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『凡人が天才に勝つ方法』無料公開中!ルール④「根拠のない自信」を 行動力につなげる

「モーニング娘。」を世に生み出したプロデューサー、そして稀代のヒットメーカーであるつんく♂さんの”頭の中”全部わかる『凡人が天才に勝つ方法』。「時代を超えて愛されるヒット」の作り方から、全ビジネスパーソンに今最も必要な「プロデュース力」の磨き方まで、この一冊で学ことができます。本書で紹介されている「普通の人が”小さな才能”を見つけ劇的に伸ばす45のルール」のうち、序章から5つを公開します。
今回は、「凡人が天才に勝つためのステップ④」を公開。前回はこちら

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ルール4 「根拠のない自信」を 行動力につなげる

凡人が天才に勝つためには、「行動」あるのみ


では、凡人が「その他大勢の凡人軍団」をごぼう抜きするには、どうすればいいのでしょうか。
僕が大事だと思うのは「根拠なき自信」です。
少し前に「自分は天才だ」と思い込んで失敗した僕自身の例を紹介しました。
だからといって、「自分は凡人だから何もできない」と考えてはいけません
時には凡人なりの「思い込み」が必要なのです。

✓ どんなにツッパっても、 ファンは少ないし、技術もなかった

アマチュア時代の僕らは、「自分たちはほかと違う、俺たちには才能がある」と思い込 んでいました。何の根拠もなく、です。
その結果、「俺らの才能を見抜けない人ばかりだな」と愚痴ったり、「すごいプロ デューサーがいきなり現れて『お前には才能がある。東京に来い!』みたいなことが起こる!」とアホな妄想をしたりしていました。
実際は、楽器やバンド練習もそこそこの、どこにでもいるような「凡バンドマン」だったんです。
いま思えば、そんなヤツらが突然売れるわけがありません。
僕らがどんなにツッパっても、全国的に見ればファンも少ないし、技術もない。ライブハウスにも、テクニックあり系のバンドマンにも、見下されていました。

✓ 「動員力を上げること」を最優先しようと決めた ─ 「一発逆転」を空想しない

「どうすれば、この状況を打破できるのか」
大阪でのアマチュア時代に僕らが考え抜いてたどり着いた答えは、「バンド活動は結局、ビジネスだよね」ということ。
「僕らレベルのバンドでも、ファンがたくさんいて、ライブハウスの動員力があれば、誰も文句は言わんだろう!」と開き直ったんです。
そこからはとにかく「動員力を上げること」を最優先しようと決めました。「大阪のアマチュア界でいちばんの動員力を目指すこと」を目標にしました。 そして「動員力が大阪でいちばんになるまで、コンテストやオーディションは受けないことにしよう」と決めたんです。
そうしないと、どこかで「一発逆転」を考えて努力しなくなるからです。
「人気がなくても、コンテストで上位に入ってレコード会社から声がかかって即デビュー!」みたいな、甘いことを夢見てしまうからです。

✓「凡バンドマン」が「大阪一の動員力」を 目指すためにした努力

そこで実行したのが、次のようなことです。

どこにでもいるようなバンドがやった「売れるため」の努力
①バンドの宣伝チラシを自分たちでデザインして配りまくる(いまで言う「SNSでの告知」)
②曲だけでなく「人となり」をわかってもらうために、ラジオのような「トーク」も録音したカセットテープも無料配布する(いまで言う「YouTubeチャンネル」)
③チラシやテープを配るときは、「声かけ」をして興味をもってもらう(数メートル先で捨てられないように)

このように、天才が絶対にやらないようなことを地道にやるしかありませんでした。

「③声かけ」について補足すると、チラシを配る場所と相手を選ぶことで、結果が変わることに気づいたんです。
当時の僕らは、毎月1万枚のチラシを刷っていました。
ちゃんとした町の印刷屋さんに依頼していたので、毎月数万円の費用がかかります。
貧乏学生だった僕らにとっては死活問題でした。
チラシを配るなら、大阪なら梅田や難波、天王寺といった、人が多く、ターゲット層である女子中高生たちがうじゃうじゃいる繁華街が王道でしょう。
ただやってみると、チラシを受け取ってもらえても、ライブの動員にまったくつながらなかったんです。
感覚的に、1000枚配っても次のライブ動員につながるのは0.1%程度。いや もっと低いでしょう。ひとりでも来てくれたら御の字でした。
つまり、たんに人通りの多い繁華街でチラシを配りまくっても、実際のファンにはなってもらえなかった。直接動員にはつながらなかったというわけです。
音楽に興味がない人にいくらチラシを配っても、効果はゼロに等しいということを知ったのです。

✓「何をすればいいのか」を必死で考え、 試行錯誤した結果……

効果があったのは、ライブ会場や楽屋の入り口付近に集まる、ほかのバンド目当ての ファンたちへの「声かけ」です。
つまり、どうせ声をかけるなら「音楽、とくにバンドのライブに興味がある人」にしようと的を絞ったのです。
無差別に1万人にチラシを撒くよりも、音楽に興味のある人が集まるライブハウスの前で100人にチラシを配ったほうが、リターンが多くあることに気づいたわけです。
100枚配って1〜3人くらいですが、はっきりとした手応えを感じました。
そして、ライブ会場まわりの「声かけ」を含めたチラシ配りにシフトチェンジしたところ、だんだんライブの動員数も増えていきました。
「凡バンドマン」なりに、「何をすればいいのか」を必死で考え、試行錯誤した結果、 効率よく結果につながる方法にたどり着いたのです。

マル秘エピソード
ライブ動員のための声かけは、ぶっちゃけ大変だった

この「声かけ」。慣れているような顔をして「バンドやっています」「ラ イブに来てね〜」「テープ配ってま〜す」などと話しかけるのですが、いつ も胃がキリキリしていました。
いきなり声をかけるので、当然「うるさい」「キモい」「話しかけるな」 とか言われます。
なんとか会話ができたとしても「兄ちゃんら、全然カッコよくないやん」 「なんか衣装ダサ」「私の好きなジャンルちゃうわ」「キモいから消えて〜」なんて、ど直球な言葉を受けることもしょっちゅうで、正直キツかった〜。 それでもへこたれず、ガンガン声をかけながらチラシを配りまくりました。繁華街でチラシを配るより、はっきりとした反応を感じられたからで
す。

「天才」や「テクニックのあるバンドマンたち」には到底敵わなかった僕らが重要視したのは、「いつかこの才能を見出してもらえるだろう」と受け身の夢をもつよりも、目の前の課題(このときでいえば、動員力をつけること)に真っ直ぐ取り組むことだったのです。

✓実績を積み上げると、「根拠のない自信」が 「本当の自信」になっていく

でも、自信がなければ、チラシを配りつづけたり、いきなり声をかけたりするなんてできませんよね。
僕らも「俺たち、ほんまはすごいんやで!」という自信があったからできたんです。
課題に取り組むための行動力を生むには、「根拠のない自信」がとても大事なんです。
そしてこのとき、実績(動員数など)を積み上げていくことが「本当の自信」となっていくことを知りました。

こうして動員力をつけた僕らは、大阪のアマチュア界において、知名度も上がり、ライブハウスからも一目置かれる存在になりました。
きっと、演奏の実力でいえば僕らと同じくらい、いや、それ以上のバンドはいくらでもいたでしょう。
彼らが僕らと同じことをしていたら......。きっと当時の僕らくらいのポジションにはさっさと上れていたのではないかとも言えます。
行動すれば、チャンスは誰にでもあるのです。

\Point/
・先(プロとしての成功)に進みたいのであれば、他人が「面倒だなぁ〜」と思うことをグイグイ進める
・「受け身の夢」をもつよりも、「目の前の課題」に真っ直ぐ取り組む
・「根拠のない自信」も、「些細な実績」を積み上げることによって、「本当の自信」に進化していく
・行動すれば、チャンスは誰にでもある!

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