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【Aqours5thライブ感想】たどり着いた「Aqours流」、5thで魅せた「究極のソリッドさ」が目指す彼女達なりのラブライブ!

「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 5th LoveLive! ~Next SPARKLING!!~ 」、いわゆるAqours5thライブの2日目に現地参戦してきました。

今回、自分が注目して観たいなぁと思っていたのは2点。

「4thで示されたAqours流の継続性」と「ファイナルライブではない映画シナリオ準拠ライブの在り方」です。

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一つ目は4thからの継続性。

昨年東京ドームで行われた4thライブは個人的にはとても好きなライブです。

Aqoursの「具体的でわかりやすいアプローチ」の一つの究極形とも言える『生演奏』に始まり、幕間やトークをコンパクトにしてシンプルに「Aqoursの良い曲」を見せ続ける圧縮型の構成。そして中間のトークをコンパクトにした結果として最後に「意味」を炸裂させることができる構成になったキャストの感想と最後のあの時間。

Aqoursがラブライブ!を冠してから色んな面で「これまでのラブライブ!」、単純に言ってしまえばμ'sで体験したあれこれとの対比や違いが語られてきたわけですが、個人的には上記のような4thスタイルが「Aqoursとしてのラブライブ!」の原型なのではと感じます。

そんな「Aqours流」が今回どうなるのか?というのは一つ目の注目点でした。

映画の「あのシナリオ」と寄り添う必要がある5thですから4thとはまた違う背景があるわけで楽しみではあれど読めない、そんな事前予想でした。

しかし蓋を開けてみると4thをさらに正統進化させたようなライブだったと言えます。

トークは基本的には最初と最後とSaint Snow登場時に限定。徹底してステージを観せ続けることに特化させたスタイルは、余計なものを省いたソリッドな魅力が感じられました。

Aqoursの良さである「シンプルでわかりやすいボールの投げ方」を追求した結果、今回のようなスタイルにたどり着いたような気がして時間はかかったけどAqours流ラブライブ!が一つ完成したのかなと感じました。

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このスタイルを完遂したAqoursからもう一つ感じたのが「自信」でした。

特に序盤のSky journey や Daydream Warrior からは今まであまり個人的には感じることがなかった「力の抜けた感じ」というか、動きの一つ一つにほんの少しだけ遊びがあるというか、そういったものがありました。

世界中でのステージや、ファンミなどでの「量的経験値」がおそらくかなりの安心材料を与えているんだろうなと勝手に思ったりもしました。

それくらい今回のSky journey と Daydream Warrior は良かったです。

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閑話休題

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二つ目の注目点は「ファイナルライブではない形での、映画シナリオ準拠ライブの在り方」です。

これは前にこの記事でも触れたのですがとにかく気になっていた部分でした。

かつてμ'sが映画曲を披露したのはファイナルライブでした。結果としてそのライブのコンテキストは当然「ファイナルライブ」になりますので「あの映画シナリオの個別消化」は実際問題まだ果たされてないという見方もあります。

しかし今回のAqoursはダイレクトに「あのシナリオ」をやりきることになります。

映画については私はこんな感想を当時感じていて、「サンシャイン‼︎をまとめ上げる」機能とともに「AqoursによるAqoursの終わりの表現=Aqoursは終わらないことで終わる」を描いたと感じています。

μ'sのように「ファイナルライブ」であれば、そこに寄り添いながらここら辺の複雑な感情を表現できたかもしれませんがAqoursはそうはいかない。いったいどんな感じになるんだろう?と思っていたのですが結果、ここもシンプルでした。

ブラメロが終わり最後の挨拶を終えてアンコール前ラスト曲を披露、そしてそのまま一旦舞台裏へはけます。凄かったのはここからでした。

アンコールパートはユニット曲を1曲ずつ披露した後、映画のクライマックスシーン投影からそのままNext SPARKLING !!に持っていきそのままAqoursはステージを去りました。スクリーンには浜辺のシーンで終わり。

結局Aqoursはシンプルにやり切り、何も語らなかった。あの映画をやりきることに終始した結果こういう形になったんだと思うのですが正直、面食らったというかいい意味で驚きました。

冷静に考えればあそこで何かしら話すことは蛇足なのですがそれでも何かあるのではと思わせて、結果何も無い。ついでに今回はなんと今後の告知もない。

この潔さというかシンプルさこそAqoursという感じで「なるほどこのパターンがあったか」と感心すらしてしまいました。

結局、映画で描いたことはそれ以上でもそれ以下でもなく、彼女たちがステージで歌って踊ることが全てであるという強烈なハイコンテクストだったのかもしれません。

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これまでAqoursはトークをはじめとした各種行動が、受け手に行間を読ませるようなスタイルではないことから「ローコンテクスト」スタイルだと私は思ってきました。(参照

しかしここにきて、それを徹底的に洗練させたことで「わかりやすい行間」を一切排除し、「語らないことこそが行間になる」というハイコンテクストなスタイル、まさにAqours流の空中戦に到達したのかなと感じました。

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4thの文脈を活かし、映画のシナリオをシンプルにやりきることでたどり着いた「Aqours流」にあふれた5thライブ。

キャストが「Aqoursは四年になる」とコメントしたように、この四年の長い歳月が一つのスタイルを確立させたのかもしれません。

しかし、同時に「次の告知がない」世界線に突入したAqours。

この「映画のシナリオ」とリンクしているのかしていないのか極めて不安定と言える現状、そしてこの事象はこれからファンを少しの間、悩ませるのではとも思います。

でもなんとなく私はAqoursはそんな局面も彼女たち流に「シンプルに」やっていくんだろうなと思います。

淡々と多くを語らず表現する、そんなソリッドなスタイルで「最後まで」やり遂げてもらいたいと今日私は感じました。

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