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武蔵野ステークス 2020【予想】

武蔵野ステークス 過去

JRA最大の広さを誇る東京コースでのワンターンのマイル戦。スタートしてからの2Fが下り坂であることからペースは流れやすく、前傾ラップがほとんどだけに全体時計も速くなりやすい傾向。

実際に勝ち時計はタガノトネールのコースレコード1分33秒8を含めてほとんどの年で1分35秒を切る速い決着。直線も長い府中だけに1400mでも通用するスピードを最後まで維持するだけのスタミナも必要で、上がり最速馬は過去5年で【3.0.2.1】。

東京実績に高速決着への適性、または1400m実績、上がりの脚に期待できる馬を中心に考えたい。

①フィードバック(⋯)

オープン入りまで【4.1.0.1】とほぼノンストップで駆け上がり、昇級初戦の名古屋大賞典でもロードゴラッソの0秒6差④着に健闘。

前走のラジオ日本賞は休み明けもあってかスタートでアオって後方からの競馬。最内枠で砂を被る形になってしまったことで戦意喪失しての大敗だけに度外視することも出来るが、東京コースは2勝クラスで出遅れながらもメンバー2位の上がりで追い込んだ④着があるものの、2100m戦でのこと。

デビュー戦以来となる1600mの距離での変わり身となると最内枠で砂を被るリスクも含めてどうか。

②モズアスコット(▲)

今年のGⅠフェブラリーステークス優勝馬。これが安田記念との芝ダート両GⅠ制覇の偉業達成でもあったスピードタイプ。前走の南部杯でも1分32秒台という日本レコード決着の中で②着を確保しており、ダート戦で崩れたのは初めての地方競馬の深い砂で脚を取られたことや4つのコーナーが影響したかしわ記念のみ。

初めて背負う59kgはGⅠ安田記念や根岸ステークスを58kgで勝っているだけに問題ないかも知れず、今年のフェブラリーステークスでの⑥サンライズノヴァらを相手に2馬身半差をつけての完勝から地力の違いを見せる可能性は低くはないと思うが、日本レコードを走った前走の疲労、前走から継続騎乗となる横山武騎手の持ち味である強気な騎乗が裏目に出る可能性等、懸念される点も少なくない。

③ロードグラディオ(⋯)

2~3歳時は芝で2勝を挙げ、重賞のアーリントンカップでも0秒2差の⑦着に健闘はしたが、NHKマイルカップでのシンガリ負けを期にダート路線に転向。

不良の高速馬場だった3走前の大沼ステークスでの0秒3差の④着がオープン入り後、最も勝ち馬まで迫ったレースでスピードタイプ。
多くの好走馬を輩出している前走グリーンチャンネルカップ組の再先着馬ではあるが、同舞台で行われたリステッド競走オアシスステークスでは0秒5差⑥着。
このメンバーではさすがに厳しいと見る。

④ケンシンコウ(⋯)

11番人気ながらメンバー3位タイの上がりで追い込んだ前々走のユニコーンステークスは展開の恩恵もあったように思うし、好スタートに加えて馬が行く気を見せたことで一転して逃げの手に出た前走のレパードステークスは先行有利の新潟1800m。

GⅢを勝っているため、ユニコーンステークスで0秒3先着された同級生デュードヴァンより1kg重い56kg。1800mの前走で行きたがったことを考えれば1600mの距離で古馬初挑戦はいい選択に映るものの、5番人気を考えると今回は様子見とする。

⑤スマートダンディー(△)

東京コースでの成績はパッと見では今ひとつだが、中8週以内に限れば【1.1.2.0】の好成績。
前走のグリーンチャンネルカップも約3か月ぶりの休み明けで59kg、直線で前が詰まる不利もあった。

叩いた次走では【2.1.1.1】としており、前走から3kg減の56kgで14番人気なら穴で考えておきたい。

⑥サンライズノヴァ(○)

今年のフェブラリーステークス③着馬で一昨年の本レース優勝馬。連覇を狙った前走の南部杯は日本レコードで決着する前が止まらない馬場もあって④着に敗れたが、着差は僅か0秒4差。

昨年の本レースは1000m通過58秒6のハイペースの中で0秒6差の⑤着。1~4着馬の4角通過順位が⑨⑧⑫⑥という差し決着の中、59kgを背負っての2番手追走だったことを考えれば強い内容だった。

59kgでも前々走のプロキオンステークスで背負って勝っているが、今年は昨年より1kg軽い58kgでの出走でベストといえる左回りのマイル戦。
今年はGⅠ3戦を含めた4戦すべてで上がり1〜2位の末脚を記録しており、 好走条件は揃っている。

⑦エアスピネル(△)

1年ぶりの長期休養明けながらメンバー3位の上がりで②着に好走した前々走のプロキオンステークス。
7歳にして初ダートだったが、昨年のエルムステークスにも登録(回避)していたように笹田調教師は「芝の重馬場でも走るし、ダートは合うと思っていた」と試してみる意向は前からあった。

かつては芝GⅠマイルチャンピオンシップでも②着した実力馬であり、稍重で脚抜きのいい高速ダートだったプロキオンステークスの好走からもスピードタイプ。前走のエルムステークスは乾いたダートで1700mの距離では、上位3頭が1800m以上で活躍している馬だったようにスタミナが問われたレース。初めて経験するキックバックも少なくない影響があったはず。

スピード勝負の東京1600m替わりはプラスであり、3kgの斤量差があったとはいえ、プロキオンステークスでは⑥サンライズノヴァと0秒3差。
前走の敗戦と三浦騎手への乗り替わりで再び人気を落としている今回は穴で期待してみたい。

⑧ワンダーリーデル(◎)

昨年のこのレースを勝って以降は着外が7戦続いているが、ほとんどが後方決め打ち騎乗による追い込んで届かずの競馬。
その中には今年のGⅠフェブラリーステークスでの0秒6差の④着も含まれており、前走の南部杯にしても日本レコード決着となる前が止まらない馬場の中、次位サンライズノヴァより0秒8も速い34秒2という芝並みの最速上がりで追い込んでいる。

これまで挙げた7勝すべてが中4週以内のローテーションで叩き2走目は【5.0.1.1】。
今回も後方決め打ちの展開頼みにはなるだろうし、メンバーも昨年より揃っているが、⑥サンライズノヴァには今年だけでも2度先着を許しているものの、前走の南部杯では1馬身差でフェブラリーステークスではハナ差。別定戦で1kgの差があればチャンスはある。3歳馬に人気が流れて7番人気は妙味もありだろう。

⑨メイショウワザシ(⋯)

今年は総武ステークスで逃げ切って初のオープン勝ちを飾り、前々走の阿蘇ステークスでは後続が一気に動き出して早めに進出しなければならない難しい展開ながらも②着に好走し、控える競馬でも結果を残した。

前走のGⅢシリウスステークスでも0秒6差の⑤着と、重賞でも走れるメドも立ってはいるが、スピードが要求される初めての1600mとなると厳しいだろう。

⑩エメラルファイト(⋯)

昨年のスプリングステークス勝ち以降は9戦して着外続き。自分からやめてしまう気性の問題で3走前のメイステークスではブリンカー効果で掲示板確保の⑤着に健闘したが、近2走は再び二桁着順。

今回は目先を変えて初ダートに挑むが、父は2001年に衝撃の初ダート勝ちを見せたクロフネとはいえ、今回は相手もGⅠ級。変わり身を見せたとしても好走となるとさすがに難しいだろう。

⑪タイムフライヤー(☆)

前々走のマリーンステークスではこれまで実績のなかった中9週以上の休み明け【0.0.0.6】ながら3馬身差の完勝で、2017年のホープフルステークス以来となる約2年7か月ぶりの勝利。

また、これまでダート戦では1000m通過が60秒を切るレースで好走、超えるレースで凡走としていたが、前走のエルムステークスでは1000m通過61秒1のペースにもしっかり折り合って2馬身差の完勝。

母の全兄がタイムパラドックスと成長力がありそうでデビュー時の456kgから490kgまで30kg以上増えた馬体に、低迷期を乗り越えての連勝はまさにハーツクライ産駒の覚醒を思わせるもの。

東京コースも昨年の本レースで②着に好走しており、前2頭が競る厳しいペースを3番手先行から⑤着に粘ったGⅠフェブラリーステークス、もともとタイトな流れの方が力を発揮できるタイプだけに条件に不足なし。

ラストイヤーとなる松田国調教師としては残されたGⅠ獲りのチャンスはあと僅か。次のチャンピオンズカップを考えれば7〜8分のデキには仕上げているはずではあるが、あくまで叩き台だけにここは取りこぼす可能性に賭けてみたい。

⑫ソリストサンダー(⋯)

昨年の年明けに復帰後はワンターン1200m~1400m【1.1.1.8】と苦しんでいたが、今夏よりコーナー4つの小回り1700mに矛先を変えて以降は【2.0.2.1】。
オープン入り後の初戦となった前走の福島民友カップでも0秒5差の③着に好走してみせた。

今回は6走ぶりにワンターンの競馬になるが、距離は1600m。東京のマイル戦では2歳秋のプラタナス賞で後のGⅠ4勝馬ルヴァンスレーヴから0秒4差②着。
20戦中12戦で上がり3位以内と、意外と上がりの脚もしっかりしており、対応してくる可能性は低くないと見ているが、ここは相手が強く好走までは難しい。

⑬デュードヴァン(△)

ダートで連敗中だが、前々走のユニコーンステークスは4角での後方3番手から次位に0秒8差もつける1頭だけ抜けたメンバー最速の上がり35秒5で追い込んでの②着。前走のレパードステークスは急なコーナー4つの小回り新潟1800mでポジションを取りに行っての敗戦で0秒8差の④着。

今回は【3.1.0.0】としている東京1600mで「芝が走らないことはない」と加藤征調教師が話すようにスピードが活かせるコースは理想的。
ただ、世代エースとの呼び声もあるカフェファラオが勝ったシリウスステークスは翌日の3勝クラス・白川郷ステークスより1秒5劣る勝ち時計。

ユニコーンステークスで先着した4着サンダーブリッツや5着キタノオクトパスは2勝クラスをしっかり勝っているが、レパードステークスで先着を許した3着ブランクチェックは3勝クラスで②着。古馬の一線級が相手となると、勝ち切るまでは難しいと見る。

⑭バティスティーニ(⋯)

5年前にはGⅠホープフルステークスでも③着に好走したほどだったが、3勝クラスの壁を越え切れずに5走前よりダート路線に転向。
2戦目となる年明けの羅生門ステークスでようやくオープン入りを果たすが、昇級初戦のポラリスステークスではスマートダンディーの0秒7差④着。

芝時代も含めて東京コースは【0.0.0.4】としており、厳しいレースが予想される。

⑮レピアーウィット(⋯)

砂を被ると嫌気が差してやめてしまうことがある気難しい馬だったが、4走前のマーチステークスでは馬体も絞れて、ホライゾネットを着用した効果も発揮。
スタートでの出遅れはあったが、直線では外からメンバー最速タイの上がりで追い込んで③着。

続く栗東ステークスでは1分21秒9というスピードが要求された決着の中、地方交流重賞で3勝を挙げていたサクセスエナジーまで半馬身差の②着。

スタミナが要求される中山1800mの前走ラジオ日本賞では勝負処から早めに先頭に立つタフな展開を押し切っての勝利と内容の濃い競馬。

1番人気を背負った前々走の東京1600mアハルテケステークスで崩れたが、これはスタートで出遅れてリズムを崩したことが全ての⑪着で、過去3勝を挙げているように東京コースが合わないわけではない。

全兄が芝GⅠも勝ったアジアエクスプレスで、自身もデビューから3戦は芝を使われて②②④着だからスピードが要求されるレース向き。
ただ、このメンバーを相手に先行策からの押し切りは簡単ではないように思う。

⑯オメガレインボー(⋯)

今年の春から③①②①①着でオープン入り。
昇級初戦がこのGⅠ並みの豪華メンバーはさすがに厳しいが、同舞台だった前走の勝ち時計は1分34秒9。
この時計だけ走れば好走可能。

【結論】
本命 ⑧ワンダーリーデル

ヒモ荒れを期待して3連複流しを2通りと単勝。

軸  ⑧
相手 ②⑤⑥⑦⑪⑬

軸  ⑥
相手 ②⑤⑦⑧⑪⑬

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