど、彼と私には同じ「係員」という文字がつく。

その人は、まるで福笑いのような顔立ちをしていて、瞳は灰色に青を混ぜた色で、濁っている。片方の目は見えないらしい。ひどいアレルギー体質で、アトピーなのかいつも体

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2019/1/7(月)日記

赤ん坊を見ると泣いてしまう。

そのことに気付かされたのは、大学2年のときだったと思う。

その頃わたしは大学で事務のバイトをしていて、ある日産休中の職員さんが生まれたばかりの赤ん坊を見せにきてくれた。

わたしは、子供は苦手だった。身近に小さい子がおらず、かつ自身も妹や弟がいなかったので、小さい子という存在にすこぶる免疫がなかったのである。

だから正直他人の子供なんか見ても可愛くねーだろ、と思

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5/24日記

これを書いている今、手が震えている。

きっと、明日の飲み会に行きたくなさすぎるからだと思う。

わたし、今大学を卒業して、働いているのだけれど、勤め先が飲み会の多い職場だからもう大変なのだ。

お酒を飲む席自体は嫌いではない。でも、偉い人の中にお酒を飲むとすごく説教する人がいて(偉い人はだいたいそうなんだけど)、その人のお説教を聞くのがすごく苦痛なのだ。

その人とお酒を飲むと、いつも「つまらな

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1/10(水)日記

家で豆苗を育てている。

青果セールで78円だった。すでに一回収穫しているから、今の単価は39円。もう少しで3回目の収穫を迎えるから、そしたら単価は26円になる。自分の価値を下げてもすくすく育ってくれる豆苗ってすごい。私だったら「次回出勤自給500円な」って言われたらブチ切れるもんなぁ。

お米のとぎ汁をやると良いと聞いたので、たまに水の代わりにとぎ汁をあげる。1人暮らしだから、1度に3合炊いて、

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本の好み

だいぶ前、友達に「江國香織とかすき。ハラハラしないから」といったら、ひどく驚かれたことがある。

友達いわく「ハラハラするから面白いんでしょ」とのことだ。江國香織がだめなわけじゃないけど、やっぱり物語はハラハラドキドキするから面白いらしい。

でもわたし、ただでさえ日々をお金だったり人間関係だったりにハラハラドキドキさせられているのに、どうして物語の中でもハラハラドキドキせなあかんのだ、と思う。主

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12/10 日記

卒業論文も無事提出できた。あとは卒業までの3ヶ月を遊んだりバイトしたりして過ごす予定。

卒業を待つだけの期間、ていうのは、私の中ではすごく貴重で、大切なものだ。

中学3年生の頃だったと思う。受験も終わって、学校に行って授業は受けるけどテストはもう無い……みたいな、正直学校に行く意味はあんまり無い期間があった。部活も引退しているから、6時間目が終わったらまっすぐおうちに帰る。

その頃、私は学区

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無駄遣いについて

9/27(水)まで無駄遣いについての文章を募集するよーってお知らせがあったので、書くね。

私の無駄遣いってなんだろうなぁ、って思いながら机を見渡したら、ふとトップバリューの単三電池が目に入った。これだ!と思った。

1人暮らしを始めてから、死ぬほど電池を消費するようになった。ポメラに電子辞書、リモコン、電動シェーバー。私の生活は電池で支えられている。いつも100円の質の悪い電池を買うから、すぐに

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9/23(土)日記

中学生・高校生と演劇部に入っていた。演劇部がある学校は少ないのか、バイト先や友達に部活のことを話すといつも少し驚かれる。

中学1年生の頃は美術部に入っていて、2年生のときに演劇部に転部した。いじめがあったわけでも、美術がいやなわけでもなかった。部内のヒエラルキーでは高い位置にいたし、何人かとは今でも付き合いがある。

きっと、ただなんとなく日常に変化が欲しかったのだろう。だから、少し苦手なだけの

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6/20 日記

前も書いたかもしれないけど、わたし、あまりいい家庭環境ではなかった。子供離れのできないお母さんと、女の人とタバコが好きで牢屋に放り込まれたお父さんを見て育って、2人みたいになりたくないと思う傍ら、2人のことを憎めないわたしが生きている。

お父さんのことは、いつもわたしの心の奥深くで息づいて、それは例えば受験とか、就職活動とか、恋愛とかのイベントごとのたびに、わたしの心の表面まで浮かび上がって涙を

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お母さん

ノートって楽しいね。つい書いちゃうね。

5月のテーマがお母さんらしいので、わたしもかくね。

お母さんって一口にとってもいろいろな書き方があるんだろうけれど、私が問いかけたいことって

「お母さんが絶対的じゃないって気付いた瞬間はいつ?」

っていうものだ。

わたし、おうちがあんまりうまくいってなくて、小学校のときに父さんのことで大号泣するお母さんをみてしまった。そのときに、明確にはっきりと意

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部屋

私の借りている部屋は南向きの角部屋。南にフラワーポッドと東に出窓がある。出窓にはガンプラが飾ってある。

窓を見ると、ささみのほぐし身みたいにほろほろした雲と少しの青空が見える。私の洗濯物も見える。溌剌とした太陽に照らされる私のシャツと下着は清潔そうだ。

どうぶつの森のいちばんはじめの部屋くらいに狭くて、正方形で、住人が外階段を上り下りするとがたがたゆれる。地震かっていうくらいゆれる。友達を呼ぶ

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文学フリマ

友達に

「ネットでお友達作れない。こわい。しかし趣味の友達は欲しい」

と駄々をこねたら、

「イベントに行って友達つくってこい」

といわれた。

ついでに「本を買って、それが面白かったらその人のツイッターをフォローすればいいんだ」とアドバイスを貰った。22歳にして友達の作り方を教わるなんて思ってなかった。わたしは恐る恐るかねてから興味のあった即売会なるものに行くことにした。

正直言って、こ

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