デザインのレッスン14-「谷川俊太郎さんの詩を声に出して読み、印象を文字で組んでもらいました。」
朝のリレー
カムチャッカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝返りをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウィンクする
この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている
ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交代で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかり受けとめた証拠なのだ
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この詩を知っていますか。
谷川俊太郎さんの「朝のリレー」という詩です。
僕はテレビコマーシャルで朗読されていて知りました。
とてもいい詩です。
心にすっと入ってきたことを覚えています。
この詩を学生に朗読してもらいました。
詩を読んで、感じて、印象を組んでもらいました。
どんな書体を選ぶ?
文字の大きさは?
たて組よこ組?
字間行間のあきは?
文字色は?
学生作品は手元にないので、思い出しながら組んでみました。
作例1
作例2
作例3
作例4
作例5
詩を読んで組むのと、読まないで組むのとは何がちがうんでしょう。
学生に聞くと、「詩が体に入ってくる」「詩の響きが耳に残る」
といった返事がありました。
それを「しっくりくる文字で組む」ということなのかもしれません。
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