見出し画像

産婦人科医の当直中ってどれくらい寝られるの? ~産婦人科医の多様性~

産婦人科医の当直ってどんなものだと思いますか?
今回は、産婦人科医の当直事情について少しお話しし、働き方の多様性について少しぼやいてみました。誰も興味ないかな…。

私の働いている病院では分娩を取り扱っており、毎月の分娩数は約50件です。月30日で計算すると、1日あたり1~2件の計算ですので、当直がそんなに大変な病院ではありません。

しかし、お産というのは、夜から朝方に起こるものです。

ごく普通の当直の1例です。
22:00 さぁそろそろ寝ようかなとベッドに入る 
23:00 うとうとしていると、陣痛が始まった妊婦さんが来院され、診察等々
0:00 もう一度ベッドへ
4:00 早い方だとお産になる。

となると、4時間くらいしか寝れていない。その間にもちょこちょこ看護師さんからの報告や相談があり、1時間おきに起こされるなんてケースはよくあります。

そもそも、当直の日でも、日勤勤務として、8:30から出勤します。17時以降に当直体制となります。看護師さんであれば日勤の看護師さんは帰宅して夜勤の看護師さんが勤務しますが、医師は続けて勤務します。お産のない日なら22時から朝の6時くらいまでノンストップで寝れる日もありますが、お産のない日でも、腹痛や出血などを訴える妊婦さんからの電話対応や診察を行ったりするのでぐっすり寝れることはまずないのが現実です。

比較的忙しくなかった当直でも、全く一睡もできないような忙しい当直でも、私の現在勤務している病院では午前中の勤務を求められます。当直の次の日も手術を執刀したり、外来診療を行っています。

えー大変!!って思っていただける方や、そんな寝不足状態の医師に手術や診療されたくないな。と思われた方もいるかもしれません。

しかし、医師、特に産婦人科医ではこれが当然のことであり、大学病院などより重症な状態の妊婦さんが集まる病院では、人手不足や勤務体制の改善がなされておらず、12時で退勤できない病院も数多くあります。(大学病院勤務時代は2連続当直、つまり、下着などの着替えを2日分持参して自宅を出る。。。なんてこともよくありました。)

なんだか、大変だアピールになってしまったかもしれませんが、私は幼い子供がいるということで、現在は他の男性医師より当直の回数をかなり減らしてもらっています。

医師として、心苦しく思います。同僚に申し訳ないなとも思う一方、夫から『ママー!!って泣きながら眠ったよ』なんて聞くと我が子にも申し訳ない。と思う気持ちもあります。

ママさん女医の中には当直や自宅待機のお仕事(緊急帝王切開などに備えて、自宅で待機しているお仕事もあります…)を全くしないというスタンスの方もいてらっしゃいます。当直をしている医者が偉いというわけではないのですが、多様な働き方ってやはり難しいなと感じる今日この頃です。

せめて、当直をした翌日は9時に帰宅できる病院がもっと増えれば、当直を行う医師の負担が軽減できるし、9時以降をメインに働く我々のようなママ女医が活躍できるのかななんて思ったりもします。

こんなちょっぴり多忙で、多様性に悩む産婦人科医もいてますが、真夜中に不安な症状がある場合は迷わずかかりつけの医院にご連絡くださいね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?