見出し画像

商品撮りのライティングを現役照明技師がレクチャー

こんにちは 普段TVCMなどの照明技師をしていますトッティー です
今回は商品撮影のライティングについて解説させていただきます

画像1

こちらの写真は、先日撮影したミニチュアのウルトラマンAのフィギュアです
こちらを駆使して解説していきます

画像2

ちなみに自宅でセット製作しました
メイキングはこちらです↓

では良いライティングとはどのように作るか!

結論からいうと残念ながら
再現性ある「これだ!」という正解はないんです



ただ、技術よりも、
とっても大切な要素が実は二つありまして
その二つのステップをしっかりふめば
「良いライティング」を作ることができます


まず!ライティングの定義として 
「ライティングには決まりがない」のです

ライティングには
何十通りも、何百通りもあります
なので決まりがないから
「何が良いライティングかがわからない」
「決まりがないからむずかしい」
とよく言われるのですが

実はとてもシンプルです
決まりがないなら 決まりを作れば良いのです。

そう
大切な要素1つ目は
コンセプトを決める』ということです。
今回どういうシナリオのライティングを作るか?
それは、どこが大切なのか?何を伝えたいのか?
を明確にするということです。
目的地を決めないでタクシーに乗って
「わかんないけど適当に走って」と言われたら運転手は困ります

逆に、カンのいい運転手は
「どんな気分ですか?」と聞いて
そんな気分にぴったりの場所に連れて行ってくれるかもしれません

要は、企画に対してその企画の意図をしっかり理解して、
要素を最大限に発揮すれば、
それが『いいライティング』なのです。

なのでコンセプト=テーマが非常に大事なのです。


続いて、二つ目
それは
被写体の特性を見極める』です 
要素としては 
」「」「大きさ」「不透明度」「反射率」です。

今回は被写体は、ウルトラACTのウルトラマンAのフィギュアです
    赤 銀 黄色(目)青(カラータイマー)シアン(頭のビームランプ)

    人形 程よく細い 顔の形が特殊 ディティールが滑っとしている

大きさ
  15cmくらいの小さい人形 

不透明度
 目の部分 カラータイマーが若干不透明度あるが基本的に光を通さない

反射率 
 この人形の銀は光や色にものすごく影響しやすい

ざっと、このくらい情報を得ることができます。
この5つの要素はとても大事です
そんな中で要素の中で一番重要な部分は
今回で言うと「色」です
特に銀色のボディーで光や色の影響を受けやすいのです

スクリーンショット 2020-05-03 20.22.18

こちらの写真は左の上から光が来ています(写真はAでなくゾフィーです)
一番光が強い部分は「白」っぽく見えて
一番光が弱い部分は「黒」に見えます
そして指差している手の肌色が
ゾフィの顔に影響して若干銀色が肌色の要素を持っています

この『被写体の特性を見極める』という要素を駆使して
コンセプトと合算してライティングを作っていきます

画像4

今回僕がこちらを撮影する前に決めたコンセプトは

上質に撮る』です。
では上質とは何か??
それは被写体が品や高級感のあるように見えるライティングのことです

今回なぜ、「上質」をコンセプトにしたかというと

理由は二つあります

一つ目は先ほども言った通り
銀色は陰影を作りやすく、質感を出しやすいので
かっこいい方がいいという理由です


二つ目は、背景が白ホリということです。
白ホリというのは超メジャーであり、一番難しいジャンルであります
というのも、誰でもそれなりのものが作れてしまう分
難しい」のです。「個性」というのはさほど重要性はないのですが
「コンセプトを持つ」ということがとても重要になっていきます

ただコンセプトを持つだけでなく被写体の特性!
この二つの要素を大切にすることによって
良いライティングが完成することができます!!1


今回は照明の一番大事な要素について解説させていただきました
もちろん技術も必要ですが、「本質」が大事です
本質は「定義」です。 「定義」がわかれば「方向性」がわかります。
「方向性」がわかれば、割とシンプルで簡単に作れちゃいます^^
そして、「決まり」はないので、自分の定義を楽しみながら見いだして欲しいです!

今回紹介したウルトラマンAのライティングをどのように配置したかを知りたい方はこちらの動画をご覧ください」↓


この記事が参加している募集

おうち時間を工夫で楽しく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?