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女の尻に敷かれたい男たち。

趣味記事です。

一昔前は、さだまさしが亭主関白なる歌を歌っていました。「俺が帰るまで寝るな」「俺が寝るまで寝るな」こんな感じでしたかね?
今のご時世、こんなことを言ったら袋叩きに合うでしょうね。

僕はゆとり世代ですが、今どきの男はみんな草食系だとよく言われました。恋愛に消極的な男性を指してそう呼んだのでしょう。
今は女性の地位向上が必要だ!と声高々に叫ぶ人々が多く散見されます。ネット上では特によく見かけます。

フェミニスト達は女性は虐げられてきたんだ!ぐらいの勢いで叫んでますけど、女性って社会の中でそんなに生き辛さを感じているのでしょうか?私は当事者でもなければ女性でもないので、実感としてはよくわかりません。

前置きはこれくらいにして、今回は進化についての記事です。
男性は女性の尻に敷かれるように進化してきたのではないか、というお話です。

何度も言っていることですが、身体的には脆弱なホモ・サピエンスが厳しい環境で生き残るためには複数人で協力するという行動が必要不可欠であったはずです。
過去にサバンナで生き残るゲームをするテレビ番組があったそうですが、少人数で挑んだ挑戦者はことごとく肉食獣に襲われギブアップをしました。成功したのはルールが許す最大人数で参加したグループでした。大人数で肉食獣を威嚇し、夜は交代で見張りに立つなどしました。その結果サバンナで生き残ることができたということです。

私は複数人で協力するためには高度な知能が必要だと考え、脳(特に側頭葉)の進化がそれを可能にしたと考えていました。これについては一度書いていますので興味があれば御覧ください。

そして今回、また進化について面白いことを学びました。
それは「ネオテニー」という言葉です。

ネオテニーというのは、『成長期のままの状態で性的成熟を達し、大人になってしまうこと』を言います。
どういうことかというと、ホモ・サピエンスはみな大人になっても幼児的な形質を保持しているということです。

ホモ・サピエンスの進化に言及する際はチンパンジーをよく引き合いに出します。チンパンジーは可愛らしい印象がありますが、その実はとてつもなく凶暴な動物です。特にオスはというと敵対する猿をなぶり殺しにするのは日常茶飯事です。メスは当然そんなオスに逆らえるはずもありません。

では現代のホモ・サピエンスの男性はどうかというと、最初に言ったようにすっかり草食系になっちゃってます。男性は女性の尻に敷かれるくらいが家庭円満で上手くいくとか言いますよね。
こうした男性の性向は、実は自然淘汰の中で獲得されたものかもしれないのです。

生き残るために協力関係が必要だったのであれば、チンパンジーのような暴虐な振る舞いは許されません。そんなことをしていれば群れが大きくなるはずもありませんし、群れが大きくなれないということはサバンナのような環境で生き残る可能性は下がってしまうのです。

つまり多くのホモ・サピエンスの中でも比較的大人しいオスほど大きな群れを形成することができ、生き残ることができたのです。また大人しいオスをパートナーに選ぶメスも同様に生き残ることができたのです。

その証拠に面白い事実があります。
人間は足の母指が他の四指と平行に並んでいるので地面を強く蹴って走ることができるようになりました。一方チンパンジーの足の母指はちょうど人間の手の母指のような位置にあります。これは木々の枝を足で掴むのに重宝します。
これまでは、ホモ・サピエンスが地面に下りたため母指が地面をけれるように進化したと思っていました。しかしそれは違うのです。

実はチンパンジーの胎児を観察すると、足の指の形は人間のそれとそっくりなのです。そのままお腹の中で成熟を続け生まれる頃になると、母指がチンパンジーのそれに近づいていくということです。
つまり、ホモ・サピエンスの足の形はチンパンジーの胎児と同じ形をしているのです。成熟したホモ・サピエンスの形質は、未成熟なチンパンジーの形質と共通しているのです。

チンパンジーのオスも生まれたときから凶暴なわけではありません。成熟する過程で凶暴性を獲得していくわけです。一方ホモ・サピエンスは形質が未成熟なまま性的な成熟をしている。これは凶暴性の獲得もされないまま性的成熟を果たしたということも言えるでしょう。

そして未成熟なホモ・サピエンスのオスは、凶暴性を獲得していないがゆえに複数のホモ・サピエンスと協力関係を築けるようになります。そうすると未成熟な形質を持つ遺伝子が後の世代に受け継がれていくことになります。
何世代もそれを繰り返しているうちに、次第にホモ・サピエンスは凶暴性を失っていきます。

進化においては、新しい形質を獲得するよりも既存の形質を退化させるほうが理にかなっているということも言えます。新たな遺伝子を作り上げるよりは、今ある遺伝子を抑制してしまう方が容易だということです。
私は脳が発達した結果協力関係を築けたという考えをしていましたが、ネオテニーの視点で言えば、脳が未熟になったから協力関係を築けたということです。発達を待つと時間がかかりそうですが、未熟にしてしまうだけであればそちらの方がドラスティックに自然淘汰が進むような気がします。

ということで、現代の男たちが草食系でなよなよしているのは、なよなよしたオスが生き残ってきたからなのです。遺伝子レベルで言えば男は女の尻に敷かれるようにできているのです。
さらには食料調達も、オスが取ってくる獲物よりもメスが採集する量のほうが多かったのではないかという意見もあります。オスは俺たちが外に出て仕事してるんだとか偉そうなことを言ってますが、大昔は食料の獲得もメスに頼っていた可能性があります。
たまに肉を持ち帰ったりしたらすごくモテたのかもしれませんがね。

例えば戦時中のように世界が混沌としている中では、オスの腕力というのは頼りになっていたかもしれません。実際戦争に駆り出されるのは肉体的に強い男性ばかりだったでしょうから。しかし平和を享受している現代では、そんな唯一の取り柄とも言える男性の肉体的な強さは意味を成しません。

それよりも女性に尽くして、女性の尻を温めてあげるような男性の方が女性に必要とされているかもしれません。
そしてもしかすると男性も、遺伝子レベルでは尻に敷かれるのを望んでいるのかもしれませんね。

ちなみに私は、たぶん尻に敷かれたいオスだと思います。
どうぞ敷いてください。

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