二本木駅 スイッチバックがある駅

2023.12.29

新潟県妙高市にあるえちごトキめき鉄道の二本木駅にやって来たのもこの駅にはスイッチバックがある駅で、新潟県唯一のスイッチバックでもある。


全国的にみてもスイッチバック方式を採用する駅は日本に10箇所しかありません。


この二本木駅は、元はJR東日本の信越本線の駅でしたが、2015年3月に北陸新幹線・長野駅 –金沢駅間延伸開業に際し、並行在来線として経営分離され、えちごトキめき鉄道へ移管されていた。


ところでスイッチバックとは、険しい斜面を登坂・降坂するため、ある方向から概ね反対方向へと鋭角的に進行方向を転換するジグザグに敷かれた道路又は鉄道線路ことで、二本木駅付近は線路の勾配がきついため、その途中で列車を停止させたり発進させたりするのが困難でした。


そこで、勾配を緩くした引き込み線を設け、そこに駅のホームを設置。


列車は引き込み線に出入りするため、前進、後退するのです。いまでは車両の性能が向上し、勾配がある場所でも列車を停止、発進できるケースが増えたため、スイッチバックを採用した駅が減少していった。


駅は、1911年の開業時にスイッチバックが採用されていて、昭和1960年代に入り蒸気機関車から電車化が進むと、馬力が向上しスイッチバック方式である必要性はなくなりましたが、日本曹達株式会社構内への専用線が設けられていた関係から残され、現在に至るまでその構造が維持されていた。


二本木駅は、新潟県内では唯一のスイッチバック駅になりました。駅舎は明治43年に建築され、2019年3月に駅舎や倉庫など駅構内にある施設7件が、国の登録有形文化財として登録され、駅構内にある登録有形文化財の数としては、全国で2番目に多いそうです。


今回は列車には乗っていないが、乗っているとこんな感じらしい。まもなく二本木駅に到着する前に木造の雪囲い庫に覆われた引き込み線に入って停車し、逆向きに走り出します。バックしながら進む先に駅ホームで停車しドアが開きます。



ホームに降りると、まず目に入ったのが待合室で1935(昭和10)年に建築されたものであったが、全くそんな雰囲気は無かった。


実はこれも登録有形文化財の建造物であった。


続いて駅舎につながる地下通路も登録有形文化財であった。


1941年から1942年・戦前に地方の駅で作られたいること自体が貴重な施設であった。


駅舎は、2018年に行われた補修工事で、かつての姿が一部復元されていた。


二本木駅の各種施設が登録有形文化財になったのは、2019年3月のことで、「豪雪地帯に特化した独特な鉄道駅の景観」を形成しているとして登録されていた。



現在の二本木駅沿線は少子高齢化が進む典型的な過疎地帯であり、厳しい経営状況が続き、2019年3月限りで駅窓口での乗車券や定期券の販売を終了し、駅舎の清掃、観光案内などの業務は、地元の非営利団体が委託されていた。また駅舎の中には「喫茶なかごうさとまるーむ」があり、毎日10:00〜16:00まで営業していたが、訪れた時間帯は閉店作業中であった。


ちょうど16:17妙高高原行きの列車がやって来たと思ったら、16:19直江津行列車も滑り込んできたが、スイッチバックのポイントまではここから距離があり見届けることは出来なかったのが悔しい。


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