高専辞めた話+

追記

投稿から1年半経って、ふと読み返してみたらなんかいろいろふざけたこと書いてたので、だいぶ修正しました。あくまで私個人の見解であり、所属する企業および団体を代表するものではありませんので、あしからず。

一番下にも追記してますので、よかったら読んでやってください。

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どうも、なにを思ったのか高専を辞めた人です。
でも心は永遠の高専生。「なんだこいつ、高専辞めたクセして高専生ヅラしやがって」とか思われるかもしれませんが、どうかご容赦ください。

さて、少し前の出来事になりますが、今回は 高専を辞めるまでの経緯 的なものをひとつ。
わりとふざけた内容の記事になります。つまり、いつもどおりってことです。


中学まで

まずは高専に入るまで。

とにかく 勉強が嫌い な子でした。
宿題とか出されても (ケド・カドってわかります?) 全然やらずに、学期末になって焦ってやり始めるタイプ。アホですね。

当然 親からはあまりよく思われていなかったみたい (あたりまえ)。ケンカはしょっちゅうしていたと思います。

特に中学校に入ってからはよく居眠りするようになりました。
テスト前でも、前日までいっさい勉強してませんでした。

ただ、(少なくとも僕にとっては) 中学校までの内容であれば、勉強せずともそこそこの成績は取れていたんです。
具体的に言えば、5教科合計で375〜400点くらいが常といった感じ。まぁ、高専に入る人の中では低い方だと思うんですけど。
けっして良い成績とは言えませんが、そもそも通っていた学校があまり頭の良くない学校でもあったので、ズルズルとそのまま受験シーズンまで来てしまったのです。

そして、高専を受験しようと思ったのが、3年の秋 ごろになります。


高専受験

遅くね?」と思うかもしれません。確かにこれは遅かったと思います。

これは岐阜県だけの習慣らしいのですが、岐阜新聞テスト というものがありまして。
岐阜県の中学校に在籍する生徒のほぼ全員が受験するテストで、同じ高校への進学を志望する生徒のうち、自分がどれくらいの順位であるのかを知ることができるというもの。いわば プチセンター試験 ですね。

そして、なんとなく志望校の候補として高専を書いておいたら、その順位が 定員数の中に収まっていた んですな。

そんなこんなで「え、これいけるんじゃね?w」と軽いノリで高専を目指してみることに。親もだいたいこんな感じのノリでした。

これ、正直言うとホントに受かるとは思っていなくて、どちらかと言えば 記念受験 的な意味合いのものでした。

だから、勉強もたいしてやっていませんでした。しびれを切らした親の圧力により、ちょっぴりトライさんのお世話になったりしていましたが、過去問なんてこれっぽっちも解いていないです。

ようやく受験勉強に本腰を入れ始めたのも1、2週間くらい前からで、前日でも遊んでいましたからね、記憶によれば。今から思い返してみれば、すごいメンタルしてますよねこいつ。

こんな有様だったので、いざ受験が終わってみても、手応えはからっきし。
絶対に落ちたと思った。


でも、なぜか受かっていた んです。

実は、これには色々とカラクリがありまして。

私の受験した高専は、各学科の定員のうち半数が 推薦受験 枠なんですね。中学校での成績が特に良かった人 (評定の合計点数と、生徒会・部活動の実績によって決まります) は、面接選考だけなんです。
そして、私が志望していた 電気情報工学科 は、普段なら全5学科の中でトップレベルの倍率を誇る学科だったんですが。

それなのにどういうわけか、私の受験した年は、電気情報工学科の推薦受験者数が 推薦枠の半分 しかいなかった。
つまり、一般受験の枠が例年の1.5倍 あったということです。

一応、第2希望として例年なら比較的倍率の低い学科を選んでいたのですが、この年に限ってその学科が一番倍率高かったですね。もう色々と 大番狂わせの年 だった訳です。

それに、偶然 この年から マークシート方式 での受験に切り替わったのも大きかったと思います。こう言っちゃなんですが、運が絡むようになったわけです。
もともと私は選択問題には強いほうだったので、これはありがたかったですね。

そんなわけで、いつのまにか高専生となっていた私。
私立の高校も受験して受かっていたんですけど、高専に受かったとなると、もう高専に行くしかないという流れ になってしまいますよね。
私らの世代だとそうでもないですが、親の世代だと高専ってネームバリューでかいですから。


高専

入学したはいいものの。
もう 成績が下がるわ下がるわ。というか、1回目の中間試験の時点ですでに芳しくなかったですが。
クラス成績で言うと、常に最下位付近で熱いデッドヒートを繰り広げていました。

もうとにかく 理系科目 が苦手なんです。なんで高専入ったのお前?

逆に、現代文であったり日本史であったり、そういう文系ちっくな科目はそこそこ良い点数を取れていたのですが。だからなんで高専入ったの?
でも英語はぜんぜん取れないんですよね。あれはフィーリングだけじゃ点取れないですからね。

あ、あと 情報系科目 の成績は良かったですね。
中学校の2年終わり頃になぜか C の勉強を始めてから、好きで勉強していたので。

そんなこんなで1 → 2年はなんとか進級できましたが、2 → 3年で死にました。

わかりますよね? そう、留年 です。

私の通っていた高専は (当時は) JABEE という団体の認定を受けており、いわゆる 追試・再試がなかった んです。
もう成績がラインに届いていなかったらその時点で留年というワケ。そのうえ、赤点のラインが60点と普通の高校に比べれば高めに設定されています。

そして、留年が2年連続すると強制的に 退学
3年生を乗り越えていれば高校卒業程度の資格が認められますが、万がいちそれより前に退学させられたら、最終学歴 中卒 ですからね。

で、あろうことか、2度目の留年 の危機に。


え、なんで? 2回目 なのに?

私もそう思います。
ただ、1度目の留年に関しても、どうして留年しまったのか、当事者もよくわかっていないのです。わかっていたら留年していないです。

こうなる人はもう入学の時点で決まっている。そういう定めなんです。
勉強しない性格を直さなかった私が300%悪い。留年したそこのキミもそうだよ。

いちおう言っておくと、私の場合は、自主退学 という事になっています。自分から辞めました。

2度目の2年生の12月終わり頃から正月明けにかけて、家族サミット が連日開催されました。もちろん、議題は今後の行き先です。いよいよ強制退学が見えてきたぞと。これは早急にプランを立て直す必要があるぞと。
あるとき、私は自主退学を提案しました。で、満場一致で賛成、即 可決
驚くほどトントン拍子に退学することが決まりました。

危ない綱渡りを5年間 (あるいはそれ以上) 続けられるよりは、いっそ辞めてしまった方が親としてもはるかに気が楽だったらしいんですよね。ほんとに申し訳ない。


見苦しい言い訳タイム

この高専、電気情報工学科とは言っても、情報系科目はあんまりやらなかったんですよね。どちらかと言うと電気系の授業のほうが多かったんです。
あったとしても、本当に初歩の初歩みたいなところから進んでいく感じで、すでにある程度プログラミングをやっている人にとっては物足りない授業ばかりなんじゃないでしょうか。
はじめの3年間、オブジェクト指向プログラミングなかったらしいですからね。C でごりごり書く感じ。
個人的には、ポインターとかの概念さえ押さえておけば、それ以降は C やる必要ないんじゃないかと思いますけどね。C でファイルの入出力とか、一生使わなくない? と思ってしまう。あとスタックの実装とかしたりするらしいんですけど、そういうのやりたい人は競プロでやるでしょうし。

まぁそれは置いておいて。
ここがまさしく高専らしいところなのですが、もし強制退学ということになっても、その結果がわかるのは 3月半ば なんですよ。いや遅すぎる。
そこから次の学校探せと言われても... むずかしいですよね。

というわけで、ギリギリになって退学を通知させられるくらいなら 早めに舵を切っておこう と、そういうことになったんです。

次の学校を探せ

さて、このままでは最終学歴が 中卒 になってしまいます。
それはさすがに危ない。IT 業界が採用において学歴をあまり考慮しない傾向にあるとはいえ、いくらなんでも中卒はまずいです。

たまたま事前に高等学校卒業程度認定試験 (旧: 大検) を受験して合格していたので、次の行き先は 大学専門学校 と決まっていました。
しかし、進路を変えると思い立ったのは1月に差し掛かってから。ここから大学受験は無理ですし、必然的に専門学校しか選択肢がなかったんですよね。もともと私もそのつもりでしたし。

色々と情報系専門学校を探してオープンキャンパスに行き、「基本情報技術者試験に合格した人だけが入れる」という謎な学科を見つけ、その専門学校に入りました。


寮はいいぞ

じゃあ高専に行ったことを後悔しているかというと、全然そんなことはなく。
めちゃくちゃ楽しかったので。特に

なんなら、親にあれこれ言われなくても済むからって理由で入寮するでも全然いいと思いますね。むしろそれが一番大事では? とも。

特にプログラミングとかロボコンとかギターとかイラストとか、やりたいことがある人 は是非寮に入るべき。この際、別にゲームでも良いです。家にいるとどうしても趣味に費やせる時間は制限されちゃいますからね。
特に私なんかは、それまで家に自室がなかったのでなおさらでした。

高専に来て趣味広げないってのは本当に損です。一生の中でこれだけ趣味に打ち込めるのは高専と大学くらいのものですから。
学生ってホントにお得な身分で、多少無茶やっても守ってくれます。将来のためになることであれば惜しみなく支援してくれます。社会人になったらこんなことできないです。

あ、もちろん成績には気をつけて。私みたいになるから。

そして何より、仲良くなれる人が多い。
部屋は分かれているとはいえ (うちの場合は2年生まで相部屋でしたが)、共同生活ってのはやっぱり学校での付き合いとはまた違うもので。
特に高専だと部活以外でほかの学科と絡むことはあまりないので、横に繋がることができる点は寮のメリットですよね。

実際、寮で仲良かった人たちには、今でも良くしてもらっています。マジでありがたいです。


専門学校って実際どう?

専門学校で教わる内容はある意味 実践的で、前の高専でやっていたことよりは身になった感じありましたね。

しかし、「専門学校で技術を学びたい!」というモチベーションがある人にはあまりオススメできないです。

(ここからは個人的観測にもとづいた発言ですので、ウワッと思ったらすぐ飛ばしてください)

専門学校というのは、基本的に 学校のお得意先へ生徒を斡旋するための学校です。いや、テレビ CM 打ってるような大きいところはわからないですけど。専門学校ってのはそういうものです。というか高専もそうだしね。
専門学校のカリキュラムそのものが、そういった企業に就職して活躍できる人材を育成するためのものになっているんですよね。やたらと資格を受験させられるのも、資格の取得数で評価する企業が多いからです。

そういうわけで、Windows Server とか、Linux とか、Cisco とか、Oracle DB とか、まぁ、そういう汎用的で実践的な授業が大半です。知識として知っておくぶんには、まぁ全然アリではあります。
それでも最近の専門学校はけっこう頑張っていて、Swift で iOS アプリ開発したりはするんですけど、市販のテキストを追っていくだけでたいして面白くはなかったですね。

そして私はと言えば、Web エンジニア になりたかったんですよ。
私は、特に バックエンド エンジニア志望でした。バックエンドエンジニアって、使える言語が非常に多彩なんですよね。
フロントエンドならだいたい JavaScript か TypeScript ですし (もしかしたら Elm とか Rust とかあるかもですが)、モバイルアプリなら Kotlin か Swift (もしくは Dart?)、ゲームなら C++ か C#、SIer なら Java とかが多そうじゃないですか。もちろん例外はありますけどね。
でもバックエンドエンジニアなら... そもそもバックエンド自体かなり多義的な言葉ですし、Python、Ruby、JavaScript (TypeScript)、PHP、Perl、C#、Java、Kotlin、Scala、Julia、Erlang (Elixir)、Haxe、Clojure、Rust、Haskell... とにかく選択肢がたくさんあるわけです。

でも、専門学校ではそのへんのスキルは身につきません。自分でやるしかないのです。

専門学校のポイントは、とにかく 自由時間 が確保できることです。専門学校は、定期試験前日にレジュメ読んでおけばフツーに進級できるし、卒業できます。要するに時間が有り余っているんです。
全日制の専門学校だとどうしても平日の時間的拘束は避けられないし、そのあたり大学みたいに融通は利かせられないですが、授業中は全員 PC 開いてるので、変な話 授業中にだって好きなことができるわけです。そうして空いた時間に、やりたいことを突き詰めればいい。ちなみに私は授業中 C# とか Scala 書いてたりしてました。

専門学校はインターンや就活に関してもしつこいくらい面倒を見てくれますが、世間的に見るとかなり時期が遅いです。お得意先の企業にしてみれば 待っているだけで人材がやってくるので、競争性が失われているというか、人材の質に対する感度があまり高くないんですよね。
もちろん Web 系の求人は来ないので、専門学校の空気に流されないように、自分1人だけ先行しながらインターンを探したり就活する必要があります。これがなかなかツライ。

まぁでも、高専という学歴の後ろ盾を失ったことで、結果的に就職に対してシビアになれたのは良かったと思っています。
あのまま高専にいたら、ロクに企業研究なんかせずに遊んでた気がします。


まとめ

また収拾がつかなくなってきた。いつものこと。

今は、「こうなったらそこらの高専生よりいい会社入ったるぞ」という薄っぺらいハングリー精神を糧に、いろいろ勉強進めています。高専にいたときよりは確実に勉強してますね。
一般科目がないぶん、情報系の精進に集中できます。

ここ最近では、結構有名な SaaS 系企業のインターンに参加させて頂くことになりました。
というわけで、明日から3週間ほど大阪飛んできます。なぜか選考通ったんです。

面接にエンジニアの方がいらっしゃったので、いかに自分がプログラミングが好きでこの言語を学びたいかを猛アピールしたのが効いたのかもしれません。
「弊社はやる気のある方を採用します。」っていうの、いかにも信用できなさそうな文言ですけど、プロダクトを自社開発している企業だと案外これが重要だったりするんですかね。

資格は必要なら入社してから取らせるし、知識がなければ研修をして覚えさせる。学歴よりも、うちのプロダクトをどれだけいいものにして多くの人に使ってもらいたいかっていう精神を尊重する。会社に入るまでではなく、入ってからが大事
というのを面接で言われました。いやかっこいいと思った。

そこは新卒採用はしていない企業なので、本当に経験を積む為だけに行ってきます。少なくとも私はそう思っています。
許可が下りれば、後日にまたレポ書きます。

それじゃまた。


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追記

...そして、この記事を投稿した1年半後、私は上記の サマーインターンシップに行かせていただいた企業 に無事就職させていただいております🎉🎉🎉
良かったね〜、1年半前の私。今思うとすごく頑張ってたよね。

ただでさえこんな惨憺たる経歴の持ち主である私が、好きな業界で、好きな言語で、学歴による隔たりもなくお仕事できるっていうだけでも、すごく恵まれていたんじゃないかと思います。

まぁ、要するに、留年とか退学とかしても、そんなもの全然関係ないってことです。それだけです、言いたいことは。

以上。
ここまで読んでくれてありがとね。

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