人間は誰しも「認められたい」と思っている

「そんなんじゃダメだ」

「そんなのやって当たり前だ」

「何ちんたらやってんだ」

こんな罵声が聞こえる職場も珍しくはない。本来良くないのだが、これが現状だろう。

しかし人間という生き物は誰しもが認められたいという承認欲求を持っている。この承認欲求が満たされないから職場全体の業務効率が下がっているケースもある。どういうことなのか見ていこう。

自分が取った行動や仕事、何一つ認められないと人間やさぐれる

色々な仕事があって、どれをやっても叱られてばかり、完璧にこなしたとしても「当たり前だ!」と怒られる。

こうしたことが続くと人間はどんどんやさぐれてくる。「どうせオレなんて・・・」という思考である。とにかくやることなすこと全てが誰からも認められないという状態になっている。

こういう人間は元々「デキないヤツ」というカテゴリに分類された部下に多く見られるのだが、一度そうなると周囲の評価はいつまでも低いまま。どれだけできるようになってきても意見さえ通らなくなるものだ。

人間というものは「承認欲求」が満たされたい生き物なのである。いわばみんなから認められたい。という願望を持っている。それを全く認められない生活が続けばどんどんやさぐれてくる。モチベーションも何もかもがなくなってしまう。

染み付いた負け犬根性はもとに戻らない

結局このように認められない状態が続くと、環境と人を恨むようになる。「自分が悪かったんだから、もっとがんばろう」と殊勝な考え方ができる人間に出会ったことはない。

周囲が認めなかったために、「どうせオレは何をしてもムダだ」という思考が完全に染み付いてしまう。

こうなると環境が変わっても、人が変わり、自分が先輩という立場にたったとしても、負け犬根性は全く治らない。

それはなぜか。なぜならデキないやつとレッテルを貼られ、何をしても認められなかった人間は、今後何をしても周りから「認められない」という事実を肌で感じてしまっているからだ。

だからこそ、部下育成で大切なのはこうなる前に「認めてやること」なのである。

「叩いて伸ばす」はもうすでに過去のもの

教育や部下指導の際、叱るのはみんなの前、褒めるのはせいぜい人づてに、という旧態依然とした人間がもしかしたらいるかもしれない。そしていつも厳しく接して、本人が悔しさをバネに伸びてきてくれるのを期待する・・・。

こんなものは夢物語だ。

人間という生きものは認められたい、そして褒められたい。だから全員が「褒めて伸びるタイプ」の人間なのだ。

古い考え方はそうであったかもしれないが、教育の方法や考え方、指導法というものは絶えずバージョンアップして、現代に即した進化を遂げている。現代に即した進化を遂げていないのは、古い考え方の上司の特徴の1つといえるだろう。

もしこれを読んだ上司に当たる立場の人間が「褒めて伸ばす?そんなものは甘えだ!オレのときは・・・!」と息巻いている人がいれば時代に取り残された古い上司だ。

くれぐれも会社の部下から被害者を出さないように気をつけていただきたい。

結果が伴わなくてもまずは認めてやる

仕事や社会において、がんばったから失敗しても許される、という甘っちょろいものではない。

がんばろうとがんばらなくとも「結果が全て」なのである。しかしそこを叱って怒って叩くのではなく、まずは認めてやるのだ。

トライしたこと、リーダーシップを取って進めたこと、なんだっていい。お前はよく頑張った。おれはちゃんと見てたぞ。と声をかけてやって欲しい。

しかし会社では進めていた事業が失敗しているわけだから、このままだと非常にマズイ。

そこで一度認めてやった後、失敗した要因と改善に向けて何をすべきか、を考えさせてやろう。

「お前はよく頑張った。みんなをまとめて率先して進めてくれたな、ありがとう。でも結果はついてこなかったな。何が原因で、それを成功させるには何をしなければならないと考えている?」

これだけ声がかけられれば及第点だろう。そして再トライが許されるならば、改善の計画や期限をチェックしてやって欲しい。

結果が伴わなくても、まずはプロセスだけでも認めてやり、さらに次へつなげられるように促してあげよう。

これだけで部下は承認欲求が満たされる。そしてどんどん成功を渇望するようになるはずだ。絶対にやってはいけないのが、仕事を取り上げてしまう、事細かにいちいち監視を厳しくして指示を出す、などの行動は「どうせオレなんか」と考える部下を出すだけだ。

大切なことだからもう一度言う。人間は誰しもが認められたいと願っている。まずは一度認めてやって欲しい。叱る、改善を促す、業務から外すなど、最終的な道はいくつかあれど、それは「何か1つ認めてやってから」でも遅くはないはずだ。

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とや@人財育成コンサルタント

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「デキる先輩・上司」になるにはこれをしろ!

デキない先輩/上司に囲まれて地獄を見た新人時代。そして今は中間管理職として当時を教訓にして職場環境の改善と育成に奔走している。上と下、それぞれから見た景色から、仕事とはどうあるべきか、仕事はどうすすめるべきか、を綴るマガジン。
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