東京科学大学への編入学を目指す学生が高専4,5年次に受講すべき講義①

「編入試験受験生のための情報シリーズ」の第1弾として、今回と次の記事2回にわたって、東京工業大学に編入学を志す学生が高専時代に受講しておくべき単位について、お伝えします。

文責:令和5年度 工学院 経営工学系 3年次編入学 李
最終更新日:2024年1月6日


記事の結論

まず、この記事の結論として、

高専4年次もしくは5年次に、「生命科学」関連の90分の講義15回分を受けておけ

です。順を追って解説します。

記事のための補足

補足①:東工大の単位の定義

東京工業大学では、1単位は100分✖7回の講義と1回の定期試験と定義されています。
1年が4分割されたクウォーター制を導入しているため、それぞれのクウォーターごとに7回の講義を行い、それで1単位となります。
この記事を書いている担当の出身校の北九州高専では、90✖15回の講義で1単位とされていたため、理解するまで戸惑った記憶があります。

補足②:東工大での単位認定

東工大での単位認定は、

  • 数学関連科目は高専3年次以降のみ

  • 数学関連以外の単位は、4、5年次の単位のみ

が対象となっています。
よって、高専2,3年次に受講した文系教養や専門科目は単位認定の対象とはなりません。

以上の二つの補足を踏まえて解説します。



東工大での理工系教養科目の必修単位

東工大には、学部1年次の理工系教養科目の必修科目として、下の表1に示した14単位が存在します。

表1.理工系教養科目の必修単位

表1の①~⑩に関しては、12単位に関しては、
入試形式(一般入試 or 特別入試(生命理工学院のみ))に関係なく、
無条件で単位認定をもらうことができます。
しかしながら、⑪と⑫の「生命科学基礎」の2単位に関しては、高専で受講していなければ単位認定をもらうことができません。

もちろん、選択科目に「生命科学」関連の科目がない場合は、どうしようもありません。東工大に来て、前期(第1クウォーターと第2クウォーター)に2単位を取るしかありません。

講義内容

生命科学基礎の講義内容は、

  • 細胞の構造

  • DNAなどの塩基配列、複写・転生などの遺伝学

  • 動物の組織と器官

  • 植物の組織と器官

  • 神経系と感覚器官

  • 免疫の概要

など多岐にわたります。
合わせて2単位のため、7[回/単位]✖2[単位]=14回の講義が行われ、毎回教授が違う形式のオムニバス形式の講義となっています。
それぞれの分野の専門家であり、最先端の研究を行う教授が順番に登壇し、講義が行われます。
詳しい講義内容は、下の東工大のシラバスを参照ください。

「教養科目群」⇒「理工系教養科目」⇒「生命科学基礎第一1」を選択することで講義内容を確認することができます。

これと似た内容の講義が行われている選択科目がある場合は、高専4、5年次で受講をし、単位認定を狙うことをお勧めします。
14回分の講義の内容とすべて一致する必要はありません。
どの程度かは明言はできませんが、ある程度一致していて十分な講義数が確保されていれば、認定をもらうことができます。
足りないと判断された場合には、前半部分の1単位のみが認定されるということももしかしたらありえるかもしれません。

一般入試合格者21名の内5,6名ほどは単位認定をもらっていました。

最後に

この生命科学基礎は、
試験前にしっかりと勉強すれば90点を取ることが可能であるが、95点を超えることは非常に難しい単位
になっています。
よって、GPA稼ぎの単位としての期待はかなり薄いため、できることなら、東工大で受講することなく、単位認定で済ませるすることをお勧めします。
人によっては、1年に紛れて3年生が受講しに行くのは、気まずいという側面もあるかもしれません。

ぜひ高専で受講しておくことをお勧めします。

私は、この2単位の必修科目のせいで、経営工学系の専門科目の選択必修の4単位を受講することができないという経験をしました。
私の通った北九州高専で、生命科学基礎という90分間15回に渡る講義を高専2年次の必修科目として受講したのですが、補足②で述べた理由によりこの単位に関しては単位認定をもらうことができませんでした。

今回の記事は以上です。

次回は、「東京科学大学への編入学を目指す学生が高専4,5年次に受講すべき講義②」という題目で、「生命科学基礎」以外に高専で受けておくべき単位をご紹介します。

それでは、次の記事でお会いしましょう。