ギャグマンガで家族構成をこだわるな by赤塚不二夫

昔、よく、図書館に通っていました。
ですが、私はなぜか「物語を追うのが苦手」で小説はあまり読みません。
小説に限らず、映画、ドラマ、漫画、アニメも同じ理由で見たり、読んだりをあまりしません。面白くて、波に乗らない限り「物語もの」を完読したことはあまりありません。図書館で借りて読んでいたのはだいたいエッセイでした。

そんな中、赤塚不二夫さんの対談集の本を借りて読んでいたところ(すみません、題名は忘れました)、その中で興味深い話がありました。確か、対談相手が小説家の柳美里さんだったと思うのですが、確か「天才バカボン」の話になって、そのキャラクターの家族の話になったのだと思うのですが、その時、赤塚さんが、

「小説家は家族構成にこだわる。俺はギャグ漫画家だから、家族構成をきっちり決めていない。」

という旨の話をされていました。
天才バカボンは主人公のバカボン、弟のハジメ、バカボンのママ、そして、バカボンのパパで、4人家族のイメージが強いですが、赤塚さんは、

「もしかしたら、ハジメはママが浮気してできた子かもしれないし、浮気の事実もなく、バカボンのパパの子であってもいい。はっきり決めていない。」

というような発言をされていました。私は、
「そういう考え方もあるのか」
と妙に感心したのを憶えています。
赤塚さんの描く漫画はナンセンスな漫画を多く描いているイメージがありますし、そのナンセンスなギャグ漫画の登場人物がきっちりとした設定である必要がないのです。ありえない設定があってもいいですし、シリアスな背景をにじませてもいいのです。
読むほうの希望で、
「バカボンのママは美人で良妻賢母」
であれば、頭の中でそう思いながら読めばいいですし、
「バカボンのパパは頭のネジが取れなかったら天才」
と頭の片隅に置いて読み続けてもいいということだと思います。
読み手の自由が多いのかな、と思いました。
私の勝手な見解ですが…。

よろしければ、お願いします。