絓秀実『1968年』超難解章“精読”読書会(2017.4.9)もくじ

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 絓秀実氏の一連の“68年”論の中でも、その嚆矢とも云えよう『革命的な、あまりに革命的な』(03年・ちくま学芸文庫)と並んで代表的な『1968年』(06年・ちくま新書)の“精読”読書会(の一部)のテープ起こしである。
 本文冒頭にあるように、2017年2月から4月まで、断続的に4回にわたっておこなわれ、ここに公開するのはその最終回で、2017年4月9日の読書会のテープ起こしで、紙版『人民の敵』第31号に掲載された。難解きわまりない『1968年』の中でも最も難解だと思われる最終2章すなわち「第四章」と「第五章」をまさに“精読”している。
 云うまでもなく、これまでに公開してきた昨今の“軟弱ヘナチョコ知識人”の愚劣な著作を対象とした「“検閲”読書会」シリーズ(詳細は本文冒頭参照)とは別枠で、ひたすら謙虚に取り組んでいる。
 もっとも、「“検閲”読書会」シリーズと同様、一番“正しい読み方”は、テキスト(今回なら絓氏の『1968年』)の現物をまず入手し、文中に「第何章第何節・黙読タイム」とあったら自身もまずその部分を読んで、読み終わってからこの読書会実況中継を読み進む、というものである。自分も読書会に参加しているような臨場感を味わえるし、何よりその方が勉強になる。
 いやー、はっきり云って、難解きわまりない絓氏の『1968年』を少しでも“ちゃんと”理解したい人は、この読書会レポートを読む以外に方法がないと思う。

 その1(原稿用紙換算15枚・冒頭7枚分無料)
 “新書”にあるまじき難解な本
 “検閲”読書会シリーズについて
 読書会参加者紹介
 “正史”と“偽史”
 華青闘告発以来の“偽史”運動

 その2(原稿用紙換算18枚・冒頭7枚分無料)
 “実践”を伴わないことを正当化するアカデミズム
 平田篤胤が“キリスト教までをも取り込んで”?
 “ポストコロニアル理性批判”としての“偽史運動”
 いわゆるポスコロ、カルスタについて
 『古事記』を重視する姿勢が“偽史”の跋扈を招く

 その3(原稿用紙換算16枚・冒頭6枚分無料)
 なぜここまでネチネチと吉本批判を……?
 中野重治の“転向”と宮本顕治の“非転向”との“密通”
 “党”なしには“偽史”しか創出しえない
 “大衆と共にある”ことを拒否すべき状況

 その4(原稿用紙換算22枚・冒頭7枚分無料)
 引用されてる和歌の意味が分からん(笑)
 「おれもヘラスの鶯として死ねる」とは?
 “弁証法”から“イロニー”への“転向”
 吉本「転向論」批判のモチベーション
 “前衛党”が再建されなければならないのだが……
 “転向”は“日本特殊”の現象ではない
 “唯一の前衛党”が公認する“正史”だけが“本当の正史”

 その5(原稿用紙換算16枚・冒頭6枚分無料)
 “前衛党”を黙らせたマイノリティ運動
 資本主義への批判力を失うフェミニズム
 “60年”と“68年”との間にある断絶
 “本気で革命をやる気がある”ことを“内ゲバ”で証明
 “68年”内部のジェネレーション・ギャップ

 その6(原稿用紙換算14枚・冒頭5枚分無料)
 “目的”を見失うのがポストモダン的な主体
 連合赤軍の“同志粛清”へのトンチンカンな反応
 『1968年』末尾の難解な、あまりに難解な一文
 “ファシスト党”と“×××”、どっちを選びますか?

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