回る粒子:お話物理:場の量子論

前回まではスカラー場と呼ばれる場の理論について話してきた.今回からスピノル場と呼ばれる話をしようと思う.

スカラー,スピノル(,ベクトル)場というのは何かという話は

でしている.

さっくりまとめると"特殊相対論"という理論に基づいた場の理論を構築しようと思った時,"場"として許されるものはどういう種類があるのかという議論をしている.特殊相対論のちょびっと回転に応答できる"場"を分類していくと,回転の大きさ(~スピン)に相当する分類ができるのだ.

ちょびっと回転に対応して分類される回転の大きさ(四次元の場の理論なのに)三次元の回転と全く同じ振る舞いをする.

三次元回転と思った時,回転に対して全く動かない状態の場,スピン0の場がスカラー場だ.そしてスピン1/2の回転を持つ場を表すのがスピノル場だ.


現実の世界で,スピノル場に対応した粒子は例えば電子だ.

人間の生活に関わるほとんどの反応,例えば色やものの感触,音などほぼ全ての反応や性質は電子(と光子)の反応によって決まっている.場の理論の量子電磁気学というもので人間の感じる世界全てが記述されている.

その理論を話すには,これから話す,スピノル場が欠かせない.


補足

量子電磁気学が人間の感じる世界のほぼ全てを記述していること,その理論が物凄く高い精度で実験と理論があっているのは事実だ.

しかし基礎理論が確立していることと,それを使って人間が(豊かな物理現象を)計算できることは全くの別問題だ.

僕が話している,お話物理は,基礎理論の構築に終始している.しかしそれで物理は終わらない.またいつかここをメインに話そう.

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