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特別でも普通でもない

私の仕事は、見方によっては一種のサービス業である。
同じ部門に所属する人たちに大切にしてほしいこととして、
私の上司はある日こう言った。
「『普通』の感覚を大切にしてください」

実のところ、この言葉が、まったく腑に落ちない。

上司の言葉がわからない、というわけではない。
10を求めている人にも、3を求めている人にも、
5を差し出しておけば、
20を出したり、1を出したりするよりも、「潰しがきく」ということだろう。

でも、これは私の持論だけど、
大抵のトラブルは、「普通」の基準が人によって違うから生じていると思う。
丁寧に伝えようとして書いたメールが、冗長だと感じる人がいるのに。
親しげに話そう、と努めた結果、馴れ馴れしいと顔を背けられることがあるのに。

私が5だと思っているものを、他の人が5だと思っている保証は、どこにもない。
どうしたら、それを確かめることができるんだろう?
たくさんサンプルを集めたら、正解に近づくの?
なんのためにそうするの?
きっと、不満を生まないため、だよね(満足してもらうため、じゃなくて)。

特別になることも、普通でいることも、できなくて、
それがとてももどかしい。

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