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#68 リフレーミングしてみよう

子供の頃読んでいた雑誌…おそらく「てれびくん」あたりだと思うのだけれど、そのような雑誌に付録でついていた「なぞなぞの本」に載っていたなぞなぞで未だに覚えている問題があるんです。

それは「2人の占い師がいます。1人は的中率が60%で、もう1人は30%です。しかし人気があるのは30%の占い師です。なぜでしょうか?」という内容だったと思います。その問題の挿絵も思い出して描いてみました。

こんな感じ。なぞなぞの答えは「30%しか当たらない占い師の逆を信じれば70%当たるから」だったのですが、子供心に納得がいかなかった記憶があります。捻くれたガキだったもので…。


今考えてみると、これって「リフレーミング効果」という、マーケティングにも通じる問題だったんじゃないかと思います。

「リフレーミング効果」とは、心理的枠組み(フレーム)により、人々や物事への印象や意味を変化させることです。例えば、同じ製品について、以下2パターンのコピーでそれぞれアピールしたとします。

A「脂肪分5%です!」
B「脂肪分95%カット!」

この場合、どちらの製品の方が売れるでしょうか。よく考えると言っていることは同じなのに、おそらくBの方が良く売れるでしょう。

次の例はどうでしょう。がん検診を促進する広告にはどちらのコピーが効果的でしょうか。

A「がん検診を受ければ、がんを早期発見することができます。」
B「がん検診を受けないと、手遅れになってしまう恐れがあります。」

これも同じことを言っているのですが、Bの方が効果的です。Bの方が強迫観念に駆られるからです。


これらのように、同じことを表すのに、表現方法が違うだけで受け手の受け取り方が変わるような効果を与えることができます。「リフレーミング効果」はあまり耳にしない言葉ですが、広告のキャッチコピーや営業トーク、マーケティングなど、様々なシーンで利用されており、日常的に私たちの判断にも影響を与えています。

届けたいメッセージに合わせ、適切な種類のフレームを選び活用していけば様々な物事、考え方をガラリと変えることができます。

特に、利点を強調するフレームの場合は、憧れを熱心に追い求める人に有効だし、損失を強調するフレームは安全確保に関心を注ぐ人々に有効です。若者向け広告には利点を強調し、高齢者には損失を強調するといいかもしれません。そう考えると、少子高齢化が進む現在、損失を強調する広告が増えているのかもしれません。



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