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クラス全員で節分鬼祭り (4)

そんな流れで、背の高い男の子トップ3を含む6人を、

鬼に任命することができた。

「ととろん、そうなるとその時間、残りのみんなはどうなるん?」

「みんなは、プロフェッショナルを観て時間を過ごしてもらおうと思っているけど。いいかな。」

「じゃあ、私、観たいのリクエストしたい。」

「いいよ、みんなもそれでよければ。」

「いいよー。」

と、そんな感じで、6人以外はいろいろな仕事に触れさせる授業として

これまでもたくさん見て感想を書く取り組みをしていた、

プロフェッショナルの視聴(総合)の予定になった。

ところが、、、、

図工室での休み時間特訓が、一日、二日、三日となってくると、

練習の中でどんどんアイデアが出てくる。

「先生、金棒もって脅かした方が怖くないかな。」

「物が壊れないケガをしない材料だとなにがいいんだろう。」

「新聞紙で作ったら痛くないんじゃない?」

子どもたちは自由なアイデアで演技に必要な手作りグッズを作って、

鬼の演技にバリエーションを加えていった。

気付くと、もう罰でなくて毎日ウキウキしながら鬼の練習に向っている。

そうなると、残りの子たち。うずうずしてくる。

まず、一緒に楽しむ子や演技のアドバイスする子が出てきた。

それにつられて覗きにくる子も出てきた。

そして、「先生、僕も鬼やりたいんだけど、だめなん?」

と申し出てくる子も出てきた。

しっかり者のお姉さん軍団の女の子たちは、

「ととろん、これさ、鬼の髪の毛のカツラとか、タイツに胸毛とかもつけたほうがいいよ、やってもいい?」

と、6人の衣装のバージョンアップも始めた。

そうなってきた時に、さぁ子どもたちからの提案が飛んできた。

「これさ、6人だけで私たち教室はずるくない?!みんなで出来ないの?」

そうなるよね、間違いなく楽しそうだもの。

「よっしゃ、じゃあ、全員でやるか、節分の鬼。」

6人は、ちょっと不満げに、

「え、これは俺らの罰やから。」

といいつつも、他の子たちから

「手伝ってるんやから、そんな独り占めみたいに言うな。」

と言われ、じゃあいいよみたいな感じになっていたのが可愛らしかった。

「とはいえ、6人はもうまるっと一週間練習してきて、まだ、練習が足りないと思っていて、本番までは残り一週間しかない。なので1日先生に時間をくれん?みんなでやる方法を考える。」

「絶対明日考えてきてね。」

「わかった。任せとけ。」

さて、約束をしたものの、36人全員での鬼、いったいどうするか・・・。

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