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#30 逢いたくてFULL得る

「ザイオンス効果」ってご存知でしょうか?

簡単に言うと、「同じ人や物に接する回数が増えるほど、その対象に対して好印象を持つようになる効果」のことです。効果名の由来は、1968年にこの考えを提唱した、アメリカの心理学者ロバート・ザイオンスから。

さらにもうひとつ「アイキャッチ効果」。人物の顔画像には、人の目線を向けさせる効果があります。百貨店やスーパーの売場へ行くと、タレントやモデルの顔写真が入った、POP類をたくさん目にすることができると思います。これらは来店したユーザーの視線を、並んでいる商品に向けさせる効果を期待してのことです。

特にドラッグストアなどの化粧品売場。ユーザーの丁度目線くらいのところに、女優さんやモデルさんの顔が配置されていると思います。アイキャッチ効果で視線を集め、ザイオンス効果で好感をもってもらい、購入してもらおうとしているわけです。

もちろんこれはウェブにも関る話で、企業の求人情報ページに「人感」は絶対的に必要ですし、電話での問合せを促すバナーなどには、電話応対するオペレーターの写真を配した方が問合せが増えるとも言われます。

選挙ポスターのお話

先日こんなことがありました。

新潟県外へ車で旅行する道すがら、とある議員さんの選挙ポスターが目に入りました。それはそれは満面の笑顔の写真が使われていました。初見ではこのように思いました。「こんないい笑顔で写っている議員ポスターはなかなか無いな」と。

…しかしです。

このポスターがこの後しばらくの間、ずっと道の両脇に「これでもか」とたくさん貼られていたのです。正直このポスターが目に入るたびにイライラを感じるようになりました。途中、道沿いの松の木の葉の間から、ポスターの顔だけ覗いて見えた時には、そのうざさに失笑してしまいました。

人の顔写真はアイキャッチ効果を生みますし、何度も見れば好感を抱かせるザイオンス効果も生みます。しかしながら、「写真の表情」と「掲載する頻度」については、ちゃんと事前に考証しておくことが大事だなぁと考えさせられました。

選挙ポスターに満面の笑顔は、あまりオススメできませんね。


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