北海道・函館にコロナ禍後の「朝食バイキング」の未来を見に行く

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北海道は函館。夜景や海鮮などで知られる観光都市だ。そして、ここはホテルの朝食バイキング激戦区としても知られる。いくらやカニなどの北海道の名産を朝食の売りにしたホテルが多い。

一方で、新型コロナウイルスの感染拡大で、接触経路による感染も報告され、不特定多数が手を触れることはなるべく避けたほうが良いという風潮になっている。バイキングのトングなどは最たる例で、ホテルでの朝食バイキングの実施は難しくなっている。

函館は、今まで朝食バイキングを実施してきており、この朝食の体験を目当てにしている観光客がいる一方、感染症に対する着実な対策も必要とされており、その挾間でホテルが奮闘している様子を見ることができた。

ここではGo To トラベルキャンペーンの中断前に、3つのホテルを渡り歩いた結果を報告する。

豪華朝食の立役者〜ラビスタ函館ベイ〜

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函館で豪華な朝食バイキングを楽しめるというイメージを作り出したホテルの1つが「ラビスタ函館ベイ」であると考えている。

コロナ禍前に訪れた際は、中国人(台湾人も)を中心としたインバウンド客で賑わっていた。コロナ禍後は、単純にこのインバウンド分が減少したわけではなく、Go To トラベルの効果もあってか、日本人の客がよく戻っていると感じた。事実、朝食会場は時間帯によって満席に近い状態であった。

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天然温泉の泉質や湯上り後のアイス提供など、さまざまな特徴があるが、朝食に注目すると、炉端焼きやイクラ丼などの看板メニューを掲げる一方、品数はそこまで多くはない印象はある。

ただ、洋食やご飯、パン、スイーツにいたるまで、一通り網羅されており、ラインナップは必要十分といったところだと感じる。

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メニューは、看板メニューの炉端焼き・イクラを中心とした海鮮丼は、いずれも文句なく美味しい。いくらも塩辛すぎず、箸が進む味わいだ。

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一通り食べた上での自分のお気に入りメニューは、濃厚プリン。当然魚介類を中心にたくさん魅力的なメニューがあるなかで、地場の牛乳を使用して濃厚な味わいにしながらも、飽きの来ない味に仕上げていることが印象的だった。

函館ホテル界の黒船〜センチュリーマリーナ函館〜

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老舗として知られる函館国際ホテルの隣、函館駅すぐ近くにある「センチュリーマリーナ函館」。札幌のセンチュリーロイヤルホテルの姉妹ホテルで、ブランド力は他のチェーンホテルには劣るであろう。しかし、大浴場をはじめとした広々とした空間を活かした最新の設備は、その弱点を大きく凌駕するものであると感じた。

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朝食も、スパークリングワインが飲み放題というユニークさが目を引いた。実際は、100種類以上にもなる豊富なラインナップの朝食が特徴で、床面積の広さを活かして、ビュッフェエリア、客室エリアともに多くの来客があっても「捌ける」ようになっている。

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肉も魚介も、北海道の食材をふんだんに使っており、何を食べても飽きること無く、朝食をエンターテイメントとして楽しめる印象を受けた。

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ただ、実際には食材にいくらなどの極端に原価が高いものを使わないようにバランスしており、刺し身などのバリエーションや味の当たり外れは感じた。ただ、函館に観光に来れば、他にも魚介を楽しむ機会はたくさんあるだろうから、やはり総合的にはんだんして優れた朝食バイキングであるという点は間違い無いだろう。

回転寿司復活の今後に期待したい〜JRイン函館〜

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最後に紹介するのはJRイン函館。函館駅直結、2020年開業の函館で最も新しいホテルの1つ。アクセスも迷うことない最高のホテルだ。

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朝食も力を入れており、函館で回転寿司を展開する「まるかつ水産」が朝食を提供している。特に、ビュッフェでは、回転寿司のレーンに寿司を流すという、採算度外視であろう朝食が魅力的に感じていた。

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しかし、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けており、朝食はプレート形式に変更となった。ただ、こちらも十分満足できる朝食であったことを強調しておく。

加えて、刺身は先程の2ホテルに比べ、品質で圧勝していた。バイキングの大量に提供するものとくらべて、明らかに吟味された魚介を提供していることが、口に入れた瞬間わかった。

バイキング提供を取りやめていたことは残念だが、来客数もバイキング形式では難しいほどの少なさであったので、しょうがないと感じる。感染症の状況が好転した際の動向に期待したい。

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