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東京新聞杯 2021【予想】

東京新聞杯 過去

GⅠ安田記念と同じ東京1600mが舞台となるが、過去10年で同年の安田記念を制した東京新聞杯の勝ち馬は一昨年のインディチャンプのみ。
当時は1000m通過が過去10年で最も速い57秒2とペースが流れたことで、これも過去10年で唯一1分32秒を切る1分31秒9の高速決着。
その一昨年が例外で、スプリンター寄りの馬が高松宮記念を目標とした1200m路線を歩む時期的なことから道中のペースが緩みやすく、過去5年で後傾ラップが3回。昨年にしても離してモルフェオルフェが刻んだラップは前傾ラップでも、離れた2番手以降は後傾ラップであった。同じ東京1600mであってもGⅠ安田記念とはレースの性質がまるで違うといっていい。

それは血統的な傾向にも顕れていて、ディープインパクトをはじめとするクラシックに強い種牡馬を父に持つ馬の好走が目立つ。
先週日曜の3勝クラス(節分ステークス)が1分33秒3の勝ち時計、昨日の1勝クラスでは1分33秒0と好時計が出ているように、スローペースでも1分32秒前後の速い時計での決着を想定する。


①ダイワキャグニー(⋯)

2019年のダービー卿チャレンジトロフィー以来となるマイル戦になるが、3年前の4歳時に3着に好走した本レースの勝ち時計は1分34秒1。
速い上がりを要求される高速決着のマイル戦で7歳を迎えて斤量も58kgでは厳しそう。中2週も【0.0.0.4】

②サトノウィザード(○)

14戦4勝の成績だが、レース上がりが35秒を切るような瞬発力勝負では【4.2.0.3】、一方で35秒以上掛かったレースになると【0.2.1.2】。
キャリア14戦中、12戦でメンバー3位以内の上がりを記録している末脚自慢であり、絶好の馬場コンディションで行われる今の東京は持ち味のキレを活かせるベスト舞台だろう。

最後のGⅠ挑戦になりそうだったタイムフライヤーの無念のフェブラリーステークス断念となった、勇退が迫る師匠の松田国調教師に重賞勝利ならドラマチック。

③ロードマイウェイ(☆)

昨春の金鯱賞や大阪杯でもそうだったように、シンガリ負けを喫することもある馬だけに向正面で致命的な不利があった前走の京都金杯のシンガリ負けも度外視できるもの。
最速上がりで差し切った昨冬のチャレンジカップや前々走のキャピタルステークスでも上がり33秒台を記録しており、東京コースは【2.1.0.0】
10番人気まで急落したのであれば激走を期待したい。

④カテドラル(⋯)

デビューからの2連勝は7月~9月で、クビ差の2着に好走したアーリントンカップも、アドマイヤマーズから0秒1差の3着に好走したNHKマイルカップもいずれも暖かい時期だった。
昨年の京都金杯でも1番人気を裏切る17着に大敗しており、3歳時の京成杯も12頭立ての11着。
復活はまだ先になると見る。

⑤トライン(⋯)

連続好走が1度しかないことから考えると反動が出やすい体質なのだろう。前走のキャピタルステークスは約1年ぶりのレースだった3勝クラスを快勝したことによる反動があったと考えれば、0秒6差の6着は許容範囲内。しっかりリフレッシュして臨む今回は人気薄の横山典騎手も不気味であり、1分32秒6の持ち時計もあるだけに8番人気なら激走を期待。

⑥プロディガルサン(⋯)

2歳時は東京スポーツ杯2歳ステークス2着、3歳時はセントライト記念3着、明けて4歳になってからも本レースでの2着と重賞での好走もあったが、以降は自己条件でも勝ち切れない競馬が続き、オープン入り後まだ勝利は挙げられていない。

3着内好走も昨年5月の谷川岳ステークス2着より、12戦連続して着外が続いており、昨夏の関越ステークスで大逃げを打つなど刺激を与えているが、効果は見られず明け8歳。ここでの好走は難しいと見る。

⑦ショウナンライズ(⋯)

昨年のニューイヤーステークス5着を最後に、7戦連続での二桁着順。明け8歳馬に復活を望むのは酷か。

⑧ニシノデイジー(⋯)

もともと2000m以上の距離で【0.0.1.8】としていた中で先行勢に厳しかった昨春の目黒記念シンガリ負けは度外視できるが、続く前走の函館記念でも1秒7離された13着。
2歳時は重賞連勝を含む【3.1.1.0】とクラシック候補に挙がる程の活躍も、3歳以降は【0.0..0.9】と一度も3着以内の好走ない厳しい結果が続いている。

初のマイル戦に活路を見出したい一戦だが、成長力に疑問もあり、約6か月半ぶりの休み明けもどうか。

⑨サトノアーサー(⋯)

距離も長かった3歳時のダービーと菊花賞を除けば、3走前までは全て6着以内、0秒6差以内と堅実に走っていたが、ここ2走は0秒9差の9着、1秒差の12着と大きく崩れている。

好走のポイントとして、3歳以降ではレース上がりが35秒0以上での【3.3.2.4】に対して、レース上がりが
34秒9以下だと【0.2.2.4】。
重馬場では末脚が削がれてしまい、パンパンの良馬場ではキレ負けしまう難しい馬。

昨夏の関屋記念は1分33秒1の勝ち時計が示すように良発表ながら前夜からの雨の影響が残っている本馬にとっては最適な硬さ。その上、外差し傾向という最高の馬場状態を味方に約2年2か月ぶりの勝利を挙げた。

今回はレース上がりが35秒を切るような瞬発力戦を想定しているだけに厳しいと見る。

⑩カラテ(⋯)

未勝利の卒業までに8戦、1勝クラスでも勝ち上がるまでに9戦かかったが、1600m戦に矛先を変えた昨年6月以降は5戦3勝。

馬体も30kg近く増え、連勝を飾った前走の若潮ステークスでは3馬身差の完勝。勝ち時計の1分32秒9は前日のニューイヤーステークスより0秒3速く、かなり価値の高い勝利と見ている。

若手の菅原騎手とのコンビで一気に重賞制覇と行きたいところだが、いくら前走で持ち時計を大幅に更新したとはいえ、今回はさらに詰める必要があり、速い上がりも要求される。
5番人気とそれなりに人気しているだけに、今回は様子見として思い切って消す。

⑪シャドウディーヴァ(▲)

関西圏では【0.0.0.4】と輸送に弱い面があることから前走のエリザベス女王杯では栗東に滞在させての調整で臨んだが、2200mの距離での右回りのGⅠとなるとさすがに簡単ではなく、0秒7差の8着。

昨夏のクイーンステークスでは0秒2差の4着に健闘したように、内にササる面が以前に比べればマシになっている右回りは能力の違いで勝てた自己条件の上総ステークスを除けば【0.0.0.6】。

決して得意とはいえない道悪馬場の中、【1.5.1.3】の左回り巧者ぶりを発揮して好走した前々走の府中牝馬ステークスに3歳時のフローラステークス、昨年の本レースと重賞でも3度の2着がある左回りがベスト。

昨年は確かにインを果敢に突いた岩田康騎手の好騎乗によるアシストが大きかったことは確かで、高速馬場のマイル戦ならスローペースになって欲しいところ。

⑫トリプルエース(⋯)

3走前の2勝クラスが1分20秒5、前々走のサンタクロースハンデが1分32秒6と高速馬場に強さを見せての連勝。春から30kg近く馬体を増やしてのパワーアップは顕著で、勢いに乗っての重賞制覇が期待された前走の京都金杯は内の先行馬が有利な馬場状態での大外枠では厳しかった。

それでもメンバー2位タイの上がりで0秒5差まで詰めた内容は悲観する程ではなく、ルメール騎手を配して巻き返しを図る今回は前走よりは条件は好転。
ただ、本質的には1400m寄りの馬であり、スローペースの瞬発力戦となるとどうか。人気のルメールに逆らって何度も痛い目に遭ってはいるが、1〜3番人気の馬を全て買う訳にはいかないので思い切って消す。

⑬ヴァンドギャルド(△)

オープン入り後の初戦となった昨年の本レースは、出遅れながらも勝利した前年の勝ち馬インディチャンプと比較して大物感に欠ける印象が当時からあったが、続くマイラーズカップはそのインディチャンプとの直接対決。
出遅れながらレース上がりを1秒以上も上回るメンバー最速32秒7の上がりは光ったものの、調教代わりにすら思えた勝ち馬の楽勝ぶりは0秒5差以上の力の差を改めて感じた。

前々走の富士ステークスは最速上がりで差し切って重賞初勝利を飾ったが、前後半4Fが 45秒4 - 48秒0 という前傾ラップがハマった印象もあり、本レースに向けて賞金を加算しておきたかった状況があって、愛弟子である岩田望騎手を降ろしてまで本番ではインディチャンプへの騎乗が予定されている福永騎手への乗り替える陣営の本気度もあったマイナス6kgの仕上げ。

本番の前走マイルチャンピオンシップでは0秒5差の6着に敗れたが、持ち時計を更新する1分32秒5の時計で走っており内容は悪くなかった。
オープン入りは稍重→重馬場での連勝で、富士ステークス勝ちも前日の雨の影響が残った影響で1分33秒4の勝ち時計。
1分32分前後の決着になる今のなら1分33秒前後で収まる程度にペースが落ち着いて欲しいところ。

⑭エントシャイデン(◎)

数を使われる矢作厩舎の管理馬とあってムラ駆けするように映るが、左回りのマイル戦では【3.1.2.5】と複勝率は5割を超えており、さらにレース上がりが35秒を切るようなレースなら【3.1.1.2】と好走率が増す。

今回と同じ東京マイルで上がり3F32秒3をマークしたこともあり、高速馬場はむしろ歓迎。
前走の京都金杯3着は確かに内の先行馬に有利ではあったが、それがフロック視されるようなら。

⑮エメラルファイト(⋯)

昨年のスプリングステークス勝ち以降は11戦して着外続き。自分からやめてしまう気性の問題で3走前のメイステークスではブリンカー効果で掲示板確保の⑤着に健闘したが、近4走は再び二桁着順。
ダート挑戦を断念して芝に戻るが、厳しいだろう。

⑯サトノインプレッサ(⋯)

春はダービーでサリオスと0秒3差の接戦を演じる4着に健闘したが、秋から10着→12着→7着。
3戦2勝のマイル戦で復活劇を見せたいところだが、成長力に疑問もあるだけに今回は様子見。

【結論】
本命 ⑭エントシャイデン

ワイドBOX ②③⑪⑬⑭

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