見出し画像

2021年ダービー全頭考察と予想

2021年ダービーの考察記事になります。

私はレースの本質を見るには人気薄の馬の好走に隠されているのと考えています。
過去10年間において単勝オッズ5番人気以下の好走傾向からピックするべき馬を探す、というアプローチで執筆しました。

大きく分けて2パターンかなと思いましたのでそれぞれ紹介していきそのあとで出走馬の全頭考察、予想いう流れでまいります。

過去10年単勝オッズ5番人気以下で馬券内にきた馬とそのパターン

ダービー画像1

①皐月賞凡走組

2020年10番人気3着 ヴェルトライゼンデ
2018年5番人気1着 ワグネリアン
2011年8番人気3着 ベルシャザール

近10年では3頭が該当しています。
前走皐月賞組というのはそもそもがクラシック期で能力が高い馬の集まりですのでここから好走するというのは当然のことなのかもしれません。
脳死で評価するというのもいいですがそれだと余計な馬まで評価してしまうので、少し精査してみるべきでしょう。
この3頭に共通しているのは必然とも呼べる皐月賞での凡走ということでした。

それぞれの皐月賞を簡単に回顧をするならば、

ヴェルトライゼンデは伸びる外とは逆の内での競馬
ワグネリアンは少頭数の緩いレースしか経験していなくて戸惑うであろう初めての多頭数経験
ベルシャザールは連続馬体重大幅マイナスからの格上延長による体力切れ

もちろんこの馬以外にもそういった経験をした馬はたくさんいます。
まずはボーダーラインとして、皐月賞で力負けではなくなんらかの不利にも似た要素がない限り好走や逆転材料には欠けるなと感じます。

今年の皐月賞の簡単な回顧

上りが掛かる馬場にもかかわらずハイペース、有力馬が先行馬ということもあり勝負所がかなり早い段階でした。
4コーナー待たずして追い出した馬が多数で結果としてトップスピードのままコーナーを回ることで内の馬が外に流れ、外を回る馬が大きなロスが生まれ内を通した馬に軍配が上がるレースでした。
日本の主流条件からは外れたようなレースだったので、日本の主流条件である東京コース向きの馬は「苦」を感じたと思います。
内側を通した馬が好走しているのでここからのチョイスとしては、「皐月賞を外を走って軽く凡走した馬」、「縦比較で凡走ローテに該当した馬」、「タフなレース経験不足だった馬」、「東京コース向きの馬」から狙いたいところです。

②前走非皐月賞で底を見せていない連対馬

2019年 ロジャーバローズ 12番人気1着 
2018年 コズミックフォース 16番人気3着
2015年 サトノラーゼン 5番人気2着
2013年 アポロソニック 8番人気3着
2012年 フェノーメノ 5番人気2着
2012年 トーセンホマレボシ 7番人気3着
2011年 ウインバリアシオン 10番人気2着

前走非皐月賞といえば当然メンバー落ちのレースではあるので連対OPや重賞での連対レベルでのポテンシャルは欲しいところです。
このパターンにおいては比較的馬柱は綺麗で負けていても芝で着差0.5秒以内の馬が多くムラの少ない戦歴である馬でした。
例外として、最終的にダービーで穴を空けた逃げを打てなかったアポロソニックやマイナス大幅馬体重で凡走したコズミックフォースは0.5秒以上負けてますがそれでも0.8秒以下なのでボーダーとしては0.5秒。
こういった類の必然の凡走に関しては1.0秒くらいまでは見てもよいかなと思います。

ただし注意するべき点としてハイレベルな皐月賞を経験していない分、前走との比較で厳しいレースを強いられるのでその馬にとって強力な好転要素が必要と考えます。
過去の好走馬から見えるのは「極端な前残り」、「疲労が少ない」、「高い完成度」、「充実している」、「格上戦を好む」、等になります。

前置きが長くなりましたが以上の2パターンを念頭に今年の出走馬の考察を進めていきたいと思います。

1エフフォーリア

前走皐月賞1着

皐月賞1着馬で恵まれたようにも見えるが余裕を感じながらこれだけの差を付けれる以上世代差ははっきりしており素質に関しては抜けている。
競走馬としての個体能力の高さと、父エピファネイア産駒らしからぬ前向きさもかなり出ていてこのレベルなら圧倒できるというのが見えた皐月賞であった。
延長でぺースが緩む分には父タイプとしてはよいものの前走大幅に馬体重を絞っているので今回の延長馬体重マイナスは気持ちの余力がなくなる可能性もあってそこだけが懸念される。
逆にそこくらいしかつつくところがないくらいの馬と見てるので印からは外しにくい。

2ヴィクティファルス

前走皐月賞9着

共同通信杯でエフフォーリアに次ぐ2着の馬ではあるが、新馬のパフォーマンスが少し地味すぎる。
逆に考えると相手の強さは関係なく相手なりにパフォーマンスが変動するタイプではないだろうか。
ジワジワ火をつけていって接戦勝ちを演じてきた点や、皐月賞の4角で前をカットされたことにより一度つきかけた火が消えたように見えたのは集中力の持続しにくいタイプなのかもしれない。
そういう点においては今回の内枠は周りに馬を置くことで集中しやすい環境にはなっており最後まで集中を切らさずにレースができそうではあるが内に他馬が殺到すれば進路があるのか不安、外伸びだと他の馬に優位性があってと乗り方に注文はつきそうだが面白い1頭。

3タイムトゥヘヴン

前走NHKマイルカップ6着

未勝利勝ち→京成杯の逃げ臨戦はこれ以上ないくらい整っておりそこで勝ちきれない、取りこぼしの多さから非皐月賞臨戦としては評価が出来ない。
この馬を評価するなら、安定感はあるので相当な前有利バイアスで先行できて16番人気3着の大仕事をやってのけたコズミックフォースのようなパターン。
個人的には希望的観測の域を出ないので軽視。

4レッドジェネシス

前走京都新聞杯1着

前走の京都新聞杯は3歳にとってはかなりタフなレースであったので異端性のある短縮と体力の裏付けあるレースでの好走歴もあって臨戦整った1戦ではった。
その前のゆきやなぎ賞では捲るように押し上げていっても引っ張られずに走れているしフレッシュであれば頑張るディープ産駒といったところ。
僅差ではない取りこぼしも多いけどもどちらかというとスタミナ面に寄ったレースでの好走が多いので1800m~2000mの良馬場東京とかだと他に優位性の高い馬が揃うので情状酌量の余地はあるが弱い相手に勝ってきた可能性も捨てきれないので相対評価としては見劣り。

5ディープモンスター

前走皐月7着

リズムよく皐月賞に挑戦したが外を回し上がり4位で7着。
上位を占めた馬とは逆の不利に該当する馬ではあるが仮にロスなく回ってたら逆転できていたかどうかを考えると上がり4位ではやや疑問も。
また体力を問われやすい少頭数のすみれSで優位性ある短縮ローテで勝ちきったOP馬なのでポテンシャルとしてはやや不足。

6バジオウ

前走プリンシパルS1着

前走プリンシパルSはイン前有利な馬場傾向にも助けられたがまだ余力があるような勝ち方。
戦歴を見ても大崩れしていないタイプなので過去の人気薄で好走してきた馬たちのボーダーには達しているように見える。
ただ適性が高速東京に寄っているので前走で「苦」→「楽」を引いているので前走以上の上がり目はない。
先行脚質なので前走と同じように前有利レースと張って他の馬が破綻すれば。

7グラティアス

前走皐月賞6着

新馬、京成杯ともに連勝してきたがタフなレースの経験値が非常に少なかった。
そういう意味では皐月賞で初めて「競馬」というものをしたのかもしれない。
先行から初めての差し競馬で外を回し4コーナーで内から寄られてレースを投げ出してもよいところを投げずにもう一度追い込んできている点から見て経験値の割りにいい馬。
父ハーツクライのレシステンシアの下と考えると強い闘争心を感じるのでどちらかというと皐月賞寄りの適性の馬かと見るのでここで前進するとは考えにくい。

8ヨーホーレイク

前走皐月賞5着

きさらぎ賞が行われた中京コースで外分回しで追込み2着。
勝ったラーゴムよりは不利の大きいレースを演じあの差であれば勝ちに等しい内容。
皐月賞では外へ流れるロスもありながら上がり最速5着まで追い込んできておりロスがなければもう少し上まであった可能性も。
早仕上がりで皐月賞トライアルまでは完成度で好勝負する勝負する血統かと見ていたが、若手騎手を乗せてもパフォーマンスが落ちていないので完成度は高い。
中京コースで東京コースのように走る馬なので広いコースで本来得意とする競馬が出来そうなのは前走より向きそう。

9ラーゴム

前走皐月賞13着

皐月賞では他に速い馬がいて今まで取れていた位置取りでの競馬が出来なかった。
変化やショックを好む馬ではあるので差し位置取りの形で穴を出してもよいタイプが多いものの反応できず。
オルフェーヴル産駒は闘争心旺盛な馬が多く買い時はやや限定的も、格上挑戦で未経験のスピードだと得意の形に持っていけなくてあっさり負けることも多々あり。
ここでタフな経験を積んだことは糧になっているはずなので延長ペース落ちで自分のリズムが作れれば見直してもよいが負けすぎなところが父オルフェーヴル産駒のリズム面としては不安。


10シャフリヤール

前走毎日杯1着

毎日杯勝ち馬だが上手く乗ったようなレース。
好走してきたレースはいずれも目で見てわかるような結果ではなく地味で器用貧乏感も大崩れはしないタイプと見る。
非皐月賞組ということで前進する何かが見えにくいし前向きさと肉体的な強さが少し欠けており体力に自信があるタイプではないのでせめて内が伸びる馬場で内枠がほしかったところ。

11ステラヴェローチェ

前走皐月賞3着

皐月賞は外の馬がロスだらけなのに対しこの馬は内でロスなく立ち回り3着。
エフフォーリアが恵まれたと巷では言われているがこの馬の方が臨戦含め恵まれていたように感じる。
その上、最後は結構頑張って追い込んでいるので疲労も気になるも最後まで真面目には走る。

12ワンダフルタウン

前走青葉賞1着

青葉賞は接戦勝ちではあるがこの明け1戦目と疲労がとにかく少なく狙ってきた臨戦というのは好感。
また同距離ローテなので延長組に比べて体力的な余力は最もある馬ではないだろうか。
自分より弱い相手には崩れにくい父でもあるがしぶとさもそこそこあって自分の対応範囲だと崩れにくいタイプ。
初対戦組が多いものの体力の余力を考慮すればそこまで敷居は高くない。
青葉賞は体力勝負に出たが京都2歳Sでは高い瞬発性能も見えて単純に能力が高く好走レンジが広い印象。
差し競馬もできるので差しに回ればショックも仕掛けられる。

13グレートマジシャン

毎日杯2着

セントポーリア賞の勝ち方が圧巻で2着バジオウを完全に抑え込んでいる。
毎日杯では2着ではあるものの上手く乗ったシャフリヤールの僅差負けなら内容は勝ちに等しい。
確実に東京に替わってよいタイプでキャリア3戦でベタにディープインパクト産駒の初重賞。
能力高い馬が適性高そうなコースに最上の鮮度持ちでやってくるということでいい臨戦。
あと名前が素敵。

14タイトルホルダー

前走皐月賞2着

皐月賞は恵まれた感はあるがそれでもあの馬場であの時計で前に行った馬が完全に有利だったかといえばそうではない。
弥生賞を逃げ勝った後の格上非逃げローテは大体の馬は嫌がる臨戦にはなるのだが2着まで残しているのは地味だがかなり強い競馬だったように見える。
スピードではなくスタミナに寄った馬だろうしそれを活かせれたレースだったので2着まで持たせられた、という印象。
タフな競馬をしたということはもちろん疲労は無視できないのだがそれでも逃げ→非逃げをこなしているところ、ゴール前のしぶとさを考えると軽い充実感はありそう。
充実感からくる馬だとしたらエポカドーロがやったように疲労は無視できる可能性もあるので個人的には三連系の紐ではケアしておきたいところ。

15アドマイヤハダル

皐月賞4着

皐月賞は結果的に外から差してきてはいるもののこの馬に関してはそこまで不利を受けていない。
トップスピードでコーナリングして外に振られていると流れ切らず走れているので鞍上が上手い。
この馬はやることはやった印象で皐月賞上位組では上がり目が少なく見える。

16サトノレイナス

前走桜花賞2着

牝馬がダービーに出てくるということは斤量差はあれど基本的には肉体面で劣る。
馬としては外からズドンという競馬が理想で距離が延びるのは悪くないのだが相対評価をしたときに不足する肉体面を適性で埋めることは難しいのではないかと感じる。
牝馬でダービーを勝ったウオッカはG1勝利の最低限の下地と父タニノギムレットということで激戦向けの種牡馬で肉体で劣る分を精神でカバーしていた。
ウオッカのようなタイプとは対極にあるので軽視。

17バスラットレオン

前走NHKマイルC落馬中止

京都2歳でキレ負けしてたり逃げて圧勝しているところを見ると闘争心と体力が豊富。
しぶとさもあってかなりいい馬でそういう観点で言えばマイル実績馬だがダービーという舞台は悪くない。
馬場次第ではめちゃくちゃありだった馬。

まとめ

土曜日の傾向を見ていると差し優位。
エアレーションはしていないとなると内側はある程度馬力のいる馬場に対し外は比較的綺麗な東京というのが個人的な感想です。
外の馬場状態がよかったは踏み固められていない外側の芝の発育が良かったものと見ます。
つまり近年穴を空けてきた前走非皐月賞の先行馬のパターンが土曜日の馬場を見るとその方向はないのかと感じました。

◎13グレートマジシャン
○12ワンダフルタウン
▲1エフフォーリア
△8ヨーホーレイク
△2ヴィクティファルス

エフフォーリアがこの位置なのは外差しに張ったからです。
能力の高さは感じるし皐月賞をあれだけの着差で勝った以上皐月賞からの逆転は見ていないです。
気持ちの余裕で走る馬なので大幅に馬体重減って内枠でパニクったらレースをやめる絵もまったく見えないわけじゃないとも思ってます。
強いのは認めた上ですがオッズと擦り合わせると、◎○の馬に優位性を感じたので相対評価で3番手となりました。

◎は大物感あって臨戦が素晴らしい、○は年明け2戦目の疲労が何よりも薄い馬。
△は皐月賞からの情状酌量の余地ある組。

買い目

単勝13
馬連13-1.2.8.12
ワイド13-2.8.12

以上になります。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
何かのご参考になれば嬉しく思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?