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【イベントレポ】 #meetALIVE vol.11 『MaaSが変える未来』 -人々は移動して未来を作る-

9/25(火) 、#meetALIVE に参加しました。

  MaaS(Mobility As a Service)という概念は「名前だけ知っている」という程度だったのですが、大変面白いパネルディスカッションでした。当日の詳細な様子はtogetterでまとめられていますので、ご参照ください。

以下、参加した感想です。

ユーザーの経済圏を拡大するためのMaaS

  最も印象的だったのは、パネルディスカッションで手塚さんがMaaSを、

「MaaSとは、使うユーザーの経済圏が拡大すること。移動を最適化することで、その先の衣食住などが広がっていくこと」
と定義されていたことです。MaaSについて「移動や物流をITで解決する」ぐらいのぼんやりとしたイメージしか無かったのですが、イベントに参加した今では、この定義が「MaaSとは何か」を端的に表している的確な定義だと考えています。

 パネルディスカッションを聴いてて感じたのは、MaaSには

○現在の経済圏で起こっている社会問題を解決する

○次世代の経済圏を作る

  という2つの側面があるな、ということです。前者は電脳交通の近藤さんやNearMeの髙原さんが取り組んでいるタクシーマッチングサービスやシャトルサービスなど、既存のタクシー・バスでは手が届かない、あるいはそもそも構造自体が維持ができなくなりつつある分野を解決する取り組みです。

人という名の血液をサラサラにするMaaS

  近藤さんが自治体と一緒に行った実証実験では、タクシーを買い上げて平日の昼間に無料で貸出をしたところ、普段と比較して5倍近くのタクシーの利用があった、という結果が出ました。これが何を意味するかと言うと、

・利用者はタダでタクシーを利用して移動できる(利用者が得をしている)

・タクシー会社は普段利用しない時間帯にお金が入ってくる(タクシー会社が得をしている)

・街では普段移動しない住民が街先で買い物をしてお金を落としている(自治体が得をしている)

という三方一両得という構図ができる、ということです。

  銀行のことを『銀行とは「人」「企業」「国・自治体」などにお金という血液を送り込む心臓のような存在』と例えることがありますが、街の交通手段もこれに似ていて、街に住んで動く人々は血液そのものです。人という血液が循環していない地区は活動が鈍くなり、やがて廃墟になります。『人が移動しなくなる』ということは、経済圏が縮小し、血液が回らなくなって死ぬ地区が増えるということです。少し前から限界集落の問題が取り沙汰されていますが、限界集落には「移動が困難である」という要因が含まれています。  限界集落となっている地域に山村が多いのは偶然ではありません。移動が困難な場所だからこそ、経済圏が縮小してしまうのです。

  移動のコスト・制約をなくすことで、衣食住の経済圏拡大すること。地方であれば、移動コストを減らすことが経済圏の縮小を食い止める働きになり得るのかな、と考えました。

桃鉄のぶっとびカードを現実化するMaaS

  MaaSのもう一つの側面「次世代の経済圏を作る」というのは、手塚さんの手掛けるサービス「AIROS」のように「ヘリコプター」というこれまで一般化されていない移動手段の汎用・一般化を指します。「次世代の経済圏を作る」と意味では、極端な話リニアモーターカーやスペースシャトルも当てはまると思っています。移動手段が増えるということは、利用ユーザーの経済圏が拡大することです。これらの移動手段は利用ユーザーの経済圏の拡大が見込めるからです。

  人類の移動手段は馬・船・電車・自動車・飛行機と種類が増えてきましたが、それにしたがって人類の経済圏は広がり相互に影響を与えるようになってきました。それは残念ながら格差問題の発生など正の影響ばかりではありませんが、食糧の供給や文化・科学の発展など大きな利便性を伴うものでした。

  「ヘリコプターで移動する」というのは桃鉄のぶっとびカードぐらいでしか体験がありませんが、まさかヘリで移動できる日が来るとは思いませんでした。

  まだ気軽に利用できる金額ではありませんが、数人で箱根に行く(特に高齢者と)というレベルであれば検討できるレベルでは?と思いました。今後利用者が増えて整備されていけば、新幹線ほどではないにせよ、一般化される未来はありうるでしょう。というか、そうなって欲しいです。新しい移動手段ができるというのは夢があります。

社会問題の解決と未来創造がパックになっているMaaS

  子供の頃、車・電車・新幹線に乗って移動するのが大好きでした。どこかに不思議な方法で瞬時に移動する、というのは冒険心をくすぐるものです。ヘリコプターで移動するというのはなかなかに夢がありますし、こんな形で時代が桃鉄に追いついてくるとは思いませんでした。

  利用ユーザーの経済圏が拡大すること。移動を最適化することで、その先の衣食住などが広がっていくこと。これは、今の社会問題の解決と未来の創造に他なりません。人々の活動には、移動が必要です。

  MaaSの魅力は、社会問題の解決と未来の創造がワンパックになっていること。

  イベントに参加した感想は、こんなところです。大変刺激になるイベントでした。参加してよかった。


  なお、次回のmeetALIVEは、10/23(水) デザイン思考に関するイベントだそうです。デザイン思考は以前に本を読んだのですが、結構忘れているので、復習も兼ねて参加したいなあ。

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  会場にあったmeetALIVEの名前を冠した日本酒。
  仕事の都合で結局飲めずじまいだったのが残念。次回までに残っていますように。

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