「大江千里 in 80's BEST20」クロスレビュー(前編)
さて、少々マニアックな形になってしまった前回のQujilaに引き続いてのクロスレビューシリーズとなります。実はクロスレビューシリーズは今回でストックがなくなります。つまり現時点では最後の、最新のクロスレビュー企画というわけですが、今回のテーマは大江千里。この方も80's J-POPを語る上で欠かせない人物の1人なわけで、これは私も相棒の@junnoviさんも双方学生時代に聴き込んでいたという経緯もあり、また2015年にはSONYオーダーメイドファクトリーより、「Senri Premium~MY GLORY DAYS 1983-1988」という80年代の大江千里作品がリマスターされてBOX化されるという機運にも恵まれて、いつかレビューをやりましょうという気持ちでいたのでした。しかしながら、少しずつタイミングを逃してしまったことと、レビューシリーズを2013年からTwitter上で始めてから3年も経つと体力的にもBOX収録の7枚のアルバム全曲レビューが苦しくなってきたことから、2016年8月に大江千里の80年代楽曲に絞ったベストソング20のカウントダウンということで、実施したというわけです。
そのようなことでございますので、本日と明日の2回に分けて20曲ずつカウントダウンしていくという、Qujilaと同様の形式でまとめていきたいと考えております。それでは本日は20位〜11位まで。お楽しみ下さい。
〜オープニング〜
@tpopsreryo:
今日も何度か不定期にやっておりますjunnoviさんとの対談式レビューです。本日のテーマは「大江千里 in 80's ベスト20」です。季節はOLYMPIC(注:このレビュー企画はちょうど2016年、リオデジャネイロ五輪の時期でした)ということなのでよろしくお願いします。
@junnovi:
うほ!たしかにそういうタイトルの重要なアルバムありましたね~! 今日もよろしくお願いします。
@tpopsreryo:
お互いの80年代大江千里のベスト20を挙げてそれぞれがレビューする、それに対してコメント付けるという内輪もいいところの企画なので、マラソンと卓球でも見ながら(注:当時はリオ五輪w)気軽に流していただけますと幸いです。さてレビューを始める前に大江千里の80年代のアルバムを振り返ってみます。
以上のアルバムに18枚のシングルを加えた中から選曲されたお互いの20曲を紹介するということになります。
@junnovi:
センセ、今回の話の前提となる範囲を最初に明確に示してくれて本当にありがと。唯一1曲だけはみ出すのがあるんだけれど、それはまた追ってご紹介ということで・・・w
@tpopsreryo:
さて、まずは根本的なことをjunnoviさんに尋ねてみたいのですが、アナタにとって大江千里とは一体どういった存在なのでしょうか? 80年代の重要アーティストという以前に思い入れが非常にあるように思えるのですが・・・。かくいうワタシも学生時代に後輩に顔が似てるとか言われていましたがw
@junnovi:
大江千里はね、特に重要です。私の骨になっているし、私の肉になっているし、私の意識の一つでもあります。私の若かった日々の一部を形成している重要なアーティストに他なりません。私の青春の始まりには彼の楽曲があり、その終焉にも彼の楽曲があったという感じです。
@tpopsreryo:
いきなり大げさに出ましたね!大江千里はワタシが音楽的に多感な時期に偶然巡り会ったアーティストで、実はTECHNOLOGY POPSを志すきっかけになった重要人物でもあるのです。EPICソニーと青春を体現したような瑞々しいメロディとサウンドは嫌でも郷愁を覚えますね。
@junnovi:
EPICも大江千里をとても大切にしてただろうね。12インチシングルも、ベストアルバム「Sloppy Joe」も、何か特別なものを携えていて、リスナーとしては注目せずにはいられなかった。
@tpopsreryo:
「Sloppy Joe」はミキシングし直したベストアルバムでしたよね。良くできていると思ったけど実はあのミックスあまり好きじゃなかったw
@junnovi:
私はセンセと違ってこのアルバムが大好物で、数年前にリマスターをしてⅠとⅡを一緒にした2枚組のブルースペックCD2を買い直したほど。甘さを控えて、どこか苦みや渋みと抑制を利かせてて、特別な空気感があって好きなんですわ。
@tpopsreryo:
今借りてるヤツですねw それも聴いてみたんだけどね、何曲か納得いかない曲があるんですよ。選曲は百歩譲るとして原曲からの違和感が残るというかね。
@junnovi:
正確な記憶ではないのだけれど、このアルバムの由来はセーターのようなぬくもりをというのがあったと思う。その点では、親が編んでくれたウール100%のセーターというよりも、どこかオシャレで垢抜けた防寒目的ではないアクリル100%のセーターのように思う。それでも私はこのアルバムが好きでね。本当に重要な楽曲が含まれていない点はあるけれど、それはあくまで個人的な思いが充填されたものだから、いいのです。それは今回の20曲のコメントで述べることができたらなって思ってる。
@tpopsreryo:
それでは早速大江千里 in 80'sベスト20を始めますが、いつもワタシからのような気がするので、今回はjunnoviさんからエモーショナルに紹介ということでよろしいでしょうか?それでは始めたいと思います。
@junnovi:
はーい。ではいきます~。
junnovi第20位:「Boys & Girls」
詞・曲:大江千里 編:大村憲司
(アルバム「Pleasure」収録:1984年)
@junnovi:
この曲は、声帯がまだまだ成長過程で出来上っていなくて、素人が歌っているという領域を脱していないけれども、楽曲の秀逸さまでは否定することはできない。その後の楽曲作法からすると、まだまだ発展途上だけれど、表現したいことの切なさやけなげさを陽気に、ちょっとだけ苦さも混ぜながらも歌っていることに成功していると思う。これを、当時流行った洋物の淡口のビールを片手に聴くというのは、間違いなくあの時代のひとつの典型的なフレームだったと思うし、自分もそれに憧れたものだった。ただ、それをするには私はあと5年は年長でなかったらいけなかったのだけれど。
@tpopsreryo:
彼の2ndアルバムのタイトルチューンですね。彼らしいノスタルジーを備えたミディアムナンバーで夕暮れを感じさせるし学生らしい青春群像も思い起こさせますよね。サウンド的には特筆すべき部分はないけど、シングルカットしても流石に文句は言えないかなという。
@junnovi:
夕暮れなんですね。私はね、実は3月末の暖かくなった昼間の砂浜のイメージw そこにハイネケンとかの洋物の缶ビールを砂浜に軽く突き刺し立ててるっていうイメージ。どんなイメージじゃ!!! 何かやっぱり卒業を思わせるねん。
@tpopsreryo:
ハイネケンなんやw バドワイザーではないんやなw 1年単位で言うと確かに卒業シーズンかもね。1日単位で「今日も日が暮れる」って感じで聴いてたから。良い曲だけどなんだか地味に感じられてね。この頃は若いから甘酸っぱさが半端ないなあw
@junnovi:
ギャー!! 先に言われた「甘酸っぱさ」! 大江千里を評するうえで最も重要なキーワードやもんね。確かにバドワイザーのほうが、うっすいよね!! 訂正するわ。
tpopsreryo第20位:「STELLA'S COUGH」
詞・曲:大江千里 編:大村雅朗
(アルバム「OLYMPIC」収録:1987年)
@tpopsreryo:
展開は単調ではあるがゆったりめのファンキーリズムとブラスセクションが夏の匂いを感じさせる楽曲。パワースネアの存在感が抜きん出ているが後半ミックスで持ち上げられたリズムギターのキレもこういった曲では大事な要素の1つ。
@junnovi:
ええっ!? この曲ですかセンセ。傍から見ればかわいらしい、恋人同士のささいなすれ違いを、色々と手を変え品を変え表現している曲やね。この曲は例の「Sloppy Joe」にも入っているんだけど苦手で、いつも飛ばすねんw 何か無理してない大江千里?
@tpopsreryo:
それはね、「Sloppy Joe」が悪いんですよ。これが言いたかったの。あのアルバムは1989年発売でその時代のMixをMick Guzauskyがやってる。80年代は1年単位でエンジニアリングの質が変わるので、この曲にMickのMixが合ってないということ。
@junnovi:
そっか~。確かにそうかも知れない。アルバムで聴くとさほど抵抗感はないんだけれど、それは曲順によるものだって思ってた。実際、アルバム発売当時は良く聴いていたっけ。でもそんなに違うかな? 何がだろう。てかミックって、Qujilaのベストも携わってたよね。
junnovi第19位:「POWER」
詞・曲:大江千里 編:清水信之
(12inch「POWER」収録:1987年)
@junnovi:
最近になって大江千里本人がこの曲の評する文章で南アフリカのミュージシャンであるジョナサン・バトラーみたいなのをやりたかったというのを読んで、今更ながら気が付いた。なんとそのままじゃないか「Lies」に! その頃ジョナサン・バトラーを良く聴いていたのに、「Lies」も好きで良く聴いていたのに、今の今まで何とも気が付かなかった。そのままなのに!くやしい~。そこで思ったのはこういう曲調が好きなんだなってことw 歌い手が変わっても好きな訳ですね。でもまあ実際に歌が始まれば、「Lies」とは全く違うので、面白いなぁと感心した。この辺りから大江千里の楽曲の個性が変わってきたように思う。それが後々の「たわわの果実」や「おねがい天国」のような小慣れたレガートやオシャレで世間ずれした楽曲で実を結ぶことになる。しかしながらそれは私の中では大江千里に対して求める青春期の持つイノセントな時代の終焉の他ならず、まさにそれ以降、彼の音楽を聴くことをパタッとしなくなったこととも無関係ではないと思う。
@tpopsreryo:
なるほど~。確かにそういわれるとそうなんだけど、清水信之もその辺の意図をくんで意図的に似せているような感じですよね。テンポ感が好きなのよね。
@junnovi:
何かね安直なんだけど、そういうシンプルさを音楽に求めたくなる時があって、そういう時にこの曲は自分にマッチするねん。ホーンセクションはともすれば古臭くなりがちだけど、その点この曲は気にならない。一番グッとくるのは「♪伝えきれずになくし続けた夢」という語呂。うんにゃ。語呂というよりリズムかな。ここまで色々と書いてきたけど、この一点で19位にランクインしたと言ってもいいほどに、この部分が好きですね。
tpopsreryo第19位:「Bedtime Stories」
詞・曲:大江千里 編:大村雅朗
(12inch「Bedtime Stories」収録:1986年)
@tpopsreryo:
お得意のクリスマスソング。メロディラインが素直ながら聴くに堪えるのは単なるピアノの弾き語りにならずシンセとリバーブ、そしてチャイルドコーラスによるアトモスフィアで飾られたサウンドが美しいバラードだから。
@junnovi:
ここで来ますか、この曲が・・・。ということでコメントは敢えて控えますがw、となると、どこまでコメントすりゃいいのだろw
@tpopsreryo:
多分このパターンが今後もあるかもしれないからコメントはさらっと流しましょうw
@junnovi:
じゃ、のちほどwww その時は存分にヨロシクです。では18位に行きますね。
junnovi第18位:「ふたつの宿題」
詞・曲:大江千里 編:大村憲司
(アルバム「Pleasure」収録:1984年)
@junnovi:
この曲はサビの様でサビでないような、でもやっぱりサビとしてのメロディラインの伸び具合が好きですね。上に上に登っていく感じが、気持ちの昂ぶりと重なるようで聴きごたえがあるんです。私は機嫌の悪い時こそ鼻歌を歌うという癖があって、ある時この歌の「ふたつ目の宿題は~今もわからない~。」ってところを歌っていたら、友達に「何それ、ヘンな歌。」と言われて、一層ムッとしたことを今でも覚えてるw
@tpopsreryo:
ほほ~うw なるほどね・・・。確かにあのBメロのフレーズはクセになるけどね。そこだけを切り取ったら変に聴こえるかもなあw
tpopsreryo第18位:「宵闇」
詞・曲:大江千里 編:大村憲司
(アルバム「WAKUWAKU」収録:1983年)
@tpopsreryo:
プログラミングされた硬質なシンセベース(&生のチョッパー)と繊細なエレピが印象的な初期のミディアムチューン。多彩かつ安定感のあるギタープレイは編曲も務めた流石の大村憲司。クラップにかけられたロングリバーブは80’sの象徴。キレの良いドラムは亡き青山純。あと、サビが秀逸でクラップがパーーーンッ! チャッチャッと連符を刻み、フワ~ンとしたシンセが絡む。それがデッドなドラミングと抜群の相性を見せる。83年のデビュー作にしては実に繊細なサウンドだなあと思った次第。
@junnovi:
センセっぽい選曲!w どこか角川映画のテーマソングの様な曲調で、まさに80年代サウンドやんね。このある意味オーセンティックな3度の和音を多用したギターソロもええよね。こういう楽曲にもちゃんとピアノサウンドが入ってるというのが重要。
junnovi第17位:「帰郷」
詞・曲:大江千里 編:大村雅朗
(アルバム「1234」収録:1988年)
@junnovi:
あくまで私の中ではという前提だけど、鈴木祥子の「電波塔」くらいに暗い暗い曲で、どこまで行くのって思うほど。その自家中毒になりそうなほどの陰鬱さが好きなんです。それを大江千里に求めるかどうかという論点はあるのだけれど、ドォーーーーンって遠くの雷鳴の様に鳴り響くドラムの音が一層ドラマチックに深刻化していてたまらんのです。当時、良くあった音だけど、大江千里が使うんだっていう意外さが引っかかりましたw
@tpopsreryo:
ああ、アナタらしい選曲w ゴージャスなストリングスも相まって情景の広がりを感じさせるバラードですなあ。なんかこう、帰るの嫌だったんだなあというのをひしひしと感じるというかw 「電波塔」はそんなに暗い曲とは感じてないんだけどなあ。これは・・・暗いなw
@junnovi:
イヒヒ。だってたとえばよく言われる中島みゆきに暗さを求めたってねぇ・・・。むしろ彼女には攻撃的なものを求めたいよねw 常日頃サンシャインでさんさんな人が、受け入れがたいほどに暗いってのが本当に暗いんであって、それこそが聴きたいじゃないですか。
@tpopsreryo:
実はワタシにとっての大江千里は全くサンシャインではなくて、生来ウジウジ鬱屈した悩める青年だったりするわけですよw だからなんでそんな無理して明るくしてるのっていう痛々しさも彼の魅力なわけで、この曲は本来の死んだ目をした彼なんだという認識です(個人の印象ですw)。
@junnovi:
それはそうかも。その辺りはこの後の選曲にも繋がる話であるので、直ぐに触れるね。あと、そういう意味では大江千里というミュージシャンの総括を今回のやり取りの最初にしたけれど、まだまだ掘り下げが足りないなって思い始めてる。
tpopsreryo第17位:「おねがい天国」
詞・曲:大江千里 編:清水信之
(アルバム「redmonkey yellowfish」収録:1989年)
@tpopsreryo:
80年代末期の清水信之お得意の爽やかFMエレピサウンド。意外な入りを見せるAメロのリズムとシーケンスの絶妙なノリはまさに彼の真骨頂。随所の軽快なエレクトリックタムのリズム感は流石の清水節。元気曲の殻を被った末期感もこの時代の感覚。
@junnovi:
ああもぅ・・・。あとにお預け曲、その2ですw 間もなくですけど。先に書こうかなぁ。
@tpopsreryo:
いや、後に書いてもらっていいよw 先に進めることが肝心かと。その時にまたコメントしますんで~。
@junnovi:
了解です~。じゃ、次行きますね。
junnovi第16位:「平凡」
詞・曲:大江千里 編:大村雅朗
(アルバム「1234」収録:1988年)
@junnovi:
こういう曲調はそれまでの大江千里にはなかったんじゃないかと思うけれど、自分の感情を突き放してもなおその輪郭は残照として残って、決然として歌い通す。楽曲もそれに従うように、殆どの音がぶつ切り。ストロークに継ぐストローク。アルバム「1234」の性格を最も表している曲だと思う。この曲は音楽番組「eZ」でも紹介されてて、どこかの真っ直ぐな道を大江千里がひたすら走り続けて、途中でこけるという曲。あ~あって感じだけれど、このシリアスさを表現するには悪くないものだと思ったり。
@tpopsreryo:
彼らしからぬ硬派な曲ですよね。ギターがジャッジャッと刻み、山木秀夫がバシッバシッとリズムを叩き出す。まああれだよね、個人的な好みからは遠い曲ではあるけど、それと完成度とはまた別ということでw
@junnovi:
暗さばかりが続く選曲なんですけど、「♮」(3rdアルバム「未成年」収録)も大概やんね。そしてやっぱりキライじゃない。
@tpopsreryo:
「♮」はワタシにとって小川美潮の「BLUE」ですw
@junnovi:
で、出たッ、小川美潮の「BLUE」!www そして私はセンセと違って「BLUE」は決して嫌いじゃないってところも同じw
tpopsreryo第16位:「POWER」
詞・曲:大江千里 編:清水信之
(12inch「POWER」収録:1987年)
@tpopsreryo:
歩くテンポのミディアムチューン。イントロの印象的なブラスのフレーズとAメロからサビまで全体的に漂うノスタルジーが半端ない。キュイ~ンというギターのカントリー感覚もそんな郷愁を増幅させるけど長調短調をふらふらするメロのせいもあるかな。
@junnovi:
グワッ!選んでるとは思いませんでした! イイタイコトは先のコメントの通りですけど、この12インチは潔いほどの青色のジャケットで、こっちが気後れするほどだったのを覚えてる。♪なくし続けた夢~だけじゃなく♪あ・ら・そ~いが絶えないのは~っていう所も良いのだ!
@tpopsreryo:
そう、そのリズムが言うなれば「歩くテンポ」なんですよね~。カントリーなギターのせいもあって能天気なくらい幸福感があるんだけど、リズムがバタバタッとしたりして一筋縄ではいかない人生を歩んでいくっていうのかな。その意味では人生ソングなのかも。歌詞全く見てないんでw
@junnovi:
どういう人生ソングやのw てか、歌詞見てないってセンセ・・・。大江千里から歌詞を取ったら、あなた・・・。って分かってたけどねw
@tpopsreryo:
歌詞確認したけど、あながち人生ソングで間違ってないよね。わき目も振らず働き続けたいんだからw
@junnovi:
今、見たの?www 笑いましたです。ただね、「POWER」って曲は私が大江千里を聴いて初めて感じた「違和感」の端緒でもありました。それは先の私のコメントででも触れたけど、この曲を聴き馴染むには、実は20年くらい時間が必要でした。
@tpopsreryo:
いかに普段から歌詞をないがしろにしているかっていうw 歌モノ好きなのにね。20年は長いね・・・ただ、だからこそ音楽というのは面白いというか。時空を超えて色褪せないというのが芸術の素晴らしさなのかもしれない。
@junnovi:
うんホントに。この曲は良いよ。そう言えるのに、そう思えるのに相当時間を要しましたw ということで言えば、大江千里に限らず、ミュージシャンとかアーティストっていいことしてるなぁって改めて思います。
junnovi第15位:「十人十色」
詞・曲:大江千里 編:清水信之
(アルバム「未成年」収録:1985年)
@junnovi:
本当に良い小曲だと思う。体調も万全、気力も充実、あとは君の気持ちひとつで走り抜ける。一気に走り抜ける。音楽的な個性は特にないけれど、ちょっとしつこいギターフレーズが、却ってこの曲の個性を際立たせてて良い。前奏のギターフレーズから楽曲の真ん中に持ってってくれる。そこが良い。でも、しつこいのはギターだけじゃなくて、「♪じゅうにんと~いろっ!」っていうフレーズなんだけどねw 最後の、どんどんと早くなっていくのも当時は驚きだったなぁ。
@tpopsreryo:
うぉ!ちょっと意外ですね~。確かにギターはしつこいw 最後テンポ早くなって聴こえるのはあの直線的なシーケンスのせいかもしれないですね。「十人十色」という曲名はなんかコピーライターが作るようなフレーズだなあって思ってたなあ。
@junnovi:
こんなね、高校入試とかに出そうな四字熟語を持ってくるなんて、何てスチューデントなミュージシャンなんだろうって思ったものでした。でもその学生にはキャッチーな題名を思いついた時点で大江千里の勝利だったんだろうなって思いますね。
@tpopsreryo:
この曲から清水信之アレンジになったんだけど、ここから彼のビクトリーロードが始まる重要楽曲なんだよね。確かに売れ線を意識したキャッチーな楽曲、ただ当時も感じたんだけどやっぱり声とルックスは好き嫌いが分かれると思うんだけどなあw
@junnovi:
そう!この曲の彼にとってのエポックメイクな位置づけは看過できない。ヤンさん(注:junnoviさんの奥さんです。大江千里は余り好きじゃないw)はルックスはOKだけど、声はマツトーヤ(松任谷由実)と同じくNGなんだそうですw 声って重要やね。声だけは好き嫌いとか、受け入れられるか否かって人によって全然違う。だからボーカルって楽しい。
tpopsreryo第15位:「向こうみずな瞳」
詞・曲:大江千里 編:清水信之
(アルバム「redmonkey yellowfish」収録:1989年)
@tpopsreryo:
打ち込みリズムの爽快感が尋常でないお洒落清水サウンド全開楽曲。繊細の一言で語られる清涼感溢れるシンセサウンド、複雑ながらスピード感を保ったシンセベース。大貫妙子がゲストで参加しているが彼女の涼やかな声質も曲調にマッチしている。
@junnovi:
まさにスムーズネスの楽曲を持ってきましたけど、意外ですわ。やっぱりセンセは大江千里+清水信之やね。この曲もそうだけど、どうも歌詞の浅薄さは益々進んでて、パスしちゃう曲です・・・。ごめんよぅ。こういう曲調ならカルロストシキがいいなぁと。
@tpopsreryo:
おわかりのとおり歌詞読んでないのでw スムーズネスとは良く言ったもので、80's末期の清水サウンドはこんなんです。繊細さが極限まで追求したのか、サラッとした肌触りで毒も蒸発したかのようなw あ、オメガトライブはコテコテで野太さすら感じる仕上がりなので全く違うよ。
@junnovi:
そっか~。カルロスって♪キミの~イニシャルついた~しかまともに知らないから、知ったか節はアカンね。反省。それなら誰だろう。少なくとも大江千里じゃないんですよね、このスカイブルーな爽快感。
@tpopsreryo:
カルロスはドラムが恐らくジョン・ロビンソンだからパワースネア極まりないので。機会があれば聴かせますよw 多分その爽快感は谷村有美あたりのアレですわ。有近真澄の2ndとかね。なんにせよもう90年代に足を突っ込んでるんですよ。
junnovi第14位:「サンタクロースがやってくる」
詞・曲:大江千里 編:清水信之
(アルバム「乳房」収録:1985年)
@junnovi:
この何とも言えない暖かくて甘くてやわらかい音世界は、生まれて初めて味わった。その時の陶酔感でいっぱいの驚きといったらなかった。まさに清水信之の制作意図が最も美しいかたちで具現化できた成功例だろうと思う。この曲をアルバムの1曲目に持ってくることの意図は、曲自体がとても甘いのに対して、相当強力だったのだろう。それは結果的に私の様なリスナーにもしっかりと届けられ、一気にアルバムの持つ空気感に引き込まれるのだった。最後の繰り返し前のドラムスのフィルインとエディットのかかった部分は、当時とても新鮮でワクワクしたものだった。あと、この曲に限らずどうしても「乳房」を私が語る上で触れずにいられないのは、当時仲の良かった彼女が自分に初めて貸してくれたアルバムがこれだったっていう甘酸っぱい思い出がどうしてもセットになっていて、青春の時を歩み始めた感触に戸惑った自分を若かったなぁ~ってノスタルジックに思ってしまう。いい年をして今もなお冷静に振り返られない大切なアルバムなのですわ。
@tpopsreryo:
これは・・・! 彼女が初めて貸してくれたアルバムがこれって、彼女も挑戦的だなあ。タイトルが貸しにくいだろうにw 非常に良くできた作品で10点モノなんだけど、オリコンランクがこの全盛期にあって2桁13位に留まったのは青少年が買いにくかったからだよねw
@junnovi:
ガハハ! 今まで考えたことなかったけれど、確かにそうやねw どういう気持ちで貸してくれたんだろ。「このアルバムめっちゃ良いから聴いて!」っていう気持ちひとつだったんだろうとは思うけど、勇気要っただろうね。そっか~。って今更!? あとね、この1曲目の持つ独特のこんもり感っていうかドキドキ感っていうのは、小学生がモモレンジャーの「いくわよ!」といってイヤリング爆弾を投げるのを観て悶えちゃうような感じと似てない?
@tpopsreryo:
なんじゃそりゃw こんもり感って。ちょっとコメント差し控えとくわw
@junnovi:
アウッ! ここで放置されたら、私が変態だってことになるじゃないですか!www
tpopsreryo第14位:「フレンド」
詞・曲:大江千里 編:清水信之
(アルバム「乳房」収録:1985年)
@tpopsreryo:
冬を彩る珠玉のエレクトリックバラード。FMエレピやサビでのシンセワークと魅惑のコーラスアレンジで聴かせます(特に最後の盛り上がりは圧巻)。北国育ちにとってはノスタルジー半端ない曲。80年代のバラードは電子的装飾が情景豊かにするのです。
@junnovi:
えええっ! センセこの曲がここにですか!? もっとなんかこう、あるじゃないですか!? そしてやっぱりこの曲も、コメントお預け曲その3なのです。嗚呼、この後どうなるんだろう・・・チョット心配になってきました。「♮」は入んないんでしょ?w う~。
@tpopsreryo:
いやいや他にもあるんだけど人には好みというのがあるんですよ、いろいろw 「♮」?これだけは言えるよ。入んないよ!w
@junnovi:
あれま。どうしましょ。益々どうしましょ。コメント返せるかな。「あんまし好きくない」とかばっかりになったらどうしましょ。ってそんなことで遠慮するタマでもないのにね~w
@tpopsreryo:
いや、それでいいでしょ。多分ベスト10はお互いのカラーが出まくって被らなくなる予感もあるんだけどね。こっちが選んでない好きじゃない曲が多くなると思うしw だからこそ面白いというかね。
junnovi第13位:「おねがい天国」
詞・曲:大江千里 編:清水信之
(アルバム「redmonkey yellowfish」収録:1989年)
@junnovi:
ホーンセクションもシンセベースのラインもとてもなめらかで小慣れていて、いよいよプロの仕事というものを楽曲を通じて表現するようになってきた。時代も加勢してか、彼の柄にもなく派手であることも違和感なかった。楽曲のアレンジがそのように小慣れてきた中で、彼の遣う言葉も変わってきた。それでも彼自身の言葉であるに違いなかっただろうが、私の口から発せられる言葉ではなくなってきた。働く男女の恋愛模様を描いているけど、本当にそれが言いたいことなのかどうか…。こういう楽曲をシングルカットするようになったら、一方でシリアスに心情を描いてももうそれは多様性の幅を広げているという弁説は私には何の説得力も持たない。それでも好きだった曲だし、今でもよく歌う曲。今はもう、働いてる者にとってのワークソングやね。
@tpopsreryo:
ワークソングだったんや・・・気がつかなかったw 熟れたアレンジというのは89年の成せる業だけど、クイックイックイッ!のAメロの入り方で面食らってね。それが清水っぽいコードワークとテケテッテケテッ♪っていうシーケンスのリズム感が何ともライトで印象的だったのよね。
@junnovi:
ホントに耳馴染みの良い、楽曲の作り方も小慣れてきて、仕上げもこうすりゃ万全っていうスタイルも確立して・・・っていう感じで安定感が半端ないです。けれども大江千里はやっぱり思春期の不安定さが大切なので、ワークソングだかバカンスソングだか分からないけど、(って自分からワークソングって言ってるくせに!w)サラリーマンを経験してない人にどこまで・・・という感じはあるという、勝手に複雑に受け止めているのでした。「乳房」の時の、こんもり感(しつこいw)を出すような機材とは全く違うんだろうね。
@tpopsreryo:
清水信之はそうしたテクノロジー機材を活用したアレンジに関しては先駆者の1人だったから、この時期はもう完成の域に達しているのね。だから80年代に活躍したアレンジャー(とプログラマー)の終焉が見えたというのがこの89年という時期というわけで。
tpopsreryo第13位:「Man On The Earth」
詞・曲:大江千里 編:清水信之
(12inch「Bedtime Stories」収録:1986年)
@tpopsreryo:
これも寒い冬のコタツの中のように温かみのあるアカペラ入り楽曲。「POWER」の冬版と言ってよいほどの歩くテンポの楽曲ながら軽快なシンセベースとジャジーなエレピワークに現在の活動を予見させるものがある。
@junnovi:
発売された当時はとても良く聴いた。コロコロと転がるように言葉が出てくるのが面白くて良く歌ってた。サビが終わった後の冷たい余韻がまた良いんですわ。そしてペケペケなギターも大好物ですね。この曲は例の音楽番組「eZ」でも放送されてて、高速道路沿いでだか、どっかの幹線道路沿いだか、ちょっとしたスペースで収録してたのだけど、ライブツアーの移動中に撮影したかのような感じで、すごい朝の早い、周りの空気も青白く曇ってて、比較的薄着だったはずだけど、冷たくて歌詞とマッチしてた。曲の最後の方で、「毛布のよ~にくるまってねむるよ~」というところで、妙に声が通ってね、こだましてたのを鮮明に覚えてる。とても冷たい空気感を伝えてたなぁ。冬の曲やねホントに。
@tpopsreryo:
冬の曲なのにこの温かさなのはほどよいリバーブを施したMixにほかならないんだけど、何といってもFMエレピの響きが良いんだよね。途中で小太鼓ロールを交えてパレードっぽくなるのも面白いし。アカペラはちょっと無理がある気がしたけどw
@junnovi:
本当にね、この「Bedtime Stories」という12インチシングルは重要なのです。3曲とも重要なんです(しつこいw)。でも本家の「Bedtime Stories」よりもこっちの方が上にランクインするとは意外でした。
@tpopsreryo:
このランクは30年かけて逆転しました。音楽って面白いねw
junnovi第12位:「夏渡し」
詞・曲:大江千里 編:大村雅朗
(アルバム「OLYMPIC」収録:1987年)
@junnovi:
この曲は、曲自体のトランキライザーのような冷えた感じがたまらなく好きで、それは何より醒めた歌詞の世界がそうさせている気がする。大江千里の歌詞は、短い文言の中で表現するために、どうしても説明不足になって意味が掴み損ねてしまうことが結構あるのだけれど、この曲もその最たる例になっている。それでも歌詞全体から発するトーンが説明しているから良いのだ。ただ、この曲はサビのメロディラインがどうもあまり好きになれない。一向に治らない湿疹のかゆみに馴染めない自分みたいだなって、よく分かんないねw
@tpopsreryo:
なんだか浴衣が似合う曲だよね。ものすごくアジアを感じるというか。もちろんそれを意識していると思うんだけどね。田舎感を感じるんだけどそんな孤独感を感じる歌詞でもないんだねw もっと都会の日常的なアレだったのか。
@junnovi:
この曲は何と言っても歌詞で、最初の「♪政治のまねごとのような~」ってところで、この人何言ってるのって思ったし、「本気で周りの全部~変わる~なんて~考えてない~」っていう、関与しているくせに、モラトリアムなその無責任さに驚いたり、とにかく歌詞なんですわ。「♪今日は少し遅く起きてすいたバスの後ろに揺られてみた」ということを実際に実践してみたり、それで何が分かるのでも変わるのでもないんだけれど、やってみたりしたのでした。それがまた贅沢な時間だったってことで。曲調はホント田舎回帰やね。指摘されてなるほどって。
@tpopsreryo:
なんかとってつけた感があるのよね。政治とか登記とか土地が買えないとかw 改めて歌詞を読んでみてわかるんだけど、やっぱりどんなに弾けようとも随所に陰があるというか、シリアスな視点を入れたがるというか、基本ネガティブな人だよね。もう何を聴いても鬱っぽく感じられるw
@junnovi:
その後「生活という焦燥を~」なんて歌ってますからね。政治ビラも登記も結局は、偶然変わった君に会いたいのです。だから意味不明。点でバラバラになった意味の欠片が、メロディと重なって瞬間だけ輝く、その輝きに私は心奪われて約30年ということですw
tpopsreryo第12位:「サンタクロースがやってくる」
詞・曲:大江千里 編:清水信之
(アルバム「乳房」収録:1985年)
@tpopsreryo:
お得意のクリスマスソング2。わいわい騒がしい季節なのにどこか寂寥感のあるシリアスなメロディ。シンプルなサウンドにギミックを挿入するスタイル。Cメロのピアノプレイからサビまでの無理矢理まとめ上げるブレイクがお気に入り。
@junnovi:
メルヘンチックで、桃色で、こんもり感(しつこいw)いっぱいで、一気にアルバム「乳房」の真中まで引きずり込む制作者の意図に感服します。実に周到に用意された仕込みであり、その仕込みに応えられるだけの魅力溢れる楽曲。大江千里+清水信之だからこそできた曲。
@tpopsreryo:
クリスマスソングってもっと明るい気分になるもんじゃないですか。サンタクロースが来るんだから。でも何だか嬉しそうじゃないのね。ンフフ♪とか言ってる割にはメロディに寂しさしか感じない。そこがいいんだけどねw
@junnovi:
当時「これがお兄さんやお姉さんの思い抱くクリスマスなんだ」って素直に思ったものでした。甘酸っぱくて、こんもりしてて、あったかくて、落ち着いてて、どこか個人的で。そういうものが大きくなった人たちのクリスマスなんだってね。必ずしもそうじゃない。そうだね。うん。
@tpopsreryo:
そう、そう思ってた昔は。クリスマス的なギミックもふんだんに入っているし、パーティーソングだと思っていたのよ。でも聴き続けているうちになんだかシリアスな曲調だよなと思い始めてね。音もギミックの割にはシンプルだし、空虚感を感じるの。「乳房」には結構そういう曲が多い。
@junnovi:
うんうん。そこまでセンセが書いてくれたんで、私も。実は私もこの曲を第14位に入れたけれど、最近というかこの10年以上は全く聴かない曲です。圧倒的な音世界に私を引きずり込んだ張本人ということで今回の20曲の中に入れない訳にいかないから入れたんだけど、実は純粋に今現在のランキングだけに絞れば20位以内には入らない。「たわわの果実」とか「消えゆく想い」とか「これから」とかが入る。何だろう、どこか煩わしい思いが付いて回るんですわ。その正体が何であるかを突き止めることは出来なかったんだけれど、空虚感・寂寥感か。
@tpopsreryo:
こんなことを言ってますが、別にディスってるわけじゃないんですよw 逆にその寂寥感というのが好きなんですよ。クリスマスでサンタがやってくるワクワク感なのに寂しげなメロディ。そこに彼の闇の深さが垣間見えるので。それは彼の天賦の才とも言えるものだと思うのですよ。
@junnovi:
うん、それは大丈夫、私もちゃんと分かってるつもりやし。改めて思ったのは、結構陰気な曲が多数を占めてるなってこと。レビューをする前はトニックとかトランキライザーとか横文字使ってそれらしく表現してみたけれど、その実は、寂寥感であり孤独感であり、そこからにじみ出ては感じられる心の闇の深さ。だから沈みがちな曲ばかりのランキングになっている。そこが良いんだろうと分かってる。でもこの「サンタクロース」は今はまだNG。今回のレビューを機に何かが変わるかも知れないけど。ホントにあれだけ聴いてあれだけ好きだたんだけどね・・・。だから私にとっての大江千里とは、まさにこの曲が名刺代わりであって、「十人十色」でも「REAL」でも「コスモポリタン」でもなかったんだけれどね・・・。ホント不思議な気がする。
junnovi第11位:「gloria」
詞・曲:大江千里 編:大村雅朗
(アルバム「OLYMPIC」収録:1987年)
@junnovi:
何でか知らないんだけれど、この曲を聴くと、東京には特に何のシンパシーも無い筈の当時の私は胸がキュッと締め付けられることを何度も経験した。派手で元気とサンシャインがイッパイなこのアルバムの最後には、そば粉100%のようなボソボソと途切れる様な感じが、朴訥と発する独特な言葉に合ってて好きだったし、聴き直し続けたし、またこのアルバムを最初から聴こうという気持ちにさせる力を持つ曲だった。時代を追って、その時々の1コマを切り取って描く手法は、他のミュージシャンもやっているものだけれど、自分の世代よりも少し上ではあるけれど、リアルなシンパシーとして自分の時間と重ね合せて思い抱く想念は、格別だった。そういえば、昔の知人でこのアルバムを良く聴いてた人がいて、何故か「♪土手の~」だけを何度も、呟くように歌ってた。何の脈略もなく、ここだけをやたらと繰り返すねん。イライラするけど、笑ったな~。
@tpopsreryo:
そうだよね、陰気な曲が好きということは結局彼の闇の部分に引かれているということなんだよ(どうしてもそういう方向に持っていこうとするw)。恐らく1964年という東京五輪にかけて時代を切り取っていると思うんだけど、なら何で1972年や1984年じゃないのかw
@junnovi:
陰気と言えば、アキナ(中森明菜)の「不思議」が聴きたくなってきた私w 陰気と言うより妖気とか狂気とかかも知れないけれどw 陰気ってどこか他者排斥で攻撃的でもあるから(ピーター)ガブリエルもいいかも。
@tpopsreryo:
それは陰気という言葉で片付けられない情念というか怨みというか。地獄の底から聴こえる唸り声というか、そういう類のホラー系歌唱だからw 中島みゆきも情念が強いけど。大江千里はもっと鬱屈した、しょぼくれた感じなのよね。ジュクジュクした湿っぽい感じ。ゴメンね、なんだかw
@junnovi:
ホラー系歌唱ですか!?w 確かにw 大江千里ってそういった意味ではホントに日本の風土にこそ育まれた個性なのかも知れないね。そしてそういうキャラクターに相当な親和性を示す人がとても多いということか。今回のレビューでの最大の収穫かも。だってその暗さは青春期のやり場のない鬱屈とした気持ちそのものであり、人と衝突したり、傷ついたりして、時を追って解決したり、自分なりの答えを出していくことなんだと。それまではどうしても内省的になり、その気持ちをどうするかで沢山の言葉と対峙していくものだと思ってたから。そこにリアルな時間で共に片づけていくような存在であったように思っていたからなぁ。その後、各自の悩みの答えなど、何か1つの事柄に集約できるほど単純でも簡単でもないと分かるんだけれど、それまでのあがき苦しむ陰鬱さを代弁してたりしてるんだって思ってた。面白いですね。うん。
@tpopsreryo:
まさにその通りですね!青春って華やかなサンシャインなものばかりではなく、もっとうまくいかないことがたくさんあるわけで、そんな鬱屈した部分を甘酸っぱさの中に忍ばせて歌詞とメロディで表現する才能を持ち合わせていたのが大江千里という優秀なアーティストというわけですよ。
@junnovi:
そうやね。何か大江千里の総括みたいになってます。その通り。何であんなに上手く行かなかったのだろう。何であんなに悩んでたんだろう。何とかなるし、何ともならないものは何ともならないのにね。本当に胸の内側が引っかかれるような痛みを伴った甘酸っぱい感じ。大江千里は、第2次ベビーブームと高度経済成長後のあの時代、フォークからPOPSへと音楽のすそ野が広がりを見せるその真っ只中にメジャーシーンに登場してきた、以前と比べて一層長くなった青春期を代弁する全く新しい個性だったんやね。
@tpopsreryo:
大きく出ましたねw でも世間的評価もそんな感じだったと思いますよ当時も。全く新しいタイプのシンガーソングライターという触れ込みだったので。現役学生の天才ミュージシャンという立ち位置だったけど。甘酸っぱい青春の代弁者というのは間違ってないと思いますね。
@junnovi:
いや、恥ずかしい・・・。大江千里がそこまでの自覚と気概を持って曲作りをしていたかは分からないけれど、確実に意識してたろうね。そしてやがて自分が年を重ねていくように、作る音楽も大人の世界にシフトしていく・・・。そして私は聴かなくなっていく。そういうことね。
@tpopsreryo:
みんな影響を受ける音楽というのは青春期の音楽だと思うのね。それが我々にとっては80's、団塊の世代はビートルズだったりするじゃないですか。まあそういうことなんですよ。優劣は二の次で誰にも決められないし、結局自分の青春の音楽が一番だってことなんです。
tpopsreryo第11位:「渚のONE-SIDE SUMMER」
詞・曲:大江千里 編:清水信之
(アルバム「未成年」収録:1985年)
@tpopsreryo:
彼の個性でもある甘酸っぱさをここまで表現し切った楽曲はない。夏の終わりの1ページを彩る強烈なサビのメロディ。Aメロ~Bメロ~サビと各場面の前に展開部分にひとひねり加えたフレーズがニク過ぎる清水信之ワークス。
@junnovi:
うわ~出た!夏。夏。夏。7月じゃなく、まさに8月の夏。どうしてこの曲と「REAL」と「♮」が同じアルバムに入っているのかホントに判らない。こうして振り返ると三連符の曲って大江千里には少ないね。そして三連符って夏を現わすのにとても良いリズム感なんだね。
@tpopsreryo:
そう、眩し過ぎる夏。場面転換ごとに転調したりフレーズを加えたり、あの手この手で情景を豊かにする素晴らしいアレンジだと思います。当然三連のリズムがあってのあの大団円的なサビが生きるってものでして。美しい青春の夏。経験し得なかった夏って感じw
@junnovi:
こんな憧れの夏ってあるのかな。もちろん私もついに経験しえないまま、青春期の終焉を迎えたわけだけど、自らのほとばしり出るエネルギーとか感情とかを、中本せいちゃん(注:高校時代のクラスメイト。陸上部。)とかみたいに傍若無人なまでに突っ走ってたら見れた景色だったのかな~。全く羨ましくないけど!w
「大江千里 in 80's BEST20」クロスレビュー
20位〜11位 結果
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