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大学卒業後にニート、そしてフリーター。「できることしかやりたくなかった」僕が、失敗から逃げたことを後悔している理由

はじめまして。株式会社Traimmu(トレイム)カスタマーサクセス担当の根橋良彰です。長期インターンプラットフォーム「InfrA」のCSとして、学生と企業のサポートを行なっており、一方で経理や人事などのバックオフィス業務全般も担当しています。

基本的になんでもやるので、常に慌ただしく忙しい毎日ですが、それもスタートアップならではな感じで、楽しく働けています。しかし少し前までは、大学卒業後に新卒入社した会社を4週間で辞め、その後バイトで食いつなぐ、どうしようもない毎日を過ごしていました。

私自身、この1年で環境も心も大きく変わりました。そこで今回は、ダメダメだった学生時代から、トレイムに入社するまでを振り返っていきたいと思います。

得意なドラムしか、やりたくなかった

突然ですが、みなさんが人生のなかで多くの時間を費やし、熱中したものは何ですか?

私は、ドラムです。物心がついて間もない頃、姉が所属していた吹奏楽部の演奏会で生のドラムの演奏を観て、大きな衝撃を受けたのを覚えています。「いつか自分もこの吹奏楽部に入ってドラム叩くんだ」と決意し、その日を夢見ながら菜箸で枕を叩いていました。

中学生になり、念願の吹奏楽部に入部。熱量があったからか、特に挫折をすることもなく日に日に上達し、パート内でもトップになりました。

ただ今思い返すと、僕にとってはこの経験が、弱気な自分をつくった原因になっていると感じます。ドラムにおいては誰にも負けなかったのですが、その反面、「失敗や弱み」を見せるのが怖いと感じるようになっていたんです。

私は完全に文化系人間だったので、運動が苦手でした。体育の授業で、クラスの女子に「走るのおっそ(笑)」と笑われたのは大きなトラウマです。音楽では強者なのに、それ以外は弱い。それ以来、「できること」だけで賞賛を浴びて、「できないこと」をして批評される機会を避けました。

苦手を避けたら、どん底をみることに

得意なドラムで周りからちやほやされるのが心地よすぎて、大学を卒業するまでずっとドラムだけをやってきました。しかし大学進学を決める前、進路について悩む時期があり、ドラムを仕事にしようとも考えましたが、諦めてしまいました。理由は、ドラムは“できること”だけど、「ドラムでお金を生み出す」ことは“できないこと”だから。

結局自分の“できること”の幅を広げてこなかったせいで、就活では惨敗でした。しかし、一社だけ、光回線の訪問販売を行う会社から内定をいただけたんです。「人様のお宅に営業するのか…。絶対きついじゃん」と思いましたが、長期間にわたる就活で疲弊していたので、不安ながら内定を承諾。

大学を無事に卒業し、無事に訪問販売の会社に入社。入社してからは、自分で予想もしていなかったことの連続でした。

入社1週目
商品研修や営業同行を経験し、はやく1人で回りたい気持ちでいっぱいになる。

入社2週目
いよいよ営業1人立ち。最初の週に、同期のなかで1位の契約数を達成。上司からも褒めてもらい、モチベーションはMAX。

入社3週目
新卒で一番の成績を出したため、ノルマを引き上げられる。ノルマを達成するためには訪問数を増やす必要があり、お住いの方からきつく当たられる回数も増加。日に日にメンタルがやられていく。

入社4週目
訪問するのが嫌で、早退・欠席を繰り返す。最終的に上長と面談の末、退職。

退職したことで、情けなさや親への申し訳なさを感じましたが、自分の心を一番苦しめたのは「恥ずかしさ」です。

“できること”に固執し、「自分の可能性」を広げなかったことで将来のキャリアを描くことができず、やみくもに進路を選択したとしても、「目指すべきゴール」がないために、努力する意味を見失う。社会に出てからはじめて、これまで自分が取ってきたあらゆる選択を後悔しました。

退職後はアルバイトをやりながら、「やりたいこと」をじっくり考えてみることにしました。しかし、今までいくら考えても出てこなかったものが、簡単に見つかるはずがありません。先が見えない自己分析に疲れ、結局アルバイトも2ヶ月で辞めました。

あれほど「失敗や弱み」を恐れていた自分が、会社を2回も早期退職をしてしまい、恥ずかしさと情けなさから、「誰にも知られたくない」と思いました。

親や兄弟にすら何も言えない状態だったのですが、ある日、電話をかけてくれた友人がいました。トレイムで広報PRを担当している小原です。

彼は大学で初めて仲良くなった人で、最も多くの時間を共有した、心から信頼できる親友です。新卒の会社を辞めたときも彼には報告していて、常に私の様子を心配してくれていました。「最近どう?」とフランクに聞いてくれたことに救われ、自然とすべてを話すことができました。そして、彼は「トレイムでの長期インターン」を勧めてくれたんです。

僕にとってスタートアップは、優秀な人が多いイメージ。明らかに自分の能力は低いし、小原から説明された業務も、今まで自分が経験したことのない内容でした。しかし、2度の退職を経験したことで、できることだけを選択の基準にするのはダサいし、自分のなかで一番変えなくてはいけないところだと思ったので、インターンに参加させてもらうことにしました。

学生たちに、感化された

友人の小原に誘われ、人生で初めてのインターンに参加。トレイムは長期インターンの求人媒体を運営しているので、自社でも多くのインターン生を採用していました。

インターンに参加してはじめに衝撃を受けたのが、自分よりも年下のインターン生がはるかに優秀だったことです。スキルが高く仕事の進め方も上手で、毎回「次は何をしましょう?」と社員や周りのインターン生に聞いていた自分を、とても恥ずかしく思いました。

ただ、目に見えるアウトプットの質だけでなく、インターン生1人1人が「自己のキャリア」を見据えて行動していることに一番驚きました。将来に対して不安を持っていたり、向き・不向きが分からないのはみんな同じで、インターンを通して自身の課題を解決しているのです。

インターンに参加する学生は、社会に出る前に一定の就業経験を積み、その過程で自身の適性と解決すべき課題・目標を明確にします。そして、それらをもとに、今後のキャリアを設計していくのです。社会に出てからも、強くてブレない軸があるので、「目指すべきゴール」に向かって自走することができます。

私は“できること”に固執し、失敗を恐れてアクションを起こすことに躊躇したことで、社会に出てから「新卒の会社を退職してニートになる」という、とても大きな失敗を経験しました。

だからこそ、私自身が長期インターンを通じて自分の価値をどんどん高めていく必要があったのです。なので、トレイムのビジョンを自分自身に課し、将来への不安を払拭して「やりたいこと」へ向かえる若者を増やそうと決意しました。

インターン生として働きはじめてからは、今まで逃げてきた分、多くの失敗を経験しました。しかし、「失敗すること」への恐怖は、以前よりもはるかに少なかったのです。おかげで、その多くの失敗を成長につなげることができました。もちろん、自分が失敗を学びに変えられたのは、これまで多くの学生を成長させてきた、トレイムの環境があったからです。

少し前まで会社をすぐ辞める人だったのに、一度も辞めたいと思わずに頑張ってこれたのは、会社のカルチャーにフィットしていたことも大きいと思います。そしてインターン生として数ヶ月過ごしたのちに、代表の高橋から内定をいただき、正社員として入社させてもらいました。トレイムが掲げるビジョンのように、自分自身の価値が向上し、「やりたいこと」を見つけてキャリアを選択できたことは、長年将来について悩んでいた自分にとって、この上ない幸せです。

失敗しないことこそが、一番の失敗

お節介かもしれませんが、最後に学生のみなさんに向けてメッセージを送らせてください。

これまでの私は、過去の失敗に囚われ、「如何に恥をかかずに過ごせるか」だけを考えて生きてきました。

ただ「失敗したくない!」と強く思うと何もアクションを起こさなくなり、アクションを起こさないと自分の「できることリスト」が更新されることはありません。できること・得意なことが少ない状態だと、いずれ失敗するときが訪れます。私の場合、それが新卒の会社を4週間辞めることだったわけです。

そして、失敗はそのままにしておいてはダメで、改善していかなくてはなりません。いわゆるPDCAです。私は、PDCAの回し方を知らなかったので、2社目も退職するという失敗を経験をしました。その後、3社目の長期インターンで初めてPDCAの回し方を知り、「失敗を成長につなげる」ことができるようになったんです。

私ほどダメダメな人間はそういないと思います。しかし、将来に向けて動き出せなかったり、やりたいことを見つけられていない学生が、きっと世の中にいるはず。そんな方たちが、私のように社会に出てから路頭に迷ってほしくないと本気で願っています。

長期インターンは、路頭に迷わず済むためのアクションの1つです。私たちは、将来に向けて何かアクションを起こす若者を応援し、そういった若者が「本当にやりたいこと」に向かえる世界を目指します。

Text by オバラ・ミツフミ
All Photos by 岡島たくみ(株式会社モメンタム・ホース)

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