見出し画像

やる気スイッチは、子ども自身でつけるもの(10)

爆上がりしたやる気、モチベーションは、自分の限界まで頑張ることが出来るようになる。

その反動として、その後にはいつもは感じないほどの疲れを感じるようになる。

学年練習が始まり、その時間いっぱいソーランを踊ったことども達は、

自分たちのテンションががっている状態で練習をしていた高揚感からか、

その後の学習時間、給食時間まではだいぶ元気が良かった。

が、昼休みを挟んで午後になると、やはり、疲れがどっと出てくるようで、

うと・・・うと・・・、と眠り始める子どもが、5時間目になると出てきた。

ととろん学級のスローガンはやるときはやる。それで行くと学ぶときは学ぶのであるが、

子ども達の学年練習の時の取り組み方を観ていたら、そりゃ無理もないよなと思えてしまう。

小学校の先生の融通が利くときというのは、実はこういう場面で最も発揮されるわけで、

「はい!じゃあ続きをTさん読んでー!」

と、突然にボリュームを上げたことで、ウトウトしていた子達はビックとして顔をあげた。

どの顔も、寝起きのねぼすけ顔だが、それがまた可愛い。」

指名されたTさんもうとうとしていたので、慌てて教科書の読むページを探す。

「Tさん、いいよ、読まずに。みんな練習で力を使い果たしすぎだよ。寝てる人と眠い人は手をあげて。」

ヤバいー、ととろん先生のお説教か?そんな雰囲気になった中で、

子どもたちがばつの悪そうに手を少しだけあげた。

「いや、お説教とかじゃないんよ。やっぱりこんだけ眠い人がいるんやね。という確認をね。これだけ眠いなら授業も頭に入らんやろ。ということで、今から・・・・」

と言いながら僕は黒板に備え付けてある電光タイマーの時間を設定していき、

「10分間、シエスタしよう。」

「シエスタって何ですか?」

「昼寝だよ。」

え!いいの?!子どもたちがねぼすけ顔の驚き顔でこちらを見る。

「メキシコとかブラジルとかでは、会社でも役場でもやっているんだって。日本でも昔から午睡って言って、午前中働いた後、少しだけ睡眠をとると、その後の午後には頭がシャキッとなってリセットできるんだよ。」

というと、子どもたち。なるほどー。と頷く。

「普段はみんなは寝るより遊ぶで、昼休みを過ごしているでしょ?それで子どもは十分リセットもできるし、元気もやる気もキープできるんだけど、今日みたいな日はね、6時間目もあるのに、ウトウトして集中できないなら、ここで10分シエスタして、残りの時間をシャキッとできたほうがいいっしょ。」

指名されたTさん他数名が、「先生グッジョです。」とイイネサインをくれる。

「さ、時間がもったいないから今からシエスタ始めるよ。自分眠くないんですけど。って人も、机に腕枕で目を閉じて静かに伏せてごらん。眠らなくてもそれだけで気持ちが落ち着くから。」

そう言って黒板のタイマーをスタートさせる。

やるときはやるは、やれないときはやらない。

やれるように工夫する。ことも同じように大事。

一分もたたずに、スースーと、静かな寝息が広がる教室で、

5の3の子達は、全力出し切ったんだなぁと、改めて微笑ましくなった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?