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博士論文全文公開の取り下げ方(うちの学校の場合)

博士論文のインターネット上全文公開の取り下げ方については、それぞれの学校でやり方が違うだろうから、と、本ができるまで~科研研究成果公開促進費(学術図書)を申請するの実録(所属先を通さない場合・汎用版)ではさらっとしか触れなかった。しかし質問されることが多かったので、ちょっとまとめて置こうと思う。あくまでも「うちの学校の話」なので、実際にはそれぞれの大学院教務課に問い合わせてほしい。

このnoteは、いったん博士論文PDF全文公開をしてしまってから、後で取り消す話なので、博士論文提出前に出版社とも話がつけてある方には関係がない。そのような方は、指導教員やおなじような手順を踏んで単著出版をした先輩、母校の教務課の人に話をきいてほしい。

科研学術図書申請前にやること…ほどんどない。窓口が何処の部署になるのか確認するくらい。たいがい全文公開をするときの部署と担当者に相談すれば良い。あと、もし音信が途絶えていれば、指導教官や博論主査の連絡先を調べておく。

正式交付より…ここでやっと動ける.必要な書類やらなにやらを訊き、そろえる。去年と同じとは限らないから、早く問い合わせても意味が無いことになりがちである。また向こうがはじめからちゃんと全部言ってくれなくて、後から後からボロボロ出てくることがある、ということもある。書類以外で「うちの学校の場合」必要だったものは、

・出版社と交わした契約書の写し。「本文をインターネットで公開しない」という文言を入れてもらうこと。

・ISBN。出版社に言うと、出してくれる。契約書を作る前に言えば、契約書の中に書いてくれる。

この2点で、それ以外は先方に言われた通りの書類を作ってそろえて持って行けば良かった。なお、書類には指導教員・博論主査のハンコが必要になる。私の場合、指導教員の定年間際に博論を出して、口頭試問は別の先生が「表の主査」になって指導教員は「裏の主査」になるという現象がおこったので、二人からハンコを貰わねばならなかった(しかしどうも事前に教務課に訊いておけば、どちらか一人のハンコでも良かった可能性がある)。指導教員も主査も研究者である以上、いつもハンコが貰いやすい場所にいてくださるとは限らない。どこかややこしい海外に行ってしまう可能性がある場合は、科研費の内定段階からスケジュールを確認しておいた方がよさそうである。

書類の提出から実際に全文公開が止まるまでの期間の長さは、教授会とのタイミングで決まる。出してすぐ教授会を通過すれば早くに止まるし、教授会が開かれなければ止まらない。私の場合、交付が正式に決定してすぐに動き出して、全文公開が止まったことが確認できたのは9月だったので、だいたいそのくらいには止められるということになると思う。

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