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今日は何月何日ですか? 〜日付の由来を調べてみた・中編〜

今日は何月何日ですか?

カレンダーを見て1月1日から数えて何ヶ月と何日経っているから・・・
と答えることになるかと思いますが、その1月1日はどうやって決まったのでしょうか?
一年の始まりである1月1日にはどんな意味があるのか?
ちょっと掘り下げてみたいと思います。
>前編はこちら
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月と日を決めよう

太陰暦

ここではヒジュラ暦(イスラム暦)を例に進めます。
太陰暦では新月を含む日が一日(ついたち、朔)となります。
新月から新たな月が始まるわけですね。
そうすると新月から満月になり、再び満月になるまでの【約29.5日(朔望月)】は、29日間(小の月)か30日間(大の月)のどちらかになります。

これを12回繰り返すとほぼ一年(29.5日×12回=354日)となります。
が、実際の一年には約11日足りないです。

ですが、そもそも太陽を基準にしていないので「特に困らない」んですね。
3年でほぼ一ヶ月ずれますが、気にしません
中東、砂漠地帯ですので季節の移り変わりの影響が小さく、農耕も難しかったでしょうから問題なかったのかもしれません。

ちなみにムスリムの義務の一つ「ラマダーン」ですが、ヒジュラ暦における月の名で9つ目の月になります。
(「ラマダーン」は断食のことではないです)
日の出から日の入りまでの間、一切の飲食を断ちますが、そもそも暦が季節を意識していないため年によっては日が長く暑い夏にあたるとかなり厳しくなります。
ヒジュラ暦の34年がグレゴリオ暦の33年に相当しますので、季節も33年で一周します。
「ムスリムは、同じ季節のラマダーンを人生で2度経験する」と言われるそうです。

ちなみに、ラマダーン月の開始と終了は、長老らによる新月の観測によって行われます。(雲などで、新月が確認できなかった場合は一日ずれる)
夏に白夜になる北極圏などの極地地方にあっては、近隣国の日の出・日の入り時間に合わせるなどの調整も図られるそうです。

太陰太陽暦

いわゆる旧暦の天保暦(天保壬寅元暦)などを例に進めます。
日にちの考え方は太陰暦と同じで「新月を含む日が一日」になります。

そして二十四節気【立春】を一年の始まりとし、月を考えると、、、

となります。
ですが一ヶ月は月を基準にしているので、こんなに綺麗になりません。
それに太陰暦で「気にしなかった」一年に11日足りないこともなんとかしたいです。

そこで月を決めるルールを追加し、以下を基本とします。
朔(新月)の日が毎月一日である。
・二十四節気のどの中気を含むかで月が決まる。
・割り当てのない新月から始まる一ヶ月を閏月とする。←追加

2つ目までのルールで月を決めると、

となります。
このとき、中気を含まない月が一つできますので、その月を閏月とし

と全ての月が決まります。

太陽暦

古代エジプトで使われていたシリウス暦を例にします。
古代エジプトではシリウスの観測から、一年が365日であることを知っていたと考えられています。
一ヶ月を3週間(1週間は10日)とし、それが12回繰り返して一年としていました。(足りない5日はどの月にも属さない日としていた)

太陽暦と言っても、一年は12ヶ月としているのは月の満ち欠けが関係していたと思います。そこにシリウスの観測を組み合わせていたので「ソティス暦」(シリウス・ナイル暦)とも呼ばれています。

その後、一年を365日としていたため、次第に季節のズレが生じます。
そこで一年を365.25日とし、閏日を設けるようになります。
ただし一年を365日とするのは神から与えられたものとして神聖視され、この考えは神への冒涜であるとされたようです。

後編へ続く

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