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月齢って実際のところなに?

月齢とは辞書的な言い方をすると「朔(=新月)の瞬間からの経過時間を日を単位として表したもの」と、なります

つまり、朔の瞬間から1日(=24時間)経つと月齢は1.0、36時間で1.5となります。
そして、「今日の月齢」というと一般的にその地域の「正午」の月齢になります。

月の公転周期は約27日7時間43分です(日数で表すと約27.32日)
ですが、月が朔から望(=満月)を経て再び朔になるまでの周期(=朔望月)は約29日12時間44分です(日数で表すと約29.53日)
(厳密にはこれを「平均朔望月」といいます。月の軌道は複雑で周期には29.27日から29.83日の幅があります)

そして月齢の話をするときには後者の「平均朔望月」約29.53日を使用します。

この
 ・約27.32日:月の公転周期
 ・約29.53日:平均朔望月(朔から望(=満月)を経て再び朔になるまでの周期)
の違いはどうして起こるのでしょうか?

でも地球の1日の話を書きましたが、地球が一回自転でくるっと回る間に太陽の周りを365分の1回転公転するので、1日の長さは地球の自転周期よりも約4分長いという、あれです。

これと同じことが月でも起こります。

つまり、地球が太陽の周りを公転していないとすると、太陽-月-地球が一直線に並んだ位置関係が太陽-地球-月(つまり望、満月)となって、再び太陽-月-地球となる期間は月の公転周期に一致します。

ですが、この間、地球は太陽の周りを公転しています。

太陽-月-地球(朔)の状態から、太陽-地球-月(望)の状態になる約13.66日(月の公転周期の半分)の間に、地球は太陽の周りを365分の13.66回転公転するので、月はその分余計に回らないと太陽-地球-月は一直線になりません。
これが再び太陽-月-地球(朔)になるには、もう地球が太陽の周りを365分の13.66回転公転する時間が必要になり、こちらも余計に回らないとなりません。
この余計に回る分が、平均朔望月と公転周期の差、約2.21日になります。

国立天文台 暦Wiki より

厳密には月の公転軌道は楕円軌道なのでもう少し複雑になりますが、詳細は下記noteを参照願います。

新月(=朔)は常に月齢ゼロです。
ですが、満月は月齢15とは限りません。
ですので、月齢3と言っても毎月見ていると微妙に形が違います。
なかなかすんなり入ってくることじゃないですが、それぞれ基準が違うので当たり前といえば当たり前なのです。

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